マイナー趣味と「タテ」と「ヨコ」の評価軸について

2023年08月18日 | オタク・サブカル

 変わった趣味の人を見ると話を聞きたくなるのは、自分が将棋ファンだからだろう。

 ということで、前回ここで

 

 「他人のマニアックな趣味を《》だと感じるのは、その奥深さを理解する《知性》が足りないだけという可能性は充分

 

 という話をしたが、私はそもそも「タテの評価」ならわかるが「ヨコの価値観」に優劣をつけようとする発想が、あまり意味ないなーと感じる。

 「タテの評価」というのは、そのもの数字勝敗で勘定できるもの。

 スポーツの勝敗とか営業マンの売上数とか科挙とか、そういう

 

 「同じルールで戦って優劣を評価できるもの」

 

 これはわかりやすい。数学テストで「100点」の人と「85点」の人がいれば、前者の方が「優秀」という根拠はそれなりにあるだろう。

 スポーツなら「優勝回数」とか「勝率」「勝ち点」など、なんなり差をつけるものに事欠かない。

 もちろんこれだって絶対ではないわけだが、一応の参考にはなるデータであり、そこを「優劣をつけるな」みたいな、一部の教育者みたいなことを言うつもりはない。

 一方、「ヨコの価値観」とは、そういった「絶対性」がないもの。

 テレビなどでよくある「野球サッカー」とか、

 

 「将棋持ち駒が使えるからチェスよりすぐれたゲームだ」

 

 みたいな考え方とか、そういうのでどっちが上とか下とか、死ぬほどどうでもいいのだ。

 だって、それを決める基準値なんて「好き嫌い」しかないしなあ。

 というと、

 

 「野球はサッカーより稼いでいる

 「いやいやサッカーは世界でやってるけど、野球は一部の地域でしか盛んじゃない」

 

 とか言いあったりするけど、それもなんだかなあ。

 そんなもん時代地域によって全然変わるわけで、ほとんど意味のない比較なんである。

 そもそも「ビッグマネーが動く」「競技人口が多い」とか、「そのスポーツの価値」とはまた別だ。

 それはそれで大事だけど、「野球の魅力」「サッカーの魅力」の一部にすぎないというか「おまけ」みたいなもんだし。

 それらすべて

 

 「オレは野球よりサッカーが(サッカーより野球が)好き」

 

 でいいのであって、それはのみならず、テニス卓球剣道クリケットポートボールも。

 いやさスポーツだけじゃなく将棋も囲碁アニメプロレスアイドルお笑いもすべて同じ。

 もちろん、「M-1グランプリ」のように、

 

 「好き嫌いにルールや基準を作って勝負する」

 

 という発想はアリで、それはやったらおもしろいわけだが、そういったものがないもので上下関係とか、阿呆らしいことこのうえないのだ。

 なんかねー、昔テレビで

 

 「世の男はみんな、全員大したことない。戦場カメラマンなんか、死の危険の中で仕事してるのに、あなたたちは何か命を懸けるようなことをしてるのか」

 

 みたいなことを言ってた女性タレントとかいて、別に命かけてようが、平和な日本に居ようが、

 

 「自分の仕事に誇りをもって、あるいはつらくても、自分や家族のために一所懸命働いている人」

 

 ていうのは全員が「等しく」立派なんでねーの?

 とか思う私はどうしても、こういう「勝手なルールで優劣をつける」物言いをトホホに感じてしまうのだ。

 そんなの、マダガスカルかどっかに特設リングでも作って、好きにやっててよ。 

 

 (続く

 

 

 ★おまけ

 (大槻ケンヂさんの語る「穴埋めマニア&ゴム草履マニア」の話はこちら

 (オーケンによる「昆布ふんどしマニア」についてはこちらからどうぞ)

 

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マイナー趣味に興味を持つのは将棋ファンだから

2023年08月06日 | オタク・サブカル

 変わった趣味の人を見ると話を聞きたくなるのは、自分が将棋ファンだからだろう。

 趣味というのは人さまざまで、「スポーツ観戦」とか「オシャレ」とか「ゲーム」「食べ歩き」などは一般に市民権を得ていて、どうということもない。

 ちょっと変わって「バードウォッチング」「プラモ作り」「コスプレ」「インド映画」とかでも、多少マニアックとはいえ普通に許容範囲であろう。

 だがこれが

 

 エントロピーの研究」

 「自作パソコンの電源スイッチを愛でる

 「内臓手術の動画鑑賞」

 「アイドルのライブに行ってアイドルでなく、そのファン生態だけ楽しむ」

 

 などと聞くと、さすがに「なんで?」の声が抑えられない。

 ちなみに、上記の「なんで?」は実際に私の友人が趣味でやっていることだが、大学の最初の授業で声をかけてのやりとりが、

 

 「なんか趣味とかある?」

 「エントロピーについて考察することかな」

 

 というものだったのは今でも記憶に新しく、まったくシビれるような我が青春である。悔いだらけかもしれない。

 そんな「なんで?」な趣味になぜ引っかかるかといえば、それは自分の趣味に「テニス」「旅行」といった分かりやすいもの以外で「将棋」というのがあるからだろう。

 将棋というのは、藤井聡太七冠のおかげで今でこそブームになっているが、基本的には地味なものである。

 私自身、そのことでバカにされたり、イジられたりしたことはないというか、そもそも「イジるほどの関心すら払われないほどだったが、それでもいつも不思議に思ったものだ。

 

 「将棋って、こんなにおもしろくて奥が深いのに、なかなか興味持ってくれへんなー」

 

 好きな人ならわかっていただけるだろう、将棋はメチャクチャにおもしろいゲームである。

 自分が指すのはもちろんのこと、プロ棋士の見せる序盤戦術の進化や中盤での大局観終盤で詰むや詰まざるやのドキドキや、ドラマチックな逆転劇(王座戦の挑決は激おもしろかったネ!)。

 それ以外にも江戸時代から続く歴史や、個性的な棋士のエピソード。棋士は文章のうまい人も多いから本もおもしろいし、詰将棋のクリエイティビティなども震えるような感動を味わうこともある。

 ということはだ、もまたなりではないか。

 世の中には、結構変わった趣味の持ち主というのがいる。

 「石拾い」とか「空き缶集め」とか「果物のタネ飛ばし」なんていう、私でも正直「なんで?」な人というのが。

 でもそれを、そこで斬り捨ててしまうのが、少々はばかられるのだ。

 私は「将棋奥深さ」を知っている将棋ファンだ。

 だから、たまたまみんな知らなかったり「地味」という偏見があるせいで、それを知ってくれれば、今まで将棋に感心がなかった人の何パーセントかは理解してくれるという自信がある。

 だとしたら、他の趣味もそうではないか。

 私は鉄道に興味はないが、この世界は多少メジャーなこともあって情報も多い。

 そういったを読んだりを聞いたりしていると、自分はそうでもなくても、

 「これにハマる人はおるやろな」

 ということは理解できる。

 それと同じで、それがたとえ「ゴミあさり」や「めぐり」だったとしても、こちらがそれを理解できないのは「くだらないから」「地味だから」ではなく、

 

 「単にこちらに感心がなく、そのジャンルを楽しむ知性にとぼしいから」

 

 という解釈だってなりたつわけであるというか、実際そうだと思うのだ。

 もちろん、話を聞いてもチンプンカンプンなこともあるが、

 

 「わかんねー」

 「なにが、おもろいねん」

 

 と捨ててしまいがちなところから、思わぬ「知性」が得られるチャンスがあるのだから、これを逃すのも、もったいない気もするのだ。

 実際、村崎百郎さんのゴミ漁りの話なんか、結構マジにすごいというか、その深度に感動しちゃうんで、よかったら著作を読んでみてください。

 

 (続く

 

 ★おまけ

 (大槻ケンヂさんが解説する「パイプマニア」がおもしろい)

 (オーケンによるマニアックな性の目覚めはこちらからどうぞ)

 

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解散MAT 謹慎TAC 脱出ZAT 全滅MAC 『タロウ』と『80』のファンに怒られる編

2023年06月21日 | オタク・サブカル

 前回に続いて、「坂井利彰世代」が中心のオタク談義。
 
 特撮にくわしくない友人ワカバヤシ君が、昭和の狂ったエピソードを聞いて、そのあまりのハイセンスな内容に、

 
 「ボクをだまして、からかってるんだろ?」

 

 疑心暗鬼になるという展開。

 たしかに、

 

 「予算がないせいで、カラーなのにモノクロのフィルムを流用してシーンをつなぐ映画がある」

 

 とか言われても、「え? それネタやろ?」としか思いませんわな。

 

 では、まずは登場人物。
 
 
 1.ベットウ
 
 後輩。戦隊ヒーロー、アニメ、マンガ、プロレスが得意ジャンル。

 好きな学園もの作品はテレビ版『新世紀エヴァンゲリオン』の第八話から第拾弐話
  


   
 2.ワカバヤシ

 元関東人。オタクではなく、映画、文学、哲学などにくわしいインテリ。

 好きな学園もの作品は『虹色定期便


  
  
 3.カネダ先輩

 SF、ミステリ、映画、ゲームなどが専門。

 好きな学園もの作品は『さびしんぼう

 

 
 4.

 特撮、SF、ミステリ、映画あたりが専門。

 好きな学園もの作品はハルチカシリーズ(小説版)

 

 

■『ウルトラマンタロウ』『ウルトラマンレオ』と続いて、今回は流れ的に『ウルトラマン80』になるはずなんですが……。

 

カネダ「『レオ』の次は『ウルトラマン80』になるんやけど……」

「『80』って、あんま、おぼえてないんですよ。だから話すことが、あんましないというか」

ベットウ「80にかぎらず、タロウとかレオも、記憶があやふやなところも多いですよね」

ワカバヤシ「へー。オタクってなんでも見て、おぼえてるもんだと思ってたけど」

「『何でも見てやろう』の小田実精神やねんけど、タロウ以降はあんまし見いへん人が多い」

カネダ「子供のころから、あんまし見直すことないよなー」

「ま、タロウと80はええかって」

ベットウ「特にタロウは、ナメていいウルトラマンなんですよ」

ワカバヤシ「ムチャクチャ言うなあ。怒られてもしらないよ」

「特撮ファンは怖いからなあ」

ベットウこのブログでも、怒られてましたもんね」

80とタロウは雑に語ると、たまにメッチャ怒る人が出てくるねん」

 

 

 

「ウルトラマン先生」こと『ウルトラマン80』。
顔がイマイチとか、「ヘンテコリンな魚を釣ったぞ」なんてサブタイトルが変とかもあいまって、かなりマイナーなウルトラマンである。
果ては「まあ特撮はいいよね」などとと「いい人ではあるよね」で終わらさせられるモテない男子のような、微妙なあつかいを受けがち。

 

 

ワカバヤシ「なんで怒られたの?」

「だれやったかなあ、岡田斗司夫やったと思うけど『ウルトラマン80』を語ってるコラムかなんかがあって」

ベットウ庵野秀明が『バルタン星人の果てしなき逆襲』が好きやとかいうハナシちゃいますか」

「そこで《『80』ってあれやろ? 戦うときの掛け声が【シュワ!】とか【ヘア!】やなくて【エイティー!】っていうマヌケなヤツやろ》みたいなやりとりがあって」

カネダ「ダッハッハ! ええやん、かけ声が《エイティー!》」

「似合ってるやないですか。だから、それそのまま書いたんですよ。《ウルトラマン80はかけ声がマヌケ》って」

ベットウ「そしたら怒られたんですね」

「いやー、怒られたなー。《『80』をバカにするな!》って」

ワカバヤシ「でもたしかに《エイティー!》は変だけどね。ホントにそんなこと言って戦うヒーローなんだ」

カネダ「いや、それは言うてへん」

ワカバヤシ「え? そうなんですか?」

ベットウ「『80』あんましおぼえてないですけど、言ってはないですよね。変身のときちゃいますか?」

「言ってへんねえ」

ワカバヤシ「じゃあ、ウソなんじゃん」

「ウソというか、なんかそっちの方がおもろいやん」

ベットウ「出た、シャロン先輩の《こっちの方がおもろいから、もうそれでええやろ》」

カネダ「たしかに、『80』には《エイティー!》ってかけ声の方が似合うけどな」

「でしょ? だからその願望もこめて、『ウルトラマン80』は《エイティー!》っていうマヌケな声で戦うって引用して」

ワカバヤシ「そりゃ怒られるよ」

「でも、絶対こっち方がおもしろいねん。そうであってほしい。ワカバヤシかて《エイティー!》って戦うヒーローおったら見るやろ?」

ワカバヤシ「気にはなるよね」

「じゃあ、それでええやん」

ワカバヤシ「良くはないよ、きっと」

 

