2024新年日記 水島新司 マドンナ 佐藤賢一 NAMI 塩見味平 ワット=タイラー登場

2024年01月03日 | 日記

 1月 某日 
 
 ある年始の日記。
 
 11時起床。日本は元日から大変なことになっているが、こういうとき一番良くないのが、

 

 「つらい目にあっている人がいるのに、自分は安全な場所で、のうのうとメシを食っている」

 

 という罪悪感に苛まれるとこであるのは、阪神大震災のとき、兵庫に住んでいた友人たちと違い被害にあわなかった私が得た教訓。

 ロンドンのテロ対策と同じ。なにが起ころうがちゃんと寝て、ごはんを食べて、日々の雑務をこなす。

 それでも自責の念が消えないなら、

 

 「窓を開けて換気する」

 「部屋をキレイにする」

 「いつもより少し人に優しくする」

 

 とかやってみる。

 下がってしまった世界の幸福値底上げを少しでもやろうという、不条理に対するささやかな抵抗だ。意味はあるのか、知らんけど。
 
 朝風呂に入って朝食。オレンジジュースとチャイ、ゆで卵、コーンフレークとヨーグルト。

 BGMにマドンナ「アメリカンパイ」「パンツァーリート」『サイボーグ009』OP「誰がために」など。
 
 「誰がために」はこれをBGMに水島新司おはようKジロー』を読んでたから、聴くたびに野球の気分になる。
 
 映画『リベリオン』観る。『1984』+『華氏451度』という

 

 「ぼくのかんがえた、さいきょうのでぃすとぴあだ!」

 

 それプラスで「日本刀カンフー」とかの裾長衣装とか、中2病だけで作ったような映画でとても幸せな気分になれる。男子必見。

 『マトリックス』『キルビル』とか、たぶんこの映画から影響受けてて、どっちもヒットしたときは

 「シュールなオシャレ映画」

 みたいに言われてたけど、その根幹はガンカタや! ボンクラ魂なめんなよ!
 
 なんとなく床をそうじして、昼食。カレーを大量に作って、それをひたすら食う。
 
 午後からはコーヒーを飲みながら、ひたすら読書。

 佐藤賢一ブルボン朝』読み始める。
 
 フランス王朝三部作の完結編。ブルボンはフランス革命とかで良く知られてるけど、カペーヴァロアのマイナーさも楽しい。
 
 佐藤さんは小説よりも歴史講談の方がおもしろいタイプ。『英仏百年戦争』とか。
 
 語学やってると雑談とかでたまに

 

 「英語はフランス語の下位互換

 

 なんてワードが飛び出して、英語人がムッとすることがあるけど、そのあたりのことは、この本を読むと理解できるかも。 
 
 夕方は買い物がてら、少し散歩。『チャレンジャー』とか古いファミコンのチープな音楽を聴きながら、近所を1時間ほど歩く。
 
 夕食は作り置きのカレーに餅とお出汁を入れて雑煮カレー。『包丁人味平』やね。美味。
 
 食後はパソコンを開く。お茶しながら、YouTubeラジオなど。
 
 語学系のYouTubeをあさりながらスペイン語の勉強。AIのおかげで語学も意味もなくなるけど、まあいいのだ。
 
 NAMIさんとかラテスぺとかラテン美女系にぞっこんな私で、なかばそれが目当て。バックパッカー時代、


 
 「南米は美人が多い」


 
 という話は散々聞かされて、行ったことない私は「ヨーロッパ最強はチェコ」と応戦していたが、たしかにラテンYouTuberきれいである。
 
 たしか「3C」とか言って「コスタリカチリコロンビア」だったかな。かわいくてフレンドリーなんだとか。
 
 いいなあ。行ってみたいけど、飛行機で24時間てのがなあ。 飛行機、苦手なのよ。

 寝る前に少しマンガ。新田章あそびあい』。
 
 主人公の心情は切ないけど、


 
 「こういう不幸こそが、最高に楽しいんだよなあ。燃えるわあ」


 
 なんて俯瞰で見てしまうのは大人になったからか。
 
 そういえば、自分も若いときある女の子に「3番目にならない?」と言われたことあるっけ。
 
 1番目が「大人の包容力と経済力」で2番目が「年下のかわいさと、若さゆえの愚かさ」を持っている。
 
 で3番目が「そういう話を、おもしろがって聞いている奇特なヤツ」という対象に想定していたとか。
 
 まあたしかに「オレをなめんな」「それは本当の恋なのか、本当の幸せなのか?」とか、あんまし思わせないタイプだったけどね。

 実際はそんなことないというか、本気で恋するととかなりバグるタイプだけど、このコに関しては、どちらかといえば「好奇心」ベースの好きだったから、「ざけんな!」とはならなかったなあ。

