定跡の知識や詰将棋なしで、初段になりたい! ネット将棋で大ブレイク 将棋俱楽部24編

2021年08月22日 | 将棋・雑談

 前回の続き。

 ナマケモノの私が、いかにして「初段の壁」を超えたのかについて、このところ語っているが(ここまでの激辛道場編は→こちら 高校で詰将棋マニアと出会うところは→こちら)その特徴は、実戦をあまり指さないタイプだったこと。

 将棋雑誌を欠かさず購入し、スクラップまで作っていた(今のブログネタに生かされてます)ガチの将棋ファンにもかかわらず、とにかくだれかと指すという機会が、まったくなかったのだ。

 まあ昔だと、「将棋道場」という文化に肌が合わなかったり、学校に「将棋部」がないと、わりとありがちだったと思うけど、この状況に風穴を開けたのが、ネット将棋という存在だった。

 20代半ばくらいに、友人から古いノートパソコンをゆずってもらい、なんとなく「将棋俱楽部24」をはじめてみたら、これがハマった。

 なんといっても、家で気軽に指せるのがいい。

 道場みたいに、相手がいなくて待ちぼうけとか、煙草の煙とか、マナーの悪い人とか(これはネットにもいるかな)、そもそも、そんなに社交的じゃないしとか。

 そういった対人のめんどくささが、すべて解消されている。

 時間帯もお好みのままで、気まぐれな私にはピッタリだ。

 棋力がよくわからないので(単純なブランクだけでも7年どころか、実質15年くらいだ)、最初はとりあえず3級で登録。

 指してみると、はじめはぎこちなかったが、徐々になれだして、勝てるようになってきた。

 5局指して3勝2敗くらいのペースだったが、いろんな人と指しているうちに、なんとなくではあるが、自分の将棋が通じることがわかってきた。

 前回も書いたが、私の売りは、雑誌の自戦記や観戦記を読みまくり、「棋譜並べ」を山盛りやったことによって身についた、「実戦的な手」の数々。

 定跡にくわしくなく(めんどくさくて覚える気にならない)、詰将棋もやらないから、詰みの部分も「なんとなく」でやっている、とんでもなく、いいかげんなプレースタイル。

 けどそこは、アマ級位者レベルなら、不利になった中盤のごまかし方と、相手が息切れするまで耐え抜く、勝負手とド根性を駆使すればなんとかなる。

 

 

 

1977年の十段リーグ。米長邦雄八段と、淡路仁茂五段の一戦。
図の△56歩が米長いわく「まやかしの手」。
▲同金なら△35歩だが、取らないのも気持ち悪い。
こうして「心理的に揺さぶっ」て、やや不利な局面から逆転勝ち。
こういう手をマネして、相手が悩んでくれるのを見守るスタイル。

 

 

 自分のストロングポイントがハッキリすると、必然「勝ちパターン」のようなものが確立されてくる。

 こういう「自分の土俵」を見つけることは大事。

 私の場合、リードされたところから挽回していって、明らかに相手があせったり、もてあましている感じがしてくると「勝ったな」という気分になる。

 逆に中盤でリードを奪って、「キープして勝つ」ことを求められる局面とかはキツイ。

 また、終盤で一手違いの切り合いになると、詰将棋をやらないせいで、寄せがヘボくて、やられてしまうから、なんとか避けるようにする。

 こういうのが見えてくると、指していても、おもしろくなってきて、それが自信になったのか、ボチボチとではあるが、勝ちを積み重ねた。

 1級では、さすがにちょっと時間がかかったものの、まずは目標である初段に到達することができた。

 アマチュアで、とりあえず初段になれれば、まずは一人前だ。

 「任務完了」で、あとは気楽に指して、ここをキープしておけばいいやと、上昇志向もへったくれもない(だからこれ以上、強くなれないんだな)ことを考えていたのだが、ここから話は思いもかけない展開を見せるのだ。

 

 (続く→こちら

 

 

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