 

 

大喜利の「写真で一言」で使われそうな『80』の変身シーン。
「エイティー!」の声は、この前のブライトスティック(80の変身アイテム)使用時のものと思われる。
ちなみに、なぜ「ウルトラマン先生」なのかといえば、当時『金八先生』などの学園ドラマが流行っていた影響で、このあたりも『80』の味。

 

ベットウ「この人は、万事がこの調子ですからね」

「オレはファクトよりも【伝説】を取る、沢木耕太郎タイプの書き手やから。ニュー・ジャーナリズムやねん」

カネダ「カッコつけてるけど、要するにノリと勢いで生きてるんやな」

ベットウ「ていうか、基本ホラ吹きなんですよ」

ワカバヤシ「こんな、きれいな自業自得もめずらしいね」

カネダ「ま、特撮ファンは生真面目なところあるから」

ベットウ今回も、さっそく怒られたんでしょ?」

「うん。子供が原子力兵器で戦うことをあつかったら【子供番組になにいってんだ】みたいなコメントが」

カネダ「アハハハハ! たしかに!」

ワカバヤシ「まっとうすぎて、逆に新鮮なツッコミだなあ」

ベットウ「特撮にかぎらず、そういうナナメからの視点で見るのを、邪道と取る人も多いですしね」

「特撮以外でも、某有名映画の変な点を指摘したら、【おまえはこの作品のことを何もわかってないな。映画を見るセンスのないバカだよ】みたいに言われたり」

ワカバヤシ「映画も、意見が合わないと、ややこしくなりがちだよね」

カネダ「好きな映画を語るって、どうしても自己を語る的なところもあるから、そこを雑にあつかわれると、アツくなるよな」

「なんか【この映画の時代背景も知らない素人が偉そうに】とか【監督がこのセリフに込めたバックボーンとかも、わかってないんだろ】とかからまれて、いや、そんなんわかったうえでゴチャゴチャ言うてますねん……」

カネダ「色々と踏まえたうえで、イジってるねんけどな」

ベットウ「そこをわかってほしいですよね、たしかに」

「愛があるから言うてるんや」

ワカバヤシ「悪口言う人って、たいていそれ言うよね《愛があるから言ってるのに》って」

カネダ「そりゃまあ《お前のためを思ってやってるんだ》って言うたら、女子供なぐっていいとかみたいなもんで」

ベットウ「《なぐったほうも痛いんだ》って言うたら、教え子なぐっていいとか」

「《あえて憎まれ役を買って出たほうがいいのかもな》って言うたら、後輩なぐっても、ゆるされるとか」

ワカバヤシ「全アウトだよ、それ」

「まあ、『レオ』のダン隊長も近いノリでなぐって罵倒して、人気あるわけやから」

ワカバヤシ「それは、昔だから」

「いやあ、オレは昔からイヤやったけどなあ」

カネダ「どの世界でも、こういう便利ワードってあるやん。《○○する人に、悪いヤツはおらんねん》って言うたら、たいていのことは肯定できるとか」

ベットウ「《勝負の世界》言うたら、どんな卑怯な手もOKとか」

「だから、特撮愛のあるオレらは、グリッドマン(実写の方)の悪口は言うてもええねん」

カネダ「あと、なんのかの言うて『80』はオープニングが最高やから、それでええって気もするし」

ベットウ「わかります! 主題歌が超カッコイイ! He came to earth from the star.」

「『レオ』と『80』は主題歌だけで100億点。だからOK!」

ワカバヤシ「嵐のような帳尻合わせで、目が回りそうだよ」

 

 

 

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解散MAT 脱出TAC お遊びZAT 全滅MAC 昭和のドラマにコンプライアンスの文字は無し

2023年06月19日 | オタク・サブカル

 前回に続いて、「長塚京子世代」が中心のオタク談義。
 
 特撮にくわしくない友人ワカバヤシ君が、昭和の狂ったエピソードを聞いて、そのあまりのハイセンスな内容に、

 
 「ボクをだまして、からかってるんだろ?」
 
 
 すっかり疑心暗鬼に。

 そりゃまあ、

 

 「ヒーロー番組の主題歌の歌詞に《魔人ドルゲをルーロルロロ》というのがある」

 

 なんて言われても「え? それネタやろ?」としか思いませんわな。

 

 
 
 
 では、まずは登場人物。
 
 
 1.ベットウ
 
 後輩。戦隊ヒーロー、アニメ、マンガ、プロレスが得意ジャンル。

 好きな理不尽特訓は「片眉を剃って山籠もり
  


   
 2.ワカバヤシ

 元関東人。オタクではなく、映画、文学、哲学などにくわしいインテリ。

 好きな理不尽特訓は「ピアノのためにの間を切る手術」。


  
  
 3.カネダ先輩

 SF、ミステリ、映画、ゲームなどが専門。

 好きな理不尽特訓は「股間のシンボルをビール壜でたたいて鍛える」

 
 4.

 特撮、SF、ミステリ、映画あたりが専門。

 好きな理不尽特訓は「日本刀で素振り」
 
 

前回の「全滅MAC」編の続きです。

 

ベットウ「あとまあ、MACというよりダン隊長とゲンの特訓シーンは忘れられませんね」

「あー、これはレオを語る上ではずせない」

ワカバヤシ「特訓って、ウルトラマンがなにかを練習するの?」

「当たり前やん、ヒーローと言えば特訓

ベットウ「必殺技をマスターするために滝行とか、山籠もりとか、基本でしょ」

ワカバヤシ「基本なんだ」

ベットウ「『帰ってきたウルトラマン』の流星キックも、そうやって生まれたんですから」

「なんか、山奥に行って、丸太を運んだり」

カネダをジャンプで飛びこそうとしたり」

ベットウ「なぜか、MATの制服着てやってるんですよね」

「ジャージかなんかに、着替えたほうがええよな」

 

 

 

怪獣を倒すため特訓にはげむ郷秀樹隊員。意味があるのかどうかは不明。

 

 

カネダキングザウルス3世のバリアが、上部に利いてないからジャンプで飛び越える練習するねんけど」

ワカバヤシ「でもさあ、人間のときに練習した技とか、変身した後に使えるとか、関係あるの?」

「特訓は理屈やないから」

ベットウ「特訓はすべてを解決する。人類が特訓さえすれば、地球温暖化は緩和され、砂漠に雨が降り、ウクライナの戦争も終結するんです」

ワカバヤシ「それは、そうなってほしいよ、マジでさ」

ベットウ「でも、その特訓シーンが問題で」

カネダ「なあ。あれはスゴイよな」

「今風に言えば、【3分でダン隊長が嫌いになる動画】とかタイトルがつくという」

ワカバヤシ「観たいような、観たくないような」

ベットウ「なんたって、まずでバシバシなぐってますからね」

ワカバヤシ「なぐるのは、今はムリだね」

ベットウ「昔は全然アリですよ」

冬に滝をチョップで切る練習して死にかけるし

ワカバヤシ「正義のヒーローが死にかけるって、ヤバいじゃん」

ベットウ「いや、レオがじゃなくて、役者さんがです」

ワカバヤシ「え? 物語上の死じゃなくて、本当に演じてた人がガチで死にかけたってこと?」

カネダ「そうそう。レオの人間体を演じた真夏竜さんが、その無茶なロケで肺炎になって、あわやという」

 

 

 

この撮影のあと、肺炎で死にかけたそうです。この時代、みんなイカれてました。
ちなみに真夏さんは『タロウ』の和気あいあいとした現場を見て、そのイメージで撮影に行ったらこの有様で「話がちがう!」と叫んだとか。

 

 

ワカバヤシ「やってんなあ」

ブーメランを本気で投げつけたり

ベットウヘンな機械と戦わされたり」

カネダ丸太をブンブン投げてこられたり」

ジープで追いかけまわされ、ひき殺されかけたり

ワカバヤシ「よしもとの若手芸人より過酷なロケじゃん」

「【意味不明な特訓】【理不尽な暴力】【非論理的な説教】は昭和ドラマツルギー三種の神器」

ワカバヤシ「『スクールウォーズ』とかのおもしろさは、まさにそういうところにあったよね」 

ベットウ「今やったら、ムリですよねー」

「乃木坂の女の子らも、あの演出家にこんな感じで稽古をつけられてたんやろな」

ワカバヤシ「やってないと思うけど、マインドは近いかもね」

カネダ「まあでも、そのムチャな感じも、そういうもんやと思ってたよな」

「時代って変わるもんですねえ。ダン隊長も、そんなゲンをメチャクチャに罵倒するとか、今ならアウトでしょ」

カネダ「結構、人格否定的なことも言うしなあ」

ベットウ「マジで、ダン隊長の人間性を疑うんですよ」

「なんか、ネチネチ言うねん」

カネダ「《おまえは宇宙人だから、地球人の気持ちが分からない》とか、相手が反論できんヤなこと言いよるんよ」

ワカバヤシ「ちょっとヒドイね、その言い草は」

人種(?)差別入ってるし」

カネダ「なんか、このときのダン隊長はずーっと不機嫌でピリピリしてて、見ててしんどいのよ」

「まあ、斎藤美奈子さんも『紅一点論』って本の中で、日本のマンガやアニメの正義の組織は、とんでもないブラックぞろいって書いるし」

ワカバヤシ「まあ、任務が任務だから、多少は仕方ない気もするけどね」

「ようマックガンで撃たれへんなと思うわ」

カネダ「今がベストでもないんやろうけど、昔が荒かったのは事実よな」

ベットウ「実際、人を言うこと聞かすのは、暴力とか罵倒が一番手っ取り早いですからね」

「だから、ブラック部活とかブラック企業とか宗教団体は使うよな」

カネダ「一種の洗脳やから。効果あるしな」

ベットウ「そう。【効果がある】のが問題なんですよねー」

「『冠』って本の中で、オリンピック選手をずーっと怒鳴りつけてる日本人コーチを見て沢木耕太郎が《えーかげんにせーよ》って怒ってたけど、なーんかレオとダン隊長を思い出してさあ」

ワカバヤシ「パワハラ受けてる側が、【私たちのことを想って、やってくれてるんです】とか擁護するケースも多いしね」

ベットウ「でも、今でも、こういうノリの大人いますよ」

カネダ「炎天下で、子供走らせたりするコーチとかなあ」

「全滅は笑えるけど、そういうのは笑えへんですよね」

ワカバヤシ「いや全滅も、全然笑えないと思うけどね」

 

 (『ウルトラマン80』編に続く)

 

 

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解散MAT 謹慎TAC 脱出ZAT 全滅MAC 『君の名は。』編

2023年06月17日 | オタク・サブカル

 今回はわれわれ「トーマス嶋田世代」が中心のオタク談義。
 
 将棋の「米長名人誕生」について書いていたら、思ったより長くなってしまい久しぶりのこのネタですが、特撮にくわしくない友人ワカバヤシ君が、昭和の狂ったエピソードを聞いて、そのあまりのハイセンスな内容に、

 
 「ボクをだまして、からかってるんだろ?」
 
 
 すっかり疑心暗鬼に。
 
 そりゃまあ、
 
 
 「宇宙から、恐るべき円盤生物を派遣して、人類を大ピンチに追いやった指令が、最終回でウルトラマンじゃなく、そこいらの子供にボコられて死ぬ」 
 
 
 なんて言われても、「え? それネタやろ?」としか思いませんわな。
 
 では、まずは登場人物。
 
 
 1.ベットウ
 
 後輩。戦隊ヒーロー、アニメ、マンガ、プロレスが得意ジャンル。
 
 好きな『ウルトラマンレオ』の怪獣はサタンビートル


 
   
 2.ワカバヤシ

 元関東人。オタクではなく、映画、文学、哲学などにくわしいインテリ。
 
 好きな『ウルトラマンレオ』の怪獣は特になし。

 
  
 3.カネダ先輩

 SF、ミステリ、映画、ゲームなどが専門。

 好きな『ウルトラマンレオ』の怪獣はガロンリットル


 
 4.