 で、どうなったかといえばとか、昔のことを思い出しながら、そのまま眠ってしまう。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2023年ラストラン

2023年12月31日 | 日記

 2023年も、もうすぐおしまい。
 
 布団の中で、ひねもすを読んだりYouTubeを見たり、昼寝して、映画見て、銭湯に行って、夜中に無人の街を散歩したりと、代わり映えのない日々。
 
 半纏着て毎日食べて、昔のテニスの動画を見て、スペイン語勉強して、岡田斗司夫さんのスマートノートやって、ちょっといい紅茶飲んで、ひたすらなにもしない。

 ということで、今回はフワフワ頭で今年を振り返っておしまい。

 とりとめなんかないので、こんなの私の顔ファン以外は全然読まなくていいです。では、ドン。
 
 
 体のアチコチにガタが来た、新しい眼鏡を買ったら快適すぎた、フランス語とくらべてスペイン語のとっつきやすさに感動中、なぜ日本人はこんなにテニスに興味がないのか不思議だ、だれが八冠王の牙城をくずすのかサッパリ予想できない、まだ世に出てない関西芸人にくわしくなった、ジャニーズ問題を「芸能スキャンダル」と思っている人には映画『スポットライト 世紀のスクープ』とドキュメンタリー『フロムイーブルバチカンを震撼させた悪魔の神父~』を観るのがオススメ、国枝慎吾はもっと評価されていい、YouTubeのCMがしつこすぎて辟易、スポーツマンに対する過度な幻想はそろそろ捨てるべき、ロダンの「考える人」は地獄をのぞきこんでいるという説があるがきっと各種SNSを見ているに違いない、もっとみんな不条理抵抗してもいいと思う、今のホワイト社会がどうなっていくのか10年後20年後にどう評価されるのか興味津々だ、こちらがどんなに落ちているときでも世界は動き続ける不思議と残酷、たぶん私は死ぬまでこんな感じ、それもまたよし。
 

 

 ■今年おもしろかった本。

 

 松本大洋『ピンポン』

 吉田秋生『バナナフィッシュ』
  
 黄民基『猪飼野少年愚連隊-奴らが哭くまえに』

 ネレ・ノイハウス『白雪姫には死んでもらう』

 長谷敏司『My humanity』

 桂米朝『米朝ばなし 上方落語地図』

 アガサ・クリスティー『カリブ海の秘密』

 高野秀行&清水克行『室町は今日もハードボイルド』

 ドストエフスキー『地下室の手記』

 半藤利一&宮部みゆき『昭和十大事件』

 P・D・ジェイムズ『皮膚の下の頭蓋骨』

 森枝卓士『カレーライスと日本人』

 橋爪大三郎『げんきな日本論』

 米澤穂信『Iの悲劇』

 

 

 ■おもしろかった映画・ドラマ

 

 『マッチ工場の少女』

 『グリーンブック』

 『涙するまで、生きる』

 『ベルファスト』

 『ウィッチャー警部の事件簿』

 『夜の来訪者』

 『ギルティ』

 『ナンシー・ドリューと秘密の部屋』

 『セントラル・ステーション』

 『ワールド・オン・ファイア』

 『エクス・マキナ』

 『ブックスマート』

 『ミニチュア作家』

 『警視ファン・デル・ファルク』

 『ホット・ロック』

 『ブラック・クランズマン』

 

 それでは本年度はここまで。
 
 サンキュー、バイバイ!
 