 特撮、SF、ミステリ、映画あたりが専門。
 
 好きな『ウルトラマンレオ』の怪獣はブリザード

 
 
 

ベットウ「というわけで、いろいろウルトラマンの正義の組織について、語ってきましたけど」

MATTACZATときて、最後はMACか」

ワカバヤシ「なんか、マクドナルドみたいなチームだねえ」

ベットウ「いやいや、MACといえばマッキントッシュでしょ」

「ふつうは赤坂ちゃう?」

カネダ「えー? 鈴木しか思い浮かばんけどねー」

ワカバヤシ「キミらのかたよったマック知識はいいから。で、このMACってどんな組織なの?」

ベットウ「『ウルトラマンレオ』に出てきた宇宙パトロール隊。【Monster Attacking Crew】を略してMAC」

「またの名を【全滅MAC】」

ワカバヤシ「うーん、なんだかTACとMATを足して2で割ったような名前」

カネダ「ZATの【Z】探したのんで、凝った名前は懲りたんちゃうか?」

ベットウ【Zariba】には振り回されましたよ

「若干、ネタ切れ感はあるよな」

カネダ「実際、MACはあつかい自体も、わりとぞんざいやしな」

ワカバヤシ「なんで? あ、【全滅】だから弱いんだ」

カネダ「いや、弱いのは弱いけど、それは他のチームも似たようなもんやから」

「なんやろ。とりあえず、みんなだいたい、MACの隊員がだれかとか、おぼえてへんねん」

ワカバヤシ「ヒドイなあ」

ベットウ「たしかにそうなんですけど、なんでやろ、不思議におぼえてないですよね」

カネダ「そうそう。科特隊ならハヤタにアラシ、イデ隊員とか」

ダウンタウンがやってたヤンタンに、【ウルトラマンのイデ隊員のコーナー】ってあったなあ」

ベットウ「他にも、ウルトラ警備隊からZATまで、特撮ファンやったら全員、隊員名は言えるんですよ」

ワカバヤシ「言えるんだ」

カネダ「まあ、九九みたいなもんやな」

ベットウ「でも、それがMACになると、主人公のおおとりゲンと、隊長のウルトラセブンでもあるモロボシ・ダン以外、あんまし名前が出てこーへんのです」

「なんか、【ツルク星人に殺されたヤツ】とか、【カーリー星人におそわれたヤツ】とか」

ベットウ「胴体まっぷたつになる人ですよね。今やったら、放送できない」

ワカバヤシ「名前言ってあげてよ」

カネダ「うーん、これはタロウと一緒で、後期ウルトラマンは、そんな熱心に見てなかったからというのもあるけど……」

ベットウ「それを置いても、MAC隊員は存在感ないですよね」

川上鉄太郎より知られてない。そら、全滅もさせられるわ、と」

ワカバヤシ「で、その【全滅MAC】ってなんなの?」

カネダ「これはもうね、MACが文字通り全滅するから」

ベットウ「伝説の第40話。『恐怖の円盤生物シリーズ! MAC全滅! 円盤は生物だった!』」

ワカバヤシ「あらら、タイトルでもう言ってしまってる」

ベットウ「すごいでしょ。で、中身もこれがまた、ハードで」

ブラックスターから送り込まれた円盤生物シルバーブルーメに襲われて、宇宙にあるMAC基地は致命的なダメージを受ける」

 

 

円盤生物の先鋒シルバーブルーメ。たった1匹でMACを終了させたスゴイ奴。

 

ベットウ「あ、ちなみになんで円盤生物かといえば、当時はUFOブームやったかららしいです」

ワカバヤシ「乗っかるなあ」

カネダ「いやいや子供番組やし、そういう姿勢は大事よ」

「で、これが、メチャクチャに怖いんよな」

ベットウ「レオは基本、怖いんスよ。女性隊員の誕生日パーティーやってて、すごく和気あいあいとしてるところからの大惨事」

カネダ「【全滅】はネタにされがちやけど、演出はええのよ。救いのない感じが。シリアスで」

「宇宙いうのが、またコワイ。逃げ場がないし」

カネダ「『エイリアン』やね。クローズドサークルものの息苦しさ」

ワカバヤシ「あー、あれは怖いね」

ベットウ「まさに藻屑と化して死ぬおそろしさ。絶望感がスゴイ」

カネダ「小川一水の『天涯の砦』読んだとき、シルバーブルーメ思い出したもんな」

「同じ絶望でも、ジャンセスナとはえらい違いや」

カネダ「トラウマなるで」

ベットウダン隊長まで死んでまいますしねえ」

ワカバヤシ「ホントに全滅なんだねえ」

「さらに言えば、そのあとの地球襲撃シーンもエグイ」

カネダ「バンバン人死んで、避難所に【死亡者名簿】が、かかってるねんけど」

ベットウ「明らかに、東京大空襲とかのイメージなんですよ。全然救いがない」

 

 

 

 

 

カネダ「ガチやね、あの辺は」

ベットウ「『火垂るの墓』くらい容赦ない」

「子供とかあんなん、よー見んで」

ワカバヤシ「すごい展開だねえ。今までは、そんなのなかったんでしょ?」

ベットウ「まあ、過激なテコ入れという説が有力ですからね」

ワカバヤシ「あー、ありそうだね」

ベットウ「この当時の日本って、オイルショックやったんですよ」

ワカバヤシ「はいはい。今の子が知ってるかは不明だけど、社会の教科書とかに載ってたね」

ベットウ「そうそう、主婦がトイレットペーパー買いしめるシーンとか」

「で、それが特撮界にも押し寄せてきて」

カネダ「なんせ、カネがかかるから」

ベットウ「毎週セット組んで、新しい怪獣作って、全部壊すとか、贅沢な世界ですからねえ」

第1話、2話の洪水シーンはすごいもんね。なんべん見ても最高」

カネダ「ゆるーい『タロウ』を楽しんでた子供に、ケンカ売るようなキツい内容で」

「それやのに、回が進むごとに……」

ベットウブニョとかノーヴァとか、いかにも予算ないねんなーって思いましたもん」

カネダ「もともとレオが光線技使わん肉体派なのも、合成とかにお金かけへんためやし」

「そのフトコロ具合が苦しくなって、それやったら、もうMAC全滅させてまお、と」

カネダ「そしたら、ストーリーに緊迫感は出るし、隊員のギャラも減らせるし、ええことだらけやないか!」

ベットウ「経費削減ですわ!」

ワカバヤシ「それ、みんなの妄想でしょ?」

ベットウ「でも、だいたい当たってるんとちゃいます?」

「【Zariba】と同じで、それしかない感じが」

ワカバヤシ「大人の事情なんだね」

 

 (続く

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解散MAT 脱出TAC お遊びZAT 全滅MAC とりあえずシェルターに謝って編

2023年05月26日 | オタク・サブカル

 前回に続いて、「トーマス・ヨハンソン世代」が中心のオタク談義。
 
 特撮にくわしくない友人ワカバヤシ君が、昭和の狂ったエピソードを聞いて、そのあまりのハイセンスな内容に、

 
 「ボクをだまして、からかってるんだろ?」
 
 
 すっかり疑心暗鬼に。
 
 そりゃまあ、

 

 「正義のヒーローの必殺技に《シルバーめくら手裏剣》というのがある」

 

 なんて言われても、「え? それネタやろ?」としか思いませんわな。
 
 では、まずは登場人物。
 
 
 1.ベットウ
 
 後輩。戦隊ヒーロー、アニメ、マンガ、プロレスが得意ジャンル。

 好きなマヌケ怪獣はビーコン
 
 
   
 2.ワカバヤシ

 元関東人。オタクではなく、映画、文学、哲学などにくわしいインテリ。

 好きなマヌケ怪獣は特になし。
 
 
  
 3.カネダ先輩

 SF、ミステリ、映画、ゲームなどが専門。

 好きなマヌケ怪獣はキングカッパー

 
 
 4.

 特撮、SF、ミステリ、映画あたりが専門。

 好きなマヌケ怪獣はデットン

 

 

■前回は『ウルトラマンタロウ』のZATの楽しさについて語っていましたが、どうもそこにモノ申したいときもあるようで……。

 

ワカバヤシ「なんか、みんなで楽しくツッコミ入れたくなるほど変なんだ、タロウとZATって」

ベットウ「一言で言えば、呑気なんですよ」
 
「有名なところでは、おにぎり食べながら会議してるとか」
 
カネダ「怪獣出現の連絡を受けて、出動する隊員の選ばれた理由が【昨日、カレーを食べたから】」
 
ベットウ「自衛隊が、災害派遣のメンバーをそれで選んでたら、間違いなく炎上ですよね」
 
ワカバヤシMATとかTACとは全然違うんだね」

「でも、それはそれで問題でやな。オレ、こないだたまたまシェルターの回見たんやけど、アレはひどかったなあ」
 
ベットウ「はいはい。第13話《怪獣の虫歯が痛い!》」
 
ワカバヤシ「虫歯……。なんか、タイトルからしてアレだよね」
 
「そもそも、シェルターって虫歯やないねん。ZATが訓練で打った水中ロケットが、歯にはさまってるだけっていう」
 
ワカバヤシ「ゲ、それ、すごい痛そう」
 
ベットウ「痛いですよ。マブチモーターが歯にはさまるようなもんですもん」

ワカバヤシ「いや、その例えはよくわかんないけど」
 
「で、痛くて暴れるから、ZATがその歯を抜こうとして、スカイホエールっていう変な戦闘機に糸付けて……」

ワカバヤシ「あー、子供が乳歯抜くときの感じね」

東光太郎(ウルトラマンタロウ)が行くんやけど、なんとそこで、関係ない健康な歯を抜いてまう!」
 
ワカバヤシ「えー! それはダメだよ!」
 
「そう。麻酔もなしで、いきなり歯を引っこ抜かれるんやから、ひどすぎるねん」
 
カネダ「『マラソンマン』や」
 
ベットウ「あの映画史に残る、残酷なナチの拷問をZATが(笑)」
 
「で、激痛に耐えかねて、シェルターが火を吐いて大暴れするもんやから、宮崎県が壊滅状態に」
 
ワカバヤシ「蛙亭のイワクラさんが泣くなあ」

 

 

 

ZATの大型戦闘機スカイホエールを使って、シェルターの歯から強引に水中ロケットを抜こうとするところ。
ここで東光太郎隊員(シェルターにロケットを打ちこんだ張本人)が間違えて(!)健康な歯を抜いてしまう。
ZAT隊員たちのアホ面(としか言いようがない)があるせいでコメディーチックになっているが、ちょっとヒドイ話である。


 


「もうこれだけで、ZATの責任問題は尋常じゃないけどさ」
 
ベットウ「とりあえず、光太郎はクビですよね」

「結局ZATがやっつけるねんけど、シェルターなんも悪いことしてへんやん!」

カネダ「ちなみにシェルターは、タロウのストリウム光線が効かない強敵」
 
ワカバヤシ「平和に暮らしてたら、いきなり歯にロケット打ちこまれて、泣きながら(本当に涙を流している)痛い痛いって暴れたら、健康な歯を麻酔なしで抜かれて、あげくに殺されて、宮崎県民にはきっと恨まれて」
 
ベットウ「光太郎も最後、一応あやまってましたけどね」
 
カネダごめんですんだら警察いらんって、こういうときのための言葉なんやなあ」

カネダぺスターに発砲して工業地帯を壊滅させたイデ隊員以上かもしれん」

「あれもすごい。全身に原油をためこんでる【油獣】相手に《絶対に発砲するなよ》いう命令のはずが……」

ベットウ「あせって、思わず撃ってまうんですよね。ほんでドッカン」

ワカバヤシ「なんだか、《押すなよ、絶対押すなよ》みたいなノリだねえ」

カネダ「笑いごとやない。それで京浜工業地帯の石油コンビナートが全滅するんやから」

ワカバヤシ「え! 大事じゃないですか!」

ベットウ「大事も大事。職員さんに、《こんな状況で撃ったら、素人でもどうなるかわかるやん!》てマジギレされて」

カネダ「ほんで、イデ隊員が《ボク、科特隊辞めます》いうのをムラマツキャップが止めて、なんか感動のシーンぽいけど」

「絶対、そんなもんでゆるされる被害やなかったよ」

ワカバヤシ「どの組織も、身内には甘いんだよ」

カネダ「でも、あの被害状況は見てて結構、陰惨な気分になるねん」

ベットウ「今やったら暴露系ユーチューバーに《犯人コイツ》って、顔さらされますね、きっと」

「まあ、特撮がすごかったから、オレはゆるすけど」

ワカバヤシ「そういう問題なの?」

ベットウ「この人は、そういう人なんです。たぶん、シリアルキラーがおっても特撮が上手かったら裁判で無罪に投票するんんです」

ワカバヤシ「そのエピソードは問題だけど、聞いてたら、タロウってちょっとおもしろそうなんだけど」
 
ベットウ「そう、今見るとおもしろいんですよ」
 
「子供は逆に背伸びしてハードなもんが見たいわけ。だから、子供とか出して媚びられると、冷めるねん」
 
カネダ「変っていうのも、良い言い方すれば【新しいことに挑戦してる】ってことやしな」
 
ベットウ「そうそう。酔っぱらい怪獣に水ぶっかけたりとか、そう見せかけて、変にダークなエピソードとか、シュールな回とかあったり」
 
「家族がキノコ人間になってるラストはおぼえてるなあ」
 
カネダ「映画『悪い種子』みたいな話もあったりとか」

ベットウ「かと思えば、食いしん坊怪獣モットクレロンなんて、センス爆発な怪獣もいるし」
 
「仲間同士で、一杯やりながらワイワイ見るのが最高。特撮もいいし」
 
ベットウ「良くも悪くも、平和ですよね、タロウは」

 

 (『ウルトラマンレオ』MAC編に続く)
 

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解散MAT 謹慎TAC 脱出ZAT 全滅MAC ラビットパンダとウルフ777でZariba編

2023年05月20日 | オタク・サブカル

 前回に続いて、「伊奈祐介世代」が中心のオタク談義。
 
 特撮にくわしくない友人ワカバヤシ君が、昭和の狂ったエピソードを聞いて、そのあまりのハイセンスな内容に、

 
 「ボクをだまして、からかってるんだろ?」
 
 
 すっかり疑心暗鬼に。
 
 そりゃまあ、

 

 「ウルトラマンが敵の超能力をはね返すときに使うのが、ホームセンターとかで売ってるただのこうもり傘

 

 なんて言われても、「え? それネタやろ?」としか思いませんわな。
 
 では、まずは登場人物。
 
 
 1.ベットウ
 
 後輩。戦隊ヒーロー、アニメ、マンガ、プロレスが得意ジャンル。

 好きな特撮の車はズバッカー
 
 
   
 2.ワカバヤシ

 元関東人。オタクではなく、映画、文学、哲学などにくわしいインテリ。

 好きな特撮の車は特になし。
 
 
  
 3.カネダ先輩

 SF、ミステリ、映画、ゲームなどが専門。

 好きな特撮の車はライジン号

 
 
 4.

 特撮、SF、ミステリ、映画あたりが専門。

 好きな特撮の車は流星号
 

 

 ■ZAT編の続きです。 

 

カネダ「タロウはストーリーとか怪獣はあんましおぼえてないけど、ツッコミどころだけは記憶にあるなあ」

ベットウ「ZATはメカもファニーですしね。忘れられんインパクトです」
 
「あー、誤植やったんやろうなっていうペルミダー2世とかね」

 

 

 


 


ベットウ「ベルシダーの【シ】が【ミ】に見えたんでしょうね」

私「日本語を勉強してる外国人に【ツ】と【シ】に【ン】と【ソ】の区別が難しいみたいな」

カネダ「字が汚かったんやろうな」
 
ベットウ「【インド人を右に】みたいなもんですね」

「そもそもあれって、【ベルシダー】やから【ペ】やなくて【ベ】やと思うねんけど」

カネダゲッベルス問題か」

ワカバヤシ「つい【ゲッペルス】って書いてしまうという」

ベットウ「僕もいまだにシンディー・【ローバー】か【ローパー】かわかりませんわ」

カネダ「あー『グーニーズはグッド・イナフ』のねーちゃん」

「【ローバー】ちゃうの? ローパーは『ドルアーガの塔』におるやつやろ」

ワカバヤシ「違うよ。【シンディー・ローパー】が正しいって」

「(スマホで調べて)Cyndi Lauperか。オレも間違っとった。ローバーは美々や」

カネダ「そのその思い出し方も、どうなんや」

ベットウ「だいたいが、ベルシダーの元ネタが『地底世界ペルシダー』やから、ややこしいんですよ」
 
「ZATに戻すと、あと、お約束のラビットパンダ

 

 

 


 


カネダ「あれ乗って、パトロールに行くメンタルの強さ」
 
ワカバヤシ「なるほど、つっこまれるねえ」

「硬派な特撮ファンはホントに嫌がるんよな、この車」

カネダ山口県の公用車も、これやったら全然ゆるしてくれたんちゃうか」

ベットウ「そういや昔、よっちゃん食品の社長が世界に数台の希少なロールス・ロイスのボディに【よっちゃんイカ】って書かせて走ってましたね」

「あれ、中島らもの本で読んだけど、ホンマなんや。おもしろ都市伝説やと思うてた」

カネダ「あれマジやで。オレ、写真見たことあるもん。ご丁寧に、金色に塗ってるからね」

ワカバヤシ「いいセンスだなあ。高級車の乗り方の《正解》って感じがするよ」

「じゃあ、ロールス・ロイス側が《お願いやからやめてください!》て、土下座して頼んできたのもホンマなんですね」

カネダ「土下座は知らんけど、本気で抗議してきたのは事実」

 

 

 

 

ワカバヤシ「これはスゴイねえ。そりゃ、やめてと言いたくもなる」

ベットウシャネルから《イメージ下がるから、アンタ着んといて》って言われた泉ピン子みたいですなあ」
 
「でも、ZATもラビットパンダだけやない。地味やけど、ウルフ777も捨てがたいですぜ」
 
カネダ「パチンコ屋みたいなネーミング」

 

 

 


 

 

ワカバヤシ「これで怪獣と戦うんだ」
 
「それこそ、地震や台風で困ってるとき、こんな車来られても、困るかも」
 
ベットウ「完全に、大喜利の【こんな正義の組織はイヤだ】でしょ」
 
カネダ「ZATはこのメカで、変な戦い方するしね」
 
「怪獣にコショウ振りかけて、くしゃみさせたり」
 
ベットウライブキングに飲みこまれた、東光太郎救出作戦」
 
ワカバヤシ「え? もしかして、ハーックション! て、体内から吐き出させるの?」
 
ベットウ「そうです」
 
ワカバヤシ「なんか、童話にそんな話あったような」
 
ベットウ「あー、でもタロウはそういう感じです。童話というか、ファンタジー」
 
「月からモチ食べに来た杵怪獣と、相撲で親交を深めたあと、その杵使って月星人と、ウルトラの父とで餅つき大会するし」
 
ワカバヤシ「え? それどういう意味?」
 
ベットウ「だから、そのままです。月からモチ食べに来た杵怪獣と、相撲で親交を深めたあと、その杵使って月星人と、ウルトラの父とで餅つき大会する
 
ワカバヤシ「全然、ついていけてないんだけど……」
 
カネダ「坂口良子が怪獣とバレーボールしたり」
 
ワカバヤシ「はあ?」
 
ベットウ「バレーボールで金メダル取った、ミュンヘン・オリンピックの流れですね」

カネダ「『犬神家の一族』の良子はかわいかったなあ」

ベットウ「まあ、こういう時事ネタを入れるのは、特撮のノリみたいなもんですよね」

「ゴモラザウルスと大阪万博とか、サイケ宇宙人ペロリンガ星人とか」

カネダ「今やったら、大谷翔平と野球するやろな」

ベットウ羽生結弦とスケートとか」

藤井(聡太)君と将棋もマストやね」

ワカバヤシ「M−1優勝したウエストランドに出てもらって、漫才のネタにしてもらったら、おもしろそうだねえ」

カネダ「もしくは、さや香で《免許返納せえ!》って言うてもらうかやな」


 (続く
 

 

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解散MAT 脱出TAC お遊びZAT 全滅MAC カレーとおにぎり食べて怪獣退治 編

2023年05月14日 | オタク・サブカル

 こないだに続いて、「堀口一史座世代」が中心のオタク談義。
 
 特撮にくわしくない友人ワカバヤシ君が、昭和の狂ったエピソードを聞いて、そのあまりのハイセンスな内容に、

 
 「ボクをだまして、からかってるんだろ?」
 
 
 すっかり疑心暗鬼に。
 
 そりゃまあ、
 
 
 「ロボットが突然、質量保存則とか無視して巨大化するのを【正義の力だ】でゴリ押しする」 
 
 
 なんて言われても、「え? それネタやろ?」としか思いませんわな。
 
 では、まずは登場人物。
 
 
 1.ベットウ
 
 後輩。戦隊ヒーロー、アニメ、マンガ、プロレスが得意ジャンル。
 
 好きな『ウルトラマンタロウ』の怪獣はデッパラス
 
   
 2.ワカバヤシ

 元関東人。オタクではなく、映画、文学、哲学などにくわしいインテリ。
 
 好きな『ウルトラマンタロウ』の怪獣は特になし。
 
  
 3.カネダ先輩

 SF、ミステリ、映画、ゲームなどが専門。

 好きな『ウルトラマンタロウ』の怪獣はサメクジラ
 
 
 4.

 特撮、SF、ミステリ、映画あたりが専門。
 
 好きな『ウルトラマンタロウ』の怪獣はコスモリキッド
 


ベットウ「というわけで、TACは《就職したくない地球防衛組織》で、結構上の方に行くんですよ」

ワカバヤシ「まあ、言いたいことはわかんなくもないけどねえ」

「でも切断は良いから、『ウルトラマンA』見ようね!」

ベットウQ歯科と久里虫太郎もヨロシク!」

カネダ「ついでに、ZATも行こうか」

ベットウ「【Zariba of All Territory】を略して。ZAT。『ウルトラマンタロウ』に出てきた地球防衛チーム」

ワカバヤシ「ふーん。で、【Zariba】ってなに?」

「ん?」

ワカバヤシ「ほら、ここまでは【Monster Attack Team】【Terrible - monster Attacking Crew】とか、チーム名の意味はわかるじゃん。英語として正しいかは知らないけど」

ベットウ「【Terrible - monster】で超獣は絶対ちがうでしょうね」

カネダ「つーか、【Terrible - monster】って、ふつうに「恐ろしい怪物」っていう一般名詞やろ」

ワカバヤシ「でもこの【Zariba】って、聞いたことないんだけど、どういう意味?」

「あー、はいはい」

ベットウ「【Zariba】問題ですね」

ワカバヤシ「問題って、そんな大層なハナシなの?」

ベットウ「これがパッと見、意味がわからんて、特撮ファンでも思うんですよ」

ワカバヤシ「そうなんだ。よかった、ボクがバカなのかと思った」

カネダ「つーか、ワカバヤシが知らん時点で、だいぶ変な単語やってわかるよな(注・ワカバヤシ君は学生時代、とっても偏差値の高かった人なのです)」

「で、まあ調べるわけよ。みんな」

ワカバヤシ「あ、調べるんだ」

ベットウ「そりゃまあ」

カネダ「調べるよ、そんなん。知りたいやん」

ワカバヤシ「偉いねえ。オタクの鏡だ」

「特撮ファンは2種類に分かれる。Zaribaを辞書で調べる者と、そうでない者」

ワカバヤシ「今、名言っぽく、どうでもいいことを言った」

カネダ「調べないやつは、ぶったるんどる!」

ベットウ「ちょっと、特撮を語る資格ないっスよね」

「フ、ド素人が」

ワカバヤシ「嗚呼、この人たちは排他的な悪いオタクだ」

ベットウウェブスターに載ってないって言われてましたよね」

カネダ「だれが言うたんやろ」

「載ってたよね、ふつうの辞書に」

ベットウ「うんうん」

「学校で買わされた英和辞典に、載ってた記憶あるもん」

ワカバヤシ「で、どういう意味なの?」

カネダ「なんかねえ、【防護柵】みたいなもんらしい」

ワカバヤシ「なるほど。それで『全地域の防護柵』で、まあ地球とか宇宙全体を守ってると」

「でも、その【防護柵】が変でねえ」

カネダ「なんか、アフリカで家畜を囲い込むのに使う柵かなんかで」

ワカバヤシ「なにそれ?」

「なにそれって、なんか、そんなんやねん」

ベットウ「写真見たら、小学校の飼育小屋の柵みたいなやつなんですよ」

カネダ「全然、【地球防衛】のイメージとちやうねん」

「あんなヘナヘナな柵、子供でも乗り越えられるわ!」

ワカバヤシ「(ウィキペディアを見て)あー、これはないねー」

 

 

Wikipediaより「zariba」の画像。こんなもんで宇宙からの侵略をどうしようと。

 

「ないやろ」

ベットウ「絶対、おかしいですよ。しかもなんか、スーダンかどっかの俗語らしい」

カネダ「現地語表記だと、絶対にZじゃないよな」

「逆に、ウェブスターに載ってないのも納得や」

ワカバヤシ「なんで、そんなことになってんの?」

カネダ「特撮ファンの予想では、そもそもZATっていう語感は決まってたけど、後付けでZを探したら、なかなか見つからずに、やむをえずっていうのが有力」

ベットウ「それ、調べたらホンマらしいですよ」

「そうなんや」

ベットウ満田かずほ(『ウルトラマン』「謎の恐竜基地」や『ウルトラセブン』「アンドロイド0指令」などを監督)さんが、インタビューで答えてました」

カネダ「まあ、そうやわな」

ベットウ「自然な推理ですもんねえ」

ワカバヤシ「で、その【Zariba】はどんな組織なの?」

「ZATは別名【お遊びZAT】」

ベットウ「あるいは【脱出ZAT】」

ワカバヤシ「脱出は、TACと同じなのかな」

ベットウ「基本はそうですけど、ZATはそもそも基地自体が脱出できるからという説も」

ワカバヤシ「それ、すごいね」

カネダ「基地ごと浮かんで逃げれるっていうね」

「MACも、そうできてたらねえ」

 