 また来年。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

年末日記2023 谷山浩子 黒帯 米澤穂信 中野好夫 山下ギャンブルゴリラ登場

2023年12月28日 | 日記

 12月 某日 
 
 ある年末の日記。
 
 12時起床。朝の苦手な私は休みとなるとかというくらい寝る。
 
 まずは朝風呂。生活の雑多な悩みを浴槽の中に溶かすイメージで、ゆっくり湯につかる。
 
 今年は急に右肩が痛くなったり、頭痛がひどかったり、がアレコレ痛んだり(歯ぎしりがすごいらしい)、その分というわけではないけど腰痛がマシになったりと、体のメンテナンスに忙しく、数年遅れで厄年が来た感じ。
 
 朝食は紅茶、アーモンドミルク、キウイ、チーズ、ジャムトースト。

 BGMにアンリー『2Times』谷山浩子『穀物の雨』ミッシェルガンエレファント『トカゲ』など。

 午前中は映画を観る。ダスティンホフマン主演『小さな巨人』。
 
 インディアンの歴史をあつかった作品だが、重いテーマをあつかいながらも、軸はコメディというのがすばらしい。
 
 特にラストの「メシ食いに行こうぜ」「アイツ、馬とヤッてるのはどうかと思うな」が最高で感動。

 「最後の一撃」で人生の本質をつくという意味では、今敏監督の『千年女優』と双璧。
 
 そういや昔、なんかのマンガでやはりインディアンをあつかってた話があったんだけど、こっちはドがつく「お涙頂戴」ノリでウンザリしたことも思い出す。

 なんとなくパソコンのキーボードをそうじして、昼食。ニラ玉、納豆、ご飯とモヤシの味噌汁。
 
 午後からはコーヒーを飲みながら、ひたすら読書

 米澤穂信本と鍵の季節』読む。米澤流のビターな青春もの。

 細やかな作りの本格で、読んでいてしっくりくる。とりあえず、新刊が出たら即ポチなのはこの人と森見登美彦
 
 夕方は買い物がてら、少し散歩笑福亭松喬師匠『崇徳院を聴きながら、近所を1時間ほど歩く。
 
 夕食は冷蔵庫の中の残り物をなんでも放りこんで、チャーハンを作る。
 
 タマゴ、トマト、山菜のナムル、大根おろし、レバーの焼鳥、キムチなど、一貫性もなくまぜこぜ。味はまあ、うまくはないわな。
 
 食後はパソコンを開く。お茶しながら、YouTubeラジオなど。
 
 今年はお笑い系のものばかりあさっていて、黒帯会議を追いかけていたら、今まで知らなかった関西芸人を中心に、たくさん知れて楽しかった。
 
 M-1準決勝進出の鬼としみちゃむシシガシラ(敗者復活はおもしろかったネ)、ヤング風穴あけるズ軍艦とかとか。

 山下ギャンブルゴリラってすごいワードセンスだよなあって感心してたら、命名はニッポンの社長君だとか。道理で。
 
 もちろん黒帯の漫才も見る。「拾った財布」「ホームランの約束」。オレは寿司より王将5回やな。

 寝る前に少し読書。中野好夫『世界史十二の出来事』。
 
 高校生の時以来の再読かも。『アラビアのロレンス』とかおもしろく読んだなあ。
 
 中野先生といえば立命館を受験したとき現代文で『悪人礼賛』が出題されて、読んだことあったから吃驚したことが。
 
 でもそのときは現役受験で全然勉強してなかったから、チャンスを生かせず落ちたのだ。
 
 もっとも私は本好きのくせに国語成績悪いタイプだから(読書あるあるです)、どっちにしても同じというか、むしろ読んだ経験が不利になってたかも。
 
 本を「楽しく読む」私のようなタイプは「論理的に出題者の書いてほしい解答を読み取って書く」というのが苦手極まるのだよなあ、とかブツブツ言いながら眠りに落ちる。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「おっぱい ぽよん歯科」をめぐる冒険 その4 なぜ「キミのための歯医者さん」に頼まなかったのか?

2023年11月09日 | 日記

 
 前回の続き。
 
 歯医者で歯石を取ってもらってると、過去にあったある歯医者の都市伝説が思い出された。
 
 それが、漫画家の桜玉吉さんも遭遇した


 
 「おっぱい ぽよん歯科」

 

 


 


 これを体験したことがあると言うと、友人ヒゴバシ君から、
 
 
 「それって胸やなくて、お腹なんとちゃうの?」
 
 
 まさに「の宣告」ともいえるこの言葉にうろたえた私は、そのような悲劇があってはならないと真剣に検証してみることにした。
 
 というと女性読者からは『古事記』におけるイザナミのような
 
 
 「あなにやし、えをとこを」(現代語訳「ああ、なんと素晴らしい男性だろう」)
 
 
 のごとく、
 
 
 「あなにやし、えろをとこを」(現代語訳略)
 