 

 

今にも自重で崩れ落ちそうなZAT基地。いざとなったら足を捨てて空を飛び「脱出」できる。絶対に騒音問題でもめてそうな立地。
ちなみに住所は東京都千代田区1-1-1。

 

ベットウ「実際、逃げたことあったかなあ」

カネダ「第1話で、なかったっけ?」

「あったかなー」

ワカバヤシ「なんか、急に歯切れが悪いんだけど」

ベットウ「タロウは、あんま見てないから、おぼえてないところも多いんですよね」

 

 (続く

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解散MAT 脱出TAC お遊びZAT 全滅MAC Q歯科の待合室で、久里虫太郎の劇画を読もう編

2023年05月08日 | オタク・サブカル

 前回に続いて、「矢倉規広世代」が中心のオタク談義。
 
 特撮にくわしくない友人ワカバヤシ君が、昭和の狂ったエピソードを聞いて、そのあまりのハイセンスな内容に、

 
 「ボクをだまして、からかってるんだろ?」
 
 
 すっかり疑心暗鬼に。

 『ウルトラマンA』の防衛組織TACのブラックな労働環境について話していたところから、今回は『A』の魅力(?)について語っているようですが……。


 

「というわけで、TACはあんまり働きたくない防衛チームやねん」

ベットウ「全体的に、イヤな気分になるんすよネ」
 
ワカバヤシ「ネガティブだなあ。じゃあ、Aのいいところはどこなのよ」
 
ベットウ「あ、切断はいいっスよ」
 
「切断はいいね」
 
カネダAといえば切断やなあ」

ワカバヤシ「文字通り、話の脈絡をぶった切られた気がするけど」

ベットウ「(気にせず)みんなは、どの切断が好きっスか?」

「まあ、基本はメトロンに、ドラゴリー

カネダバキシムの首が、ウルトラスラッシュが通過する前に、ゴロンと落ちるところところがええな」

ベットウ「バキシムとガランは、デザインも空割って出るところも、最高ッスね!」

 

 

空をパリンと割って(!)登場するバキシム。このインパクトだけでも『A』は見る価値あり!

 

 

カネダ「あと、バッドバアロンとか」

ベットウ「マイナーやけど、バッドバアロンもいい! バーチカルギロチン!」

「うん。あれは良い切断だ」

ワカバヤシ「人生で、まず使うことないボキャブラリーだろうね。【良い切断】」

「あと、Q歯科な」

カネダ「あれは最高。絶対に行きたくない歯医者」

 

 

 

 

 こういう歯医者です。

 

 

「これはもう、ぜひリンク先から動画を見てほしいけど、ここに虫歯の治療をゆだねる北斗のソリッドなセンスに脱帽や」

カネダ「たぶん、北斗の特殊な性癖やな」

ベットウ「いいッスよねえ。ゾクゾクします。あんな店あったら、僕通いますわー」

ワカバヤシ「あんな店って、どんな店を想像してるのやら」

「あと、久里虫太郎もナイス」

カネダ「あー、アイツはええねー。インパクトあるわー」

 

 

 

売れっ子怪奇作家の久里虫太郎先生。
ヤプールにあたえられた能力により、マンガで描く通りに超獣ガランをあやつることができるようになる。

 

 

ベットウ「中学生のころ、TACの美川隊員にラブレター送ったら封も開けずに突き返されて、そのことがトラウマになってるマンガ家」

ワカバヤシ「あれま、かわいそう」

「で、そのときのことが忘れられずに、美川隊員を呼び出して、軟禁して、ムリヤリ結婚を迫ると」

ベットウ「しかも、逃げたらアーチェリーで攻撃してくる」

ワカバヤシ「超アブナイやつじゃん!」

カネダ「そのラブレターを大人になっても保管してるというのが、またな」

ワカバヤシ「こじらせてるなあ」

ベットウ「で、そのラブレターには恋する気持ちと一緒に、自分が考えたオリジナルの超獣ガランの絵が描いてあるという」

 

 

 

学校一の秀才でもある美少女に、ラブレターとともにこれを渡そうとしたコミュ障劣等生の久里少年。
そら、美川隊員の態度にも責められんところはあります。もらって、どないせえと。


 

3日、学校を休んで描いたというね」

ワカバヤシ「なんか、すごいツライ気分になってきたよ……」

ベットウ「この人、絶対にマンガの中で美川隊員そっくりの女の人出して、殺すか、エロいことさせてたでしょうね」

「創作って、そういうドロドロしたものを【作品】に昇華するもんやからな。それは健全な行為よ」

カネダ「そらフラれるわいう話やけど、ここまでせんにしても、まあ男ってこういうヘマやるよな」

「好きな子の誕生日に、ハインライン『夏への扉』フレドリック・ブラウン『火星人ゴーホーム』をプレゼント包装してもらって渡しました」

ベットウ「はじめて女の子に告白するとき、『カサブランカ』ハンフリー・ボガートのセリフをマネしたら、アッサリ無視されました」

カネダ「オレも、好きになった子に彼氏がおっただけでもショックやのに、そいつがまたスーパーさわやかイケメン君で、なんか『ゲーメスト』読んでゲーセンばっか通ってた自分が、恥ずかしくて死にそうになったで」

ワカバヤシ「そういやボクも……て、なんでこんな流れになってるんですか。元気出しましょうよ」

「おいおい、なにげにスルーしようとすなよ。ワカバヤシはどんな思い出があったんや?」

ワカバヤシ「クラスのイケイケの女子から陰で《第三身分》って呼ばれてた、とか……」

カネダ「みんな、いろいろあるなあ」

ベットウ「思春期はみんな心の中に、小さい久里虫太郎を飼ってるんですよ」

「ただ、ひとつ言いたいのは、アイツ、初犯やないところな」

ベットウ「あー、あれはあきませんよね」

カネダ「たしか、美川隊員が別の女のミイラを見せられて、《意地はりすぎて、この人みたいにならないでね》とか言うんやっけ」

「そうです、そうです。あれでガッカリでしょ。オマエ、美川隊員に一途やなかったんか、と」

ベットウ「結構、いろんな女に行っとるやんけ、と」

カネダ「仁義にもとるな」

「アカンよ、あれは。モテへん男は、せめて一途であれと」

ワカバヤシ「なんか、それも哀しいねえ」

 

 

 

久里虫太郎先生の次回作に期待だ!

 

 (楽しいZAT編に続く)

 

 

 

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解散MAT 謹慎TAC 脱出ZAT 全滅MAC 「ぶったるんどる」テリブルなブラック組織 編

2023年05月07日 | オタク・サブカル

 前回に続いて、「矢倉規広世代」が中心のオタク談義。
 
 特撮にくわしくない友人ワカバヤシ君が、昭和の狂ったエピソードを聞いて、そのあまりのハイセンスな内容に、

 
 「ボクをだまして、からかってるんだろ?」
 
 
 すっかり疑心暗鬼に。
 
 そりゃまあ、
 
 
 「ウルトラマンが怪獣を倒す必殺技に【ウルトラ観音光線】というのがある」 
 
 
 なんて言われても、「え? それネタやろ?」としか思いませんわな。

 前回は上層部から「解散、解散」と詰められまくっていた可哀想な怪獣攻撃隊MATの活躍を語りましたが、今回はブラックと評判のあの組織で……。


 
 では、まずは登場人物。
 
 
 1.ベットウ
 
 後輩。戦隊ヒーロー、アニメ、マンガ、プロレスが得意ジャンル。
 
 好きな超獣はファイアーモンス
  
  
 2.ワカバヤシ

 元関東人。オタクではなく、映画、文学、哲学などにくわしいインテリ。
 
 好きな超獣は特になし。
 
  
 3.カネダ先輩

 SF、ミステリ、映画、ゲームなどが専門。

 好きな超獣はドラゴリー
 
 
 4.

 特撮、SF、ミステリ、映画あたりが専門。
 
 好きな超獣はオイルドリンカー
 


 
ワカバヤシ「なるほどねえ。それで【解散MAT】なんだ」
 
ベットウ「下っ端はツライっすよねえ」
 
カネダ「次は『ウルトラマンA』のTAC行こか」
 
「【Terrible-monster Attacking Crew】略してTAC。《超獣攻撃隊》」
 
ワカバヤシ「ふーん、で、この【ちょうじゅう】ってなに?」
 
カネダ「おいおい、なんちゅう質問や?」
 
「え? 日本に超獣知らん人って、存在するんですか?」
 
ベットウ「戦争中は、こういう人のことを【非国民】って呼んだんですね」

ワカバヤシ「あれ、なんかすごい勢いでカーストが下がる音が聞こえる」

 

 

 

放射能の雨の中、大暴れする超獣バラバ。
「怪獣よりも驚異的なモンスター」とのテコ入れで「超獣」だが、イマイチ定着せずその後はふたたび「怪獣」に戻った。

見ての通り、ムチやハンマーなどギミックが多めで子供ウケするデザインだが、硬派な特撮オタクにはやや不評。

 


 
カネダ「んで、このTACやけど」 
 
「【脱出TAC】」
 
ベットウ「もしくは【謹慎TAC】」
 
ワカバヤシ「まあ、脱出の方は、なんとなく想像はつくけど。あれでしょ?」
 
カネダ「そう、アレ」
 
ワカバヤシ「カッコよく出撃した戦闘機が、怪獣に……」
 
「【超獣】な」
 
ワカバヤシ「(どっちでもいいって言ったら、殺されるんだろうな)とにかく超獣に撃ち落とされて……」
 
ベットウ脱出!」
 
ワカバヤシ「だよねえ」
 
カネダ「いや、そりゃ脱出はええよ。人命第一やし」
 
ベットウ「でも、なんかメチャクチャ安易に考えてるんですよね、脱出シーンを」
 
「戦闘機なんて、買ったらウン千万するのに」
 
カネダ「円じゃなくてドル建てでな」
 
ベットウ「たぶん、米軍のおさがりか不良品を買わされてるんでしょうケド」
 
「それをアータ、そんな豪快にスクラップにしてええのかと」
 
ベットウ「しかも、街中でも平気で墜落させますからね」
 
「もっと人のおらんところで爆発させるよう、努力してほしい」
 
カネダ「でもまあ、TACにそこまで期待してもなあ」
 
ワカバヤシ「結構、言われてるんだね」
 
カネダ「いやまあ、TACはちょっと、なんというのか……」
 
ベットウ好感度が、少々低い組織なんです」
 
ワカバヤシ「あー、【謹慎】に関係あるのかな」
 
カネダ「まあ、これはしゃあない部分があるというか、すれ違いもあるねんけど」
 
ベットウ「ほら、ウルトラマンって人間と違うやないですか、基本的に」
 
ワカバヤシ「まあ、宇宙から来た超人だよね」
 
ベットウ「そう。それゆえに、人間には感知できない超獣のオーラとか鳴き声とか、宇宙からの有害電波とかをキャッチできたりするんですよ」
 
ワカバヤシ「あるだろうね。ウルトラマンだし」
 
「でもそれって、ウチらみたいな凡夫に言われても、困るわけやん」

カネダ「そらウルトラ能力持ってるやつって、わかってればいいけど、そこいらのアンちゃんが《超獣がいます》《あいつは人間に化けた宇宙人です》言うても、気ちがいかと思うわな」

ベットウ「でも、TACの面々も、信じひんすぎですけどね」
 
「北斗隊員(ウルトラマンA)がなに言うても、《バカな》《そんなことあるもんか》」
 
カネダ「《ぶったるんどる!》とかな」
 
ベットウ山中隊員ですね。なんか、すごいイヤな気分にさせる人で……。体育会系のノリというか、キツいんスよ、当たりが」
 
「このあたりは、ステキなまとめ動画があるので、どうぞ」

 

 

 

「ぶったるんどる!」が持ちギャグ(?)の山中隊員。たぶん、防衛組織の隊員で一番人気がない。
リメイクするならダイアン津田さんを使ってみてはどうか。

 

 

カネダ「しっかし、ヤプールや超獣がおる世界で、怪奇現象を《夢でも見たんじゃないのか?》で一蹴とか、基本的なところで問題あるよな」
 
ベットウ「ジャムおじさんが《パンがしゃべるわけないだろ》とか言うくらい、呑気な発言ですよ」
 
今野隊員とセットになって、バカにしまくるのよ。まあ、北斗星司が言うてる、いうのもあるんかもしれんけど」

 

 

 

防衛組織の隊員で2番目に人気がない(たぶん)今野隊員。
悪い人ではないんだろうけど、少々ガサツなところがある模様。
リメイクするなら内山君に演じてもらうのがいいか。

 


 
カネダ「あー、Aのあつかいが微妙なんは、ちょっとあの人の責任でもあるよな」 
 
ベットウ「熱血キャラゆえにか、なんかバカっぽいんですよねえ」
 
「友達におったら、うっとうしいよな」
 
カネダ「人徳ないというか」
 
ワカバヤシ「あの……主人公なんだよね?」

 

 

 

ウルトラマンAに変身する北斗星司隊員。
言ってることが全然信じてもらえない可哀想人だが、見ているこちらに「北斗やからしゃあない」と思わせるところも、また不憫。
リメイクするならパンサー尾形さんが適役。


 
ベットウ「だから最終回のアレも、ちょっと冷めるというか」
 
「北斗が言うと、素直に聞かれへん」
 
 
 やさしさを失わないでくれ。
  
 弱いものをいたわり、互いに助け合い、どこの国の人たちとも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。
  
 例えその気持ちが何百回裏切られようと。
 
 それが私の最後の願いだ。 
  
  
 
ワカバヤシ「いい言葉じゃん」
 
ベットウ「アレ、絶対どっかからのコピペっすよ」
 
「なー。北斗のキャラと合ってないねん。ダライ・ラマとかからパクってるやろ」
 
ベットウ「夕子さんが、書いてくれたんじゃないですか?」
 
ワカバヤシ「みんな、北斗隊員に親でも殺されたの?」
 
「そんな北斗に、山中、今野の3人のやり取りは、ホンマに聞いてられへん」
 
ワカバヤシ「それでハブられて、謹慎なんだ。ヒドイ話だなあ」
 
ベットウ「大丈夫。どうせ、北斗は謹慎なんて守りませんから」
 
ワカバヤシ「ダメじゃん」
 
カネダ「街中で銃乱射してるし、一般人の女も殴ってるし」
 
ワカバヤシ「え? それ、今だと大問題だよね」
 
「だから、当時でも謹慎してるよ」
 
ワカバヤシ「謹慎で、すまないよ!」
 
「まあ、人なぐったウルトラヒーローと言えば、北斗だけやないけど」
 
ベットウ「今さらっと、触れていはいけないところ行きましたね」
 
カネダ「あれこそ、謹慎ではすまん話やわな。しれっと復活したのもビックリやけど」
 
ベットウ「やっぱ、ウルトラマンは謹慎期間を守らないんですよ」
 
「そんな感じでTACは、あんまり働きたくない、ブラック組織として名をはせている」

ベットウ「まあ、リアルな軍隊組織なんて、そんなもんかもしれませんけどね」
 

 (Q歯科、久里虫太郎編に続く)
 

 

 

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解散MAT 脱出TAC お遊びZAT 全滅MAC スパイナーで東京もろともイッタりましょうか編

2023年05月01日 | オタク・サブカル

 前回に続いて『帰ってきたウルトラマン』のお話。

 上の偉い人から「次ダメだったら解散だからな」とイヤごとばかり言われている、怪獣攻撃隊MATの面々。

 グドンツインテールという2大怪獣に苦戦を強いられ、やはり解散をちらつかされるのみならず、小型水爆と同じ威力の破壊兵器を使用して、東京もろとも怪獣を焼き払おうという作戦を聞いてびっくり仰天。

 加藤隊長をはじめ、「そら、いくらなんでも、あんまりだっせ」とあきれ顔ですが、地球防衛庁の岸田長官はもうノリノリで……。 

 



 
カネダ「まあ、このあたりは脚本書いてる上原正三の、沖縄戦の恨みとかもあるから」
 
ベットウ「あの対馬丸に乗ってたんでしたっけ?」
 
カネダ「いや、違うはず。たしか疎開用の船が潜水艦にねらわれんよう、蛇行して逃げ回って数週間漂流したとか、そんな話」
 
ボスタングの元ネタになったエピソード。しかし、連中も子供が乗ってる疎開船を沈めるかぁ?」

ベットウ「戦争に仁義もへったくれもないんですよ。アニメの『対馬丸』は今でもトラウマですわ……」

カネダ「あー夏休みの登校日に見せられるヤツな。ガチやもんな。上原も負けてないけど」

ベットウ「この人の沖縄の情念と、少女好きはマジもんですねえ」
 
「《オマエら沖縄を盾にして、とっとと降伏しやがって! 本土決戦やって、同じ目にあったらよかったんや!》って、本気で思ってる人やから」
 
カネダ「だから『帰マン』初期では異様に東京を破壊するもんな」

「映画の『激動の昭和史 沖縄決戦』観たら、ちょっとは気持ちもわかりますけど」

ベットウ「沖縄の民間人が次々死んでるのに、丹波哲郎とかが、どうやって名誉の自害すべきか延々話し合ってるという、ブラックジョークのようなシーンが」

カネダ「はよ降伏せーよ!」
 
ワカバヤシ「で、結局スナイパーはどうなったの?」
 
「ス【パイ】ナーね。加藤隊長をはじめとするMATの猛反対で、いったん凍結」
 
ワカバヤシ「そらそうだよね」

 

 

 

スパイナー使用阻止のため「もう一度チャンスをください」と願い出る加藤隊長。なぜ「理想の上司ランキング」に登場しないのか不思議。

 

 

ベットウ「兵器の威力を表現するため、ここで原爆で廃墟になった街の写真を挿入するんですよね」

カネダ「あれは怖いよな」

「で、MATは最後のチャンスをくれということで、《ダメだったら解散》と最後の特攻に挑む」
 
ワカバヤシ「燃えるねえ。その作戦は?」
 
「ジープに乗って近づいて、10メートルの至近距離からツインテールに麻酔弾を撃つ」
 
ワカバヤシ「かなり無謀な気がするけど」
 
カネダ「いや、ここは盛り上がるところ」

「ワンダバダバワンダバダバワンダバダバダ!」
 
ベットウ「MATといえば地上戦!」

「怪獣とMATの接近戦が超燃えるんや。100回見ろ!」

ベットウ「ボクが推しの丘隊員もバズーカで戦うし」

「一応、ツインテールの目をつぶして、ウルトラマン勝利のサポートはしたから活躍したよ。がんばってるやん」
 
ベットウ「初期のMATは殺伐としてるけど、加藤隊長とか伊吹隊長とか、南隊員とか、いい人はそろってますし、応援したいです」

 

 

 

郷秀樹(ウルトラマン)の良き理解者である南隊員。射撃の名手。
子供のころいじめられっ子だったためか、弱い者へのやさしさを(同時にきびしさも)忘れない男。
キカイダー01でおなじみだが、もともとはウルトラマン役の候補でもあったらしい。

 

 

 

カネダ「MATは隊長が2人ともいいよな」

「加藤隊長が、郷隊員の妄想(?)を確認するために霧吹山に登るところとか、子供心にもグッときました」

ベットウ「さっきのグドン&ツインテール戦で、隊員が緊張でジープのエンジンをなかなか、かけられへんところとか」

カネダ「静かに【落ち着くんだ】って声をかけるねんな」

「地味なシーンやけど、人柄が伝わる名演技なんです」

ベットウ「伊吹隊長はやっぱ初登場時がカッケーんス」

「《この怪獣は俺が殺る》。超絶飛行テクニックがシブい!」

カネダ根上淳は、もともと航空隊の生き残りやそうやし」

ベットウ「あとはずせないのは、ムルチ戦の【郷、行くんだ!】」

「《怪獣使いと少年》。今のエクストリーム保守の人が見たら、卒倒するような内容」

カネダ「まあ、ウルトラシリーズは基本的には左寄りやろ」

大江健三郎には批判されてましたけど」

ベットウ「それは前も言うた通り、核のあつかいとかは雑でしたからねえ」

「あと心に残ってるのがゼラン星人

ベットウ「あれってやっぱ、メイツ星人に対するアンサーなんですかね」

「宇宙人が、口の聞けない障碍者の少年に化けて、人のやさしさにつけこむって話やもんな」

ワカバヤシ「なんだか、キワドそうなにおいが」

ベットウ「伊吹隊長の娘さんが、その男の子と話をするために手話をおぼえるんスよ」

「美奈子ちゃん、メチャメチャええ子やねん! 親の育て方がよかったんやな」

 

 

家族で休暇中の伊吹隊長の一コマ。隣にいるのが、心やさしき美奈子ちゃん。
ふくれっ面なのは、パパの優先順位が家族旅行よりもMATの仕事の方なため。
隊長、空気読んで!

 

 

ベットウ「で、伊吹親子の信頼を完全に得たゼラン星人は、《社会的弱者であるわたしに手が出せるかな》ってウルトラマンを挑発する」

ワカバヤシ「攻めてるねえ」

カネダ「攻めてるよなあ。《コイツは宇宙人です!》って見破ったはずの郷隊員が、《おまえ……サイテーやん……》て人非人あつかいされて」

「最後、伊吹隊長が自らマットシュートで撃ち殺すけど、その姿が……」

ベットウ「たしか、見た目が少年に化けたままの状態やのに撃つんですよね」

「すごい絵面やねん。大人が子供を撃つねんもん。しかも首筋を」

ワカバヤシ「殺す気満々だ」

カネダ「まあ正体というか、人殺してるところ見たから、それはしゃあないけど」

「で、すべてが終わったあと郷秀樹が《ボクやったら、あの男の子は外国に引っ越したとか言うときますわ》って言うたら」

ベットウ「伊吹隊長は首を振るんスよね。《いや、事実を話すつもりだ》」

「《しょせんは人の腹から生まれた子供だ、天使にはなれんよ》って」

カネダ「大人やなあ」

ベットウ「でも、美奈子ちゃんにはキツいッスよね……」

「相手、小学生や。立派な人って、そういうところが重かったりするからなあ」

カネダ「そこは全然、ウソついてもええのにな」

「黙っとったらええのに、昔の子供番組はこういうとこに容赦せんのですよ」

カネダ「そのガチなところが、昭和特撮の魅力でもあるけどな」

ベットウ「そんなMATなんですけど、劇中では解散、解散言われてかわいそうでした」

ワカバヤシ「よかったね、でも最後まで、解散しなくてすんだんでしょ」
 
ベットウ「でも、そのあとも度々言われてましたよね」
 
カネダ「なんか、お約束のギャグみたいになって。【解散、いただきました!】みたいな」
 
ベットウ「よ、成駒屋!」
 
「さーあ、どうするどうする!」
 
ワカバヤシ「合いの手が古いよ」
 
カネダ「《世論ではMAT不要論もある》とかナレーション入って、どんだけシメられてるねん」
 
「メインライターの一人、市川森一も《あーあ、MATって弱いなあ》って思いながらシナリオ書いてたらしいし」
 
ワカバヤシ「そこまで言われると、いっそ愛しくなるよ」
 
「だから、昔『アメトーーク!』の【元コンビ芸人】やったときさー」
 
ベットウ「あー、あれは特撮ファンみんな思ったでしょうねー」
 
「《次に解散しそうな芸人》でアンジャッシュの名前が挙がってたんやけど……」
 
カネダ「うん、そこは絶対にMATって思ったよな、みんな」

ワカバヤシ「絶対《みんな》ではないと思いますけどね」
 

TAC編に続く


 

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解散MAT 脱出TAC お遊びZAT 全滅MAC 「ダメだったら解散だからな」と藤田進は言った編

2023年04月30日 | オタク・サブカル

 前回に続いて、「矢倉規広世代」が中心のオタク談義。
 
 特撮にくわしくない友人ワカバヤシ君が、昭和の狂ったエピソードを聞いて、そのあまりのハイセンスな内容に、

 
 「ボクをだまして、からかってるんだろ?」
 
 
 すっかり疑心暗鬼に。
 
 そりゃまあ、
 
 
 「主人公が妹の治療費を稼ぐためにインドに修行に行き、正義のヒーローになるも、そこで第三次印パ戦争に巻き込まれるなど苦労し、そのつらい人生をエンディングで《お金もほしいさ、名もほしい》《恋もしたいさ、遊びたい》とグチりまくる」 
 