 
 とでも驚嘆されそうだが、カン違いされては困る。 
 
 私にそんなセクハラのような意図はなく、純粋な学術的調査であり、その証拠に歯石取りのときも、
 
 
 「私はなにも期待するところはないので、当てないでくださいね、絶対におっぱいを当てないでくださいね」
 
 
 そう主張する気は満々なのだが、こうなるとなぜか『十二人の怒れる男』たちに熱くディスカッションされそうで、それも困ったものなのだ。
 
 こういうときネット社会は便利で、youTubeで検索してみると、これをあつかった歯科医歯科衛生士さんのチャンネルが見つかった。
 
 前回は衛生士さんが2人でやっている「キラピカteeth」さんの動画を観たが、今回はまた別のもの。
 
 歯科医の鹿乃さやか先生と、歯科衛生士の緒方まりこさんによる歯科ユニット。
 
 その名も「キミのための歯医者さん」。通称「キミ歯科」である。
 
 ここで言うことには、のぞきこんだときや、遠くのものを取るときに当たるのは、全然あるとのこと。
 
 やはりあるのだ。
 
 そこを、あれはお腹だなどというデマゴーグはいかがなものか。
 
 こういう間違った情報を流布させることから、悲惨な戦争虐殺が起こるということを、ヒゴバシ君は歴史から学ぶべきだろう。
 
 もっともこれはだったりとか、あるいはせいぜい「みぞおち」のことも多く、フェイク情報には気をつけなければならない。
 
 あと、緒方さんによると、奥に設置された器具などを取るとき、つい「お尻」があたってしまうことがあるとか。
 
 
 
 これは予想外であった。
 
 ここまでのチャレンジャー教授のような勇気ある探索は、あくまで目標がおっぱいのぽよんであった。
 
 ところがここに伏兵があらわれた。
 
 本来なら、おっぱいだけでも大きな財宝となるのに、そこに臀部までが参戦するとは!
 
 この開拓は私が思っていたよりも、奥が深いのかもしれない。
 
 まりこさんによると、「気づいてないことが多い」そうで、そこがまたいいといえばいい。
 
 こっちはわかっているのに、むこうは無自覚なまま。
 
 その秘密が背徳感を生んで、ますます夢は広がるばかりだ。
 
 お尻はイスに当たって気づくことが多いし、そもそも治療中ぶつかったら危ないから、そんなラブコメマンガみたいな「ムギュウ」なヒップアタックこそないものの、参考にしておきたい談話ではないだろうか。
 
 なんてこんなことばっかり言っていると、私が破廉恥な男であるような印象をあたえそうだが、そうではない。
 
 キミ歯科のまりこさんも、さやか先生も、ともに当たると
 
 
 「なんか、幸せな気持ちになる」
 
 
 とのことであって、女性にだって癒しをあたえられるのだから、われわれは堂々としていいのだ。
 
 あと、前回「キラピカteeth」さんの動画で、
 
 
 「患者さんに安心感をあたえるため、胸に詰め物をして当てながら治療する」
 
 
 という衛生士さんの話が出たが、これには
 
 
 「さすがに、それは偽物ってわかるやろ」
 
 
 なんて笑ってしまったけど、キミ歯科の検証によるとこれは、わからないらしい。
 
 タオルを詰めてフニフニやっても「おっぱいや」ということで、判別は困難なのだ。
 
 となると、結局のところ角度的に肉眼で確認できないわれわれ患者からすれば、やはりどこまでも、お腹やみぞおちなどの「影武者疑惑」がまとわりついてくる。

 とは、その手につかめたと思った瞬間に、するりと離れていくものなのか。

 まるで、こちらをあざ笑うかのような幻術師たちのイリュージョン。
 
 く、われわれの負けか!

 膝を屈しそうになったが、ここに、さやか先生がこんなことを言ってくださった。
 
 
 「おっぱいだと思えば、それがおっぱい」by鹿乃さやか
 
 

 この瞬間、暗闇から一筋のが差した。

 なんという力強い至言であろうか。
 
 これにくらべれば、世間でもてはやされているエジソンニーチェの「名言」など、子供の落書きと同じである。
 
 おっぱいだと思えば、それがおっぱい
 
 たとえ偽言に心を乱されようとも、そのときはこの言葉を思い出し、誇りをもって堂々と「ぽよん」を味わいたい。

 いくつかの美しい発見があったこの冒険は、ひとまずここで、おしまいにしたいと思う。

 途中はどうなることかと心配したが、最後はハッピーエンドで締めくくれて、今はさわやかな充実感につつまれている。

 昨今、様々なところで日本の閉塞感を味わうことも多いが、

 

 「あきらめず、不屈闘志でもって戦えば、必ずや道は開ける」

 

 この国の将来を惑う若者たちに、そう伝えたい。

 俺たちの熱い夢と戦いは、まだ始まったばかりなんだという、そんな想いで胸がおっぱ、いっぱいなのだった。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「おっぱい ぽよん歯科」をめぐる冒険 その3 「ゆうひ」と「ゆき」でキラピカteeth、ただいま参上!

2023年11月08日 | 日記

 前回の続き。
 
 歯医者で歯石を取ってもらってると、過去にあったある歯医者の都市伝説が思い出された。
 
 それが、漫画家の桜玉吉さんも遭遇した
 
 「おっぱい ぽよん歯科」
 

 

 

 

 これを体験したことがあると言うと、友人ヒゴバシ君から、
 
 
 「それって胸やなくて、お腹なんとちゃうの?」
 
 
 まさに「の宣告」ともいえるこの言葉にうろたえた私は、そのような悲劇があってはならないと真剣に検証してみることにした。

 一番いいのは実際に歯医者に行って衛生士さんに、
 
 
 「あなたのおっぱいは、私の体に当たっていますよね?」
 
 
 そう尋ねることだが、これはなにやら「俺たちスーパーポリスメン」の出動がかかりそうである。

 こういうときネット社会は便利で、YouTubeで検索してみると、これをあつかった歯科医歯科衛生士さんのチャンネルが見つかった。

 ひとつは「ゆうひ」さんと「ゆき」さんという衛生士さんが2人でやっている「キラピカteeth」。
 
 お二人によれば普通は当たらないし、基本的には男子が期待するような「当てに行く」こともないが、新人さんで姿勢が悪かったりすると、これはたまにヒットすることもある、とのこと。
 
 これには光明が指す思いがした。
 
 「ある」ではないか。
 
 まだ仕事に慣れていないと、どうしても口の中をのぞきこむのに前かがみになってしまい、そこでヒットがある。
 
 なれてくると背筋を伸ばして、また奥の方もミラーをうまく使って仕事ができるから当たることはないが、それでも「姿勢悪くなってるよ」と先輩から注意が入ることもあるという。
 
 あるやん! あるのだ、ある、ある
 
 たとえそれが技術の不慣れゆえとは言え、本当に存在するのだ。

 ヒゴバシ君、ここに敗れたり

 こういうことがあるから、今の世はたとえウルサがられても「エビデンス」を求めるのだ。

 私の言うことが事実と証明されて感無量である。見たか友よ、これがオレ様の実力だ。ひれ伏せ、愚民ども! 
 
 さらに言えば、例外的なものとして患者を安心させるため、タオルを入れて当てていた人もいたという。
 
 偽物ではあるが、その心遣いはうれしい。
 
 結構、マジでやってほしいかも。オプション料金払います。

 その際は、最悪タオルでいいけど、

 

 「詰め物してるんですよね?」

 

 と聞いたときには、

 

 「さあ、どっちかしらね?」

 

 妖艶に微笑んでいただきたいものだ。
 
 あと、お気に入りの患者に当てようとした衛生士さんもいたらしく、そんなマドンナメイトみたいなこともあるんやと夢は膨らむが、


 
 「けど当たらなかった」


 
 らしく、不可抗力はあれど、いざ自分でやろうとするとムズカしいというのが、おもしろいではないか。
 
 こうして私のねばり強い調査により、おっぱいぽよん歯科は「存在する」ことが証明された。
 
 これからもわれわれの前途は、洋々と開けていると言えよう。全国の男子諸君、安心してプレイ……治療を受けてほしい。

 

 (続く

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「おっぱい ぽよん歯科」をめぐる冒険 その2 ヒット・ガールを探せ!