 
 なんて言われても、「え? それネタやろ?」としか思いませんわな。

 今回は「自衛隊が出れば怪獣は普通にやっつけられる」という話から、

 「でも、『ウルトラマン』の科学特捜隊はまだしも、その他の防衛組織はかなり弱い

 という流れになってからの続きで……。 


 では、まずは登場人物。
 
 
 1.ベットウ
 
 後輩。戦隊ヒーロー、アニメ、マンガ、プロレスが得意ジャンル。
 
 『帰ってきたウルトラマン』で好きな怪獣はダンガー
 
  
 2.ワカバヤシ

 元関東人。オタクではなく、映画、文学、哲学などにくわしいインテリ。
 
 『帰ってきたウルトラマン』で好きな怪獣は特になし
 
 
 3.カネダ先輩

 SF、ミステリ、映画、ゲームなどが専門。

 『帰ってきたウルトラマン』で好きな怪獣はサドラ
 
 
 
 4.。通称

 特撮、SF、ミステリ、映画あたりが専門。
 
 『帰ってきたウルトラマン』で好きな怪獣はキングマイマイ

 

 それでは、張り切ってどうぞ。

 


  
解散MAT 脱出TAC お遊びZAT 全滅MAC
 
ベットウ「あるいは、解散MAT 謹慎TAC 脱出ZAT 全滅MAC」
 
ワカバヤシ「そのマットとかタックって、自衛隊とか地球防衛軍みたいなの?」
 
ベットウ「それぞれ、『帰ってきたウルトラマン』『ウルトラマンA』『ウルトラマンタロウ』『ウルトラマンレオ』の正義の組織です」
 
ワカバヤシ「それが、解散とか謹慎とか全滅とか、大丈夫なの?」
 
ベットウ「それが、大丈夫やないんです」
 
ワカバヤシ「だよねえ。これが解散陸自、脱出空自、お遊び海自、全滅在日米軍だったら、日本も終わりだもん」
 
カネダ「まずはMATか」
 
ベットウ「MAT。【Monster Attack Team】の略ですね」
 
ワカバヤシ「【怪獣攻撃隊】。なかなかカッコイイね。で、それがなんで【解散】なの?」
 
「それは、このチームがしょっちゅう《解散、解散》言われてるからやねん」
 
ワカバヤシ「解散って、なんで?」
 
カネダ「そら、怪獣やっつけ……じゃなかった攻撃隊が、怪獣退治に失敗したら、その罰ゲームは受けなあかんわ」
 
ベットウ「だいたい、藤田進に《次ダメだったら、MATは解散だからな》って、シメられてますよね」

 

 

 

「MATは解散だからな」が持ちギャグ(?)の地球防衛庁長官。昭和特撮ではおなじみの、藤田進さん。


 


ワカバヤシ「でも、前線で戦う人達が解散したら、怪獣はどうなるのさ?」
 
「さあ……」
 
ベットウ「ねえ……」
 
ワカバヤシ「ダメじゃん!」
 
ベットウ「まあ、物語に緊迫感を出すために、解散言うてるんでしょうケド」
 
カネダ「そんな戦後処理は、怪獣倒してからやってくれって話やわな」
 
ベットウ「MATって、地球防衛庁のかなり下っ端なんでしょうね」
 
「初めて言われたんって、グドンツインテールのとこやっけ?」
 
ベットウ「最初かどうかは憶えてないですけど、第5話の『二大怪獣東京を襲撃』と、第6話の『決戦!怪獣対MAT』」
 
ワカバヤシ「なんか、おもしろそうなサブタイトル」
 
ベットウ「ここでは、ツインテールと、それを捕食する地底怪獣グドンが大暴れ」
 
カネダ「MATはMN爆弾で攻撃するけど、これでは倒せない」
 
ベットウ「頼みの綱のウルトラマンも敗れて、さあ大変」
 
ワカバヤシ「あ、ウルトラマン、負けちゃうんだ」
 
カネダ「死にはせーへんけどな。わりとボロ負け」
 
「まあ、2対1ですし」

ワカバヤシ「(スマホで検索しながら)ツインテールって、おもしろいフォルムだねえ」
 

 

 

ツインテール。特撮史上に残る、すばらしいデザイン。髪型のツインテールの元ネタも、たぶんコレ。かわいい。

 

 

「この2匹は強いし、デザインもいいし、いい戦いやなあ。大好き」
 
ベットウ「エビの味しますしね」
 
カネダ「で、この状況で《MATは解散》と」
 
ワカバヤシ「そんな無茶なって」
 
カネダ「ホンマ、今する話とちやうよな」

 



古代怪獣グドン。ツインテールとのタッグとは言え、ウルトラマンをボコボコにした実力者。シブい。

 


 
「民間人が地下道に閉じこめられて、それもなんとかせなアカンなのに、そんな内輪もめしてる場合とちゃう!」
 
ベットウ「郷隊員の恋人、アキちゃんも死にかけてるのに……」
 
カネダ「まあ、お偉いさんのリアルではあるよな」
 
ワカバヤシ「んで、本当に解散しちゃうの?」
 
カネダ「いや、そこは防衛軍もなんとかせなあかんから、ついにあれを出してくる」
 
ベットウ「出ましたね、スパイナー

ワカバヤシ「お、新兵器?」
 
「これはすごいねん。なんちゅうても、小型水爆に匹敵する威力があるという」
 
ワカバヤシ「え? え? そんなの使うの? 東京、壊滅してしまわない?」
 
カネダ「ま、するやろね」
 
ワカバヤシ「おさまってる場合じゃないよ。避難できない民間人は?」
 
「まあ、もろともということで」
 
ワカバヤシ「首都機能の施設とかも?」
 
カネダ「大阪か名古屋に遷都しますか」

ワカバヤシ「前も聞いたけど、本当に核兵器を街中で使っちゃうんだねえ」

ベットウ「正確には核やないということになってますけど、まあ核ですよね」

「エヴァに出てくるN2地雷と同じやな。核やけど、核やないと」

カネダ「キノコ雲が上がっても、劇中で核って言うてないから核にならへん」

ベットウ「シュレディンガーの核兵器!」

「ここで岸田森が、東京大空襲の話をするのがグッとくるねんな」
 
カネダ「昭和と平成以降の特撮の違いに、《戦争がリアル》な世代かどうかはあるやろね」
 
ワカバヤシ「いくら怪獣をやっつけられないとはいえ、じゃあ人間とか施設ふくめて、東京もろとも焼き払えばいいじゃんって、すごいねえ」
 
「パンがなければ、ケーキを食べれべええのよ」

ベットウ「『シン・ゴジラ』の東京壊滅シーンの元イメージって、たぶんこのスパイナーのエピソードですよね」

 

続く


 

 

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ウルトラマン 科学特捜隊の倒した怪獣を数えてみよう その2

2023年04月23日 | オタク・サブカル

 前回に続いて『ウルトラマン』についての身内オタクトーク。

 

 「実は自衛隊が出れば、怪獣はふつうに倒せる」

 

 という特撮世界の《常識》から話は

 

 「初代『ウルトラマン』の科学特捜隊は優秀で、歴代トップの怪獣撃破率を誇る

 

 という内容に。

 そこでカウントしてみると、たしかに多いようで……。

 

「アントラーにマグラーに」
 
カネダ「スパイダーショットでミイラ人間
 
ベットウ「マルス133でバルタン星人(2代目)を屠ってます」

「マッドバズーカでケムラーを撃破」
 
カネダギガスを強力乾燥ミサイルで一撃」

 

 

冷凍怪獣ギガス。この風貌だが、大して強くない。レッドキングの「かわいがり」に耐えかねて逃げ出す、かわいそうな人。かわいい。

 

 
ベットウゴルドンも倒してましたよね」
 
カネダ「地底魚雷やったっけ?」
 
「いや、コロナ弾ちゃいましたかねえ」
 
カネダ再生ドラコ再生テレスドン

 
ベットウ「スパーク8をおみまいするぜ!」

 

ハヤタのマルス133で右肩から流血するダメージを受け、ブチ切れて岩山を破壊する再生ドラコ。かわいい。

 

カネダ「3人がかりとはいえ、フジ隊員に撃墜マークがついたのがええよな」
 
「フジ隊員は第1話でビートルを操縦してるのが、カッコエェェェって思たんよなあ」
 
カネダ「ただの通信係やない」
 
ベットウ特殊潜航艇S25号も操縦してますしね」 
 
「ジェット戦闘機と小型潜水艦動かせて、地上戦もできる」
 
ベットウ「陸海空オールマイティ。なにげに、めちゃくちゃスペック高い」

 

 

第一話「ウルトラ作戦第一号」でジェットビートルを操縦するフジ隊員。とても素敵。

 

「なんかオレ、ウルトラシリーズのヒロインといえば、アンヌ隊員が人気やけど、断然フジ隊員とか由利子ちゃんの方が魅力ある気がするなあ」

カネダ「まあ、アンヌ隊員は【恋人感】あるのがええんやろ。俺はパティ隊員派やけど」

ベットウ「パリ本部のアンヌ隊員もいましたねえ。まあ、ボクはMATの丘隊員派ですけどね」
 
カネダ「話を戻して、ザラガスは入れてもええか」
 
ベットウ「じゃあ、ジェロニモンもそうッスね」
 
カネダ「あとはサイゴとか」

 

 

砂地獄怪獣サイゴ。おそらく『ウルトラマン』全39話中で、もっともマニアックな怪獣。次点はザンボラー。どっちもかわいい。

 

「最後の怪獣やからサイゴという、センス抜群のネーミング」
 
ベットウニードルS80で撃破」
 
「いや、あれはSNKミサイル
 
ベットウ「あれ、そうでしたっけ?」
 
「これは【あるある】やな。たしかなんかの本に、間違ってニードルS80って書いてるはず」
 
カネダ大伴昌司やろ、たぶん。知らんけど」
 
ベットウ「あとはゼットンは有名ですよね。ペンシル爆弾。今は無重力弾がメジャー?」
 
「おいおい、ベムラーもあったやろ」
 
ベットウ「え? ベムラーは第1話で、スペシウム光線を喰らってましたやん」
 
「ちゃうちゃう、オレの言うてるのは『長編怪獣映画ウルトラマン』の話」
 
ベットウ「あー、再編集の映画版ですか。そんなん、だれが知ってますのん」
 
カネダ「思い出した。あそこは特殊潜航艇S16号の魚雷で大破」
 
「そう、それそれ。たぶん劇場版ウルトラマンで、一番マイナーな作品。オレでなきゃ見逃しちゃうね」
 
ベットウ「もう見逃して、真人間になりましょうよ」
 
カネダ「劇場版と言えば、シャロン君の好きな『ジャイアント作戦』も入れとくか」
 
「超強力乾燥光線でモルゴ撃破」
 
ベットウ「マルサイトセブンで、ナポレオンを破壊」

「あとはゴルドキングビルガメラーと……」

カネダ「そんなん、おったっけ?」

ベットウ「パソコンゲームの『空想特撮シリーズ ウルトラ作戦 科特隊出撃せよ!』ですね。ようおぼえてるなあ」

カネダ「テレビシリーズで13、4匹くらい? 全39話でそれだけやっつけてたら、なかなかのもんやな」

「番外編入れたら20匹くらいか。特に、スペシウム光線が効かんアントラーとか、ケムラーを倒してるのは大金星」
 
ワカバヤシ「へー、ちょっとイメージ変わるなあ。じゃあ、地球防衛組織って、ボクが思ってたみたいな弱いもんでもないんだ」
 
「いや、これは科特隊ががんばってるだけで、弱いところは弱い」
 
ワカバヤシ「あらま」
 
ベットウ「そんなワカバヤシさんには、いい言葉があるんですよ」
 
カネダ「あー、あれな。なんやったっけ? 解散からやったな」
 
解散MAT 脱出TAC お遊びZAT 全滅MAC
 
ベットウ「あ、そっちっスか。僕は解散MAT 謹慎TAC 脱出ZAT 全滅MACのイメージですわ」
 
ワカバヤシ「よくはわかんないんだけど、悪口を言ってることだけは伝わってくるよ」
 
カネダ「正義の組織やのに、どっちも【脱出】ってワードが入ってるところがミソやな」

「ここ掘ると笑えるけど、同時に哀しい気分にもなるんスよね」

ベットウ「完全にやられキャラあつかいですもんねえ」

ワカバヤシ「ホントは勝てるのにね」

 

  (続く

 

 
 

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ウルトラマン 科学特捜隊の倒した怪獣を数えてみよう

2023年04月22日 | オタク・サブカル

 前回に続いて、「安用寺孝功世代」が中心のオタク談義。
 
 ウルトラマンにくわしくない友人ワカバヤシ君が、昭和の狂った特撮エピソードを聞いて、そのあまりのハイセンスな内容に、

 
 「ボクをだまして、からかってるんだろ?」
 
 
 すっかり疑心暗鬼に。
 
 そりゃまあ、
 
 
 「水ばっかりガブガブ飲んでる主人公が、弱っちい正義のロボットを差し置いて、ムチでバシバシ巨大怪獣を倒す話」 
 
 
 なんて言われても、「え? それネタやろ?」としか思いませんわな。
 
 では、まずは登場人物。


 
 
 1.ベットウ
 
 後輩。戦隊ヒーロー、アニメ、マンガ、プロレスが得意ジャンル。

 好きな『ウルトラQ』の怪獣はぺギラ

 

 
 2.ワカバヤシ

 元関東人。オタクではなく、映画、文学、哲学などにくわしいインテリ。
 
 好きな『ウルトラQ』の怪獣は特になし。


 
 
 3.カネダ先輩

 SF、ミステリ、映画、ゲームなどが専門。

 好きな『ウルトラQ』の怪獣はパゴス

 
 
 
 4.