2023年11月07日 | 日記

 前回の続き。
 
 歯医者で歯石を取ってもらってると、過去にあったある歯医者の都市伝説が思い出された。
 
 それが、漫画家の桜玉吉さんも遭遇した


 
 「おっぱい ぽよん歯科」

 

 

 

  

 マルセルプルーストは紅茶にひたしたマドレーヌの香りで、失われた時を求めて過去を思い出すが、私はフッ素のにおいで、もう20年近く前の記憶が喚起された。
 
 現場であるモウル歯科(仮名)で、篠崎愛さんのようなグラマラスな衛生士さんに、フニフニと当てられながら歯を掃除してもらったのだが、これがなかなかオツなものだったのだ。
 
 こんな経験はなかなかできないと、私は人生勝利者として友人ヒゴバシ君にその話をすると、友は「ふーん」とつまらないように言うと、
 
 
 「でもそれって、たぶん胸とちゃうんちゃう?」
 
 
 突然のカウンター
 
 それ、ちゃうちゃうちゃうんちゃう? なにを言い出すのか、この男は。
 
 あれは断じておっぱいである。一体、なにを根拠にそんなことを言い出すのかと問うならば、
 
 
 「それって、胸やと思ってるだけで、実際はお腹とか腰が当たってるって聞いたことあるで。カン違いやないの?」
 
 
 あれはおっぱいではなく「おなか」だった。
 
 来たよ、困ったものである。
 
 昨今、有名人に対する誹謗中傷が問題となっているが、このように世の「成功者」に対する風当たりが強いのは、いつの世も同じ。
 
 「持てる者」にたいして「持たざる者」が憎しみを抱くというのは、人情としてわからなくもない。
 
 カールマルクスを代表とし、現代ではマイケルサンデル教授など、そういった「格差」をなくすべく奔走するのは、人類普遍の課題と言ってもいいだろう。
 
 だが、そういうときだからこそ、「自分はそこに加担しない」という意志の力が大事なのではないか。
 
 世界は不公平である。だからこそ我々は、その矛盾に満ちた世界で、闇に落ちないよう踏ん張るべきなのだ。
 
 「ミイラ取りがミイラ」。友がその罠に陥っているのが、私は哀しい。
 
 そんな人の栄光をうらやむヒマがあったら、もっと自分を高める努力をしたらどうなのか。
 
 「おっぱいぽよん」が妬ましいなら、グダグダ言う前に自らも広い世界に飛び出し、それを探す旅に出るべきではないのか。
 
 などと熱く諭してみると友は、
 
 
 「うーん、でもぶっちゃけ、シャロン君よりオレの方が5倍くらいモテてるし、別に歯医者でなくても、おっぱいには不自由してへんからなあ」
 
 
 おまえよりモテている。
 
 なんという言い草か。
 
 いくら敗北がみじめだと言え、このような詭弁にすがるとは友もいよいよ重症ではないか。

 友の体たらくに愕然とし、このような無礼に対して頑として反論するならば、それはまったくその通りである。
 
 おお、敗北者は私であったか。

 言われてみればヒゴバシ君は若いときから彼女が途切れないタイプで、しっかりと結婚もしており、今でも(以下、友の家庭の平安に関わるので略)という現役バリバリ男だ。

 5倍どころか、私より5万倍はモテている。おっぱいに不自由していない男が、「ぽよん」に対して嫉妬するなどありえない。

 それどころか。歯医者で「しか」それを味わえない私は、まさに負け犬一直線ではないのか。
 
 中には、
 
 
 「オレは口の中をいじられながら、女性の胸の感覚を味わうのが一番だね」
 
 
 という人もいるかもしれないが、なかなかな少数民族であろう。を探すのも大変そうだ。
 
 え? ちょっと待って、それマジ
 
 人にはそれぞれ、人生の礎にすべき成功譚がいくつかあるはずだ。
 
 部活で全国に出た、一流大学に受かった、すてきな恋人ができた、すばらしい青春時代を送った……エトセトラエトセトラ。
 
 そういう、「あの喜びがあるから、つらいことだってがんばれる」という経験が、私にとっては「おっぱいぽよん」である。
 
 それを失ったとしたら、果たして私は、これからなにを頼りに生きていけばいいというのか。
 
 
 
 (続く

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「おっぱい ぽよん歯科」をめぐる冒険 その1 恐怖の報酬