 特撮、SF、ミステリ、映画あたりが専門。
 
 好きな『ウルトラQ』の怪獣はマンモスフラワー
 
 
 
ワカバヤシ「なんか、日本の特撮って、すごいんだね」
 
「すごいやろ。なんかねー、頭狂ってるよな」

ベットウファミコン黎明期みたいな、闇鍋カオスな勢いはありましたよね」

カネダ「今やったら、一時期のなろう系みたいな感じかもな。ちょっと前のニコ生とか」

「どんなジャンルも、出始めのときは無茶できるねん。それが楽しい。昭慶爆発とか」

ベットウ「『日本沈没』とか最高やけど、絶対にケガ人出てますよね」

カネダ「見ただけで、【あ、これヤバイやつや】ってわかるもんな。でもこの時代の怖いところは、別にこの人が特別でもないという」

「ふつうのアクションシーンでも、俳優さんの周りでバンバン爆発させるし」

ベットウ「こないだ亡くなった団時朗さんも、外ロケでそこらじゅうに火薬の仕込んであるところを走るのとか、メチャ怖かったって言うてはりましたね」

「どこに埋めてあるかとか、本番中にイチイチ気にしてられへんから」

カネダ「芝居しながら、めくらめっぽうで走るしかない」

ベットウ「マジで、地雷原で運動会とか、してるようなもんですもんね」

『空手バカ一代』の特訓シーンみたいや」

ベットウ「アハハハハハ! まあ、あれは創作ですけど」

「なに言うてるねん。あれは全部、ホンマのことやん」

ベットウ「んなわけあるかい! カネダ先輩、この人アホですわ」

カネダ「(真顔で)あのマンガには事実しか描いてないぞ」

ベットウ「出た、大槻ケンヂの【ウソしか描いてないのに、信者はあれを全部本当のことと信じている】という意味で『空バカ』=聖書説」

ワカバヤシ「あのさー、盛り上がってるところ悪いけど、ひとつ質問していい?」
 
ベットウ「どうぞ、どうぞ」
 
ワカバヤシ「その『シン・ウルトラマン』ってさあ、劇中に正義の組織みたいなの出てくるの? 【地球防衛隊】みたいな」
 
ベットウ「あー、それは出ますよ」
 
カネダ「【気特対】やったけ」
 
ベットウ「それは山本弘の『MM9』ですわ」

「【気象庁特異生物対策部】やね」

ベットウ「『シン・マン』は禍威獣特設対策室で【禍特対】。ちなみに、どっちも科学特捜隊の略称である科特隊が元ネタっすね」
  
カネダ「で、それがどした?」
 
ワカバヤシ「うーん、こういうこというと言うと、怒られるかもしれないけど、そういう組織があるなら、ウルトラマンっていらないんじゃないかって」
 
カネダ「ほう」
 
ワカバヤシ「だってその、科特隊だか禍特対って、怪獣退治のスペシャリストなわけでしょ? それなりの戦力は持ってるわけで」
 
「スーパーガンにスパイダーショット、マルス133だって、立派に怪獣を倒してるよな」
 
ワカバヤシ「なんか、ふつうに戦って、勝てる気がするんだけど。怪獣って、要はデカい動物みたいなもんだし」
 
ベットウ「あー、それは全然勝てますねえ」
 
ワカバヤシ「あ、そうなの?」
 
カネダ「それはねえ、特撮ファンの間では、まあ常識というか」
 
「全然、怪獣に人間は勝てるねん」
 
カネダ「科特隊とか出んでも、自衛隊で充分」
 
「戦車とか出したら、【撃て】【どどどーん】でオシマイ」
 
ベットウ「熊退治のノリっすね」

ワカバヤシ「へーえ」
 
カネダ「だから、それこそ『MM9』は怪獣を倒す方法よりも、【いかに倒せない状況を作るか】を考えるのがキモやったって、作者も言うてた」
 
「本気出したら勝つから【怪獣の血液が劇薬で、飛び散ると大惨事になるから攻撃できない】みたいな縛り作ってね」
 
ベットウ「有川浩『海の底』も、自衛隊出たら一発でしたもんね」
 
「だから、あの小説は自衛隊を《出せない》葛藤がドラマになってる」
 
カネダ「まあ、レガリスは数メートルくらいで、ちっこいからホンマに害獣退治と変わらん」
 
ワカバヤシ「じゃあ、自衛隊とか地球防衛軍が攻撃するミサイルを次々はね返されて《ウルトラマン、助けて!》みたいなシーンは、基本フィクションなんだね」
 
「ドラマを盛り上げるために、あえて噛ませ犬をやってくれてる」
 
ベットウ「けど、初代マンの方の科特隊は結構がんばってますよ」
 
ワカバヤシ「そうなんだ」
 
カネダ「結構、怪獣は倒してるのよな。えーと、なにあったけ。まず、アントラー

ベットウ「ウルトラマンが大苦戦するのを、キャップのナイススローでね」

 

 

 

スペシウム光線にノーダメのアントラー。カッケー。

 

 

カネダ「スゴイ遠投とコントロールで、青い球を命中させるねんな。あの回はバラージのセットもすばらしい」

別の映画のセットに、勝手に入って撮ったんですよね」

ベットウ「そういや『奇巌城の冒険』って観たことある人に、会ったことないなあ」

カネダ「たしかに。そもそも、ソフト化されてるんやろか」

「アントラー出るんかな」

ベットウ「出るわけないでしょ」

「オレ、世界中のすべての映像作品に、怪獣出てほしい人やから」

ベットウ「ただの気ちがいですやん」

カネダ「『ローマの休日』とかでも?」

「あーいいッスねえ。全然ありです」

ベットウ「なに出すんです?」

ビルガモとか」

ベットウ「どういうセンスなんスか。やっぱそこはアボラスバニラやないんですか?」

カネダ「スタジアムあるからな。今度、『名作映画に怪獣が出るなら、どれが合う?』って企画やろうか」

「それ、いいですね!」

 

 

 

 

ローマが似合う男(?)。ロボット怪獣ビルガモ。「バルタニック・ウェーブ」がイカす。かわいい。

 

カネダ「話を戻して、アントラーの次はマグラーか」

ベットウ「マグラかマグラーかで、一晩悩むやつですね」

ナパーム手榴弾でノックダウンってのが、シブいんよなあ」

 

続く

 


 
 

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『シン・ウルトラマン』から、オタクが昭和の「嘘松にしか聞こえない特撮」について語る

2023年04月19日 | オタク・サブカル

 前回の続き。

 『シン・ウルトラマン』の話から、

 

 「子供むけヒーロー映画だから、子役の活躍もあったのか」

 「なら当然、その子供が原子力兵器で怪獣と戦うはず」

 

 という特撮オタクの意見にあきれている、怪獣オンチの友人ワカバヤシ君。

 なんて阿呆なと思われるでしょうが、これがなかなか……。

 

ワカバヤシ「もともとの初代ウルトラマンって、そんな破天荒な内容なの?」

カネダ「そうそう。ホンマやで」
 
「マジやから」
 
ワカバヤシ「本当に子供が、動力源が小型原子炉の兵器で戦うの?」
 
スパイダーショット、ガンガン撃つから」

 

 

 

勝手に持ち出した(!)スパイダーショットでネロンガを撃つホシノ少年。
寿司屋なんて問題じゃないくらいの大炎上は必至。
「この少年の罪は?」とかいう題材でマイケル・サンデル教授に語ってもらうと楽しそう。

 

 

ベットウ「『パシフィック・リム』の芦田愛菜ちゃんにも、ぜひスパイダーを手に戦ってほしかったッスね」

「そんな映画、絶対観るわ。バリアーマシンも貸そか?」

カネダ「【ゴキゲンな新兵器だよ!】とか言うてくれるんやな」

ベットウ「三角ビートルくらいなら、全然ひとりで操縦できそうですもんね」

「ホシノ君でもできるんやから、そんなん楽勝やろ」

 

 

 

透明怪獣ネロンガ。背中のヒレのイエローがキュート。かわいい。

 

 

ワカバヤシ「でもさ、そんな武器使って、被爆しない?」
 
カネダ「まあ、するやろね」
 
「そのへんのことは、あんま気にしてへんねん」
 
ワカバヤシ「いや、気にしてよ!」

「だって、東京のど真ん中で【はげたか】いう核ミサイルぶっぱなしてるし、その辺はまあ、ね」
 
ワカバヤシ「ね、じゃないって。え? え? てかそれ、嘘ですよね?」
 
カネダ「ホンマよ、ホンマ」
 
ワカバヤシ「いやいや、被爆国日本が、街中で核ミサイルはないっしょ」
 
「あるある」
 
ベットウ「全然ありますよね」

 

 

バルタン星人を攻撃する核ミサイル「はげたか」。一応言っておきますが、ここ東京です。


 


ワカバヤシ「どういう世界観? ウルトラマンって、そういうノリなの」
 
「まあ、ねえ」
 
カネダ「昔はこんなもんよ」
 
「全体的にアバウトというか、雑やねん」
 
カネダ「そこを楽しめると、昭和の番組って、急におもしろくなるねんけどな」
 
ベットウ「そうそう、そうなんですよね」
 
「あとなんやろ、ウルトラマンが悪の宇宙人に捕らわれるねんけど、どうやっても外れない拘束具を壊せるのが【少年の涙】とか」
 
カネダ「宇宙恐竜を一撃で倒せるほどの兵器を、作った博士が【ウッカリ渡し忘れて】、そのせいでウルトラマンが死ぬとか」
 
ベットウ「そのウルトラマンを助ける宇宙警備隊の隊長が、命を2つ持ってきたのに、人間の方を助ける気がサラサラないから、結構出し惜しみしてたとか」
 
ワカバヤシ「ちょっと待って、ちょっと待って、それってどれが本当の話で、どれがオタクのオモシロ妄想なの?」
 
「そんなん、全部ホンマの話に決まってるやん」
 
ベットウ「ねえ」
 
ワカバヤシ「いや、絶対ウソだ。知らないからって、ボクをからかって遊んでるんだ」
 
カネダ「そうとも言い切れんところが、この時代の特撮の因果なとこやけどな」
 
ベットウ「ありえなくも、ないんスよねえというか、ウルトラシリーズなんかマシな方で、もっとヒドイ話、なんぼでもありますよね」
 
「あるある。子供2人を人質に取られたから、全人類、悪の宇宙人に降伏とか」
 
ベットウ「地球侵略を防ぐために来たヒーローが、1万年早く来すぎてどうにもヒマやから、現代までずーっと寝て待ってたとか」

「ヒーローが脳をシンナー中毒者のものと取り替えられて、キチガイになって街で暴れまわるとか」
 
カネダ「宇宙から来た謎の怪星と地球との衝突を避けるために、南極に【地球移動用のジェット噴射口】を建設して、間一髪でよけるとか」
 
ワカバヤシ「嗚呼、気が狂いすぎて、本当なのか、からかわれてるのか全然わからない……」
 
「だから、全部ホンマや言うてるのに」
 
ベットウ「人が人を信じられないって、悲しいですよね」
 
カネダ「地球を救うスーパーヒーローが、第1話でいきなり赤土で転んで頭打って、野垂れ死にしかけてるとか」
 
ベットウ「敵の怪人の名前が【カブト虫ルパン】に【ヒトデヒットラー】とか」
 
「【ムサシが急に番組に出られなくなった】とか」
 
ワカバヤシ「すごいね。どれが嘘松かホント松か見分けるのが、世界で一番難しいジャンルかもしれないねえ」

「だから『君の名は。』とか観ても、【はよ、南極にジェットパイプ基地作れよ】としか思わん、おかしな大人に育つねん」

カネダ「別にウソ発見器つけて、質疑応答やっててみてもええで」

ベットウ「針、ピクリとも動かないッスよね、マジで」

「事実っちゅうのは、なによりも強固なんやな」

 

  (続く

 

 

 


 

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