2023年11月06日 | 日記

 「 "tits" or "bazonga" ,that is the question 」
 ーーーGuillermo Chashapia
 
 
 この世界にはニ派に分裂して起る争いというのがある。
 
 トーリー党ホイッグ党ヨーク家ランカスター家ジロンドジャコバンNSDAPドイツ共産党
 
 派と派、きのこ派とたけのこ派、ドラクエFFこしあんつぶあん居飛車党振り飛車党

 といった面々が、今でも各地で血で血を洗う抗争をくり広げているのだ。

 かくして今回、私もこの党派争いに奇しくも巻きこまれることになるのだが、事の発端は歯医者であった。
 
 先日お伝えしたように、歯に違和感を感じた私は歯医者へと出向き、あれこれと治療をしてもらった。
 
 その様は、実に勇敢な戦いぶりであったというのはこちらに書いた通り。
 
 あんなものは「八紘一宇」「本土決戦」の精神で戦えばなんのことはないのであり、歯医者が怖いというキッズたちは見習うようにしてほしい(大本営発表)。
 
 でだ、そんな歯医者戦記の中で、ふと思い出したのが、もう今から20年近く前に行ったモウル歯科(仮名)。
 
 当時、モロッコを旅行中、歯痛に襲われた私は帰国後さっそく歯医者に飛び込んだ。
 
 親知らずが虫歯になっただけでなく、ボロボロになって中央部からパッキーンと割れる大惨事であり、このときばかりは手の施しようもなく抜歯することに。
 
 その際、ついでに歯のクリーニングもしていただいたのだが、その歯科衛生士さんが問題であった。
 
 いや、仕事自体は悪いところはないのだが、気になったのが、衛生士さんの体形
 
 彼女は非常にふくよかというか、グラマラスであった。
 
 具体的にはグラビアで活躍されている篠崎愛さんのようであり、その包容力のある感じがインパクト大だ。
 
 というと、もうカンの良い方はおわかりであろう。
 
 そう、「当たる」のだ。
 
 なにが、「おっぱい」がである。
 
 彼女がぐっと身を乗り出したり、奥の歯をこそげるために体をひねったりしたとき、ムギュっとくるのだ。
 
 マンガ家の桜玉吉先生言うところの「ぽよん歯科」というやつである。

 

 


 
 
 
 


 これには深い感動をおぼえた。
 
 もちろん、男子として単純に「ぽよん」が心地いいというのもあるが、それ以上に、
 
 「ホンマにあるもんやな」
 
 という発見のおどろきというか。
 
 世には様々な「聞いたことはある」というがあって、
 
 
 「イギリスのメシは毛が抜けるくらいマズイ」
 
 「東大生は学校を訊かれると《一応、東大です》と言う」
 
 
 などなどは私も実際体験して「ホンマなんやなー」と思ったものだが、これもそのひとつである。 
 
 まさに「地動説の証明」「進化論の出現」「トロイア遺跡出土」に匹敵する発見であり、私はこの
 
 
 「おっぱい【ぽよん】歯科は都市伝説ではなかった」
 
 
 という事実に感無量であった。ラピュタは本当にあったのだ。
 
 このことはぜひ後世に書き残さねばらないと、今回こうして筆を執っているところだが、ここで少々横やりが入ることとなった。
 
 それを聞きつけた友人ヒゴバシ君による、ある別の仮説が忽然と現れたからだ。
 
 (続く

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドリル・ア・ホール・スパーク歯医者戦記4 地底への挑戦

2023年09月15日 | 日記

 前回の続き。

 歯医者で名前を呼ばれ、いよいよ絶体絶命となった歯が痛い私。

 もうここまでくれば腹をくくるしかないが、まずは歯科衛生士さんと軽く質疑応答。
 
 次に放射能を浴びながらレントゲン写真をパシャリと撮って、次は口を大きく開けて、カメラで直接カシャリ。
 
 一通り終わったところで、先生がやってくる。
 
 年のころなら30代後半のまだ若い先生。これまたマイルドな雰囲気で、圧のようなものがまったくない。

 昔は歯医者にかぎらず、いろんな施設の人が横柄だったりして不愉快だったが、時代が変わってありがたいことだなーとか思いながら診てもらうと、やはり歯茎炎症を起こしているようだ。
 
 虫歯がなかったのは幸いで、とりあえずブラッシングの指導を受け、歯茎にいい歯磨き粉の話など聞いた後は歯石取りをやってもらう。
 
 作業は丁寧で痛みもなく、リラックスしてクリーニングしてもらう。なんて楽ちんなんだ。
 
 ここまでやって、他の個所については少し様子を見ようということになったが、先生が言うに、ひとつ気になったのが左上中央部の歯。
 
 以前、虫歯の治療をしたところだが、かぶせ物の調子が悪いらしく、メンテナンスをした方がいいと。

 その際、少し削ることになるが大丈夫かという。
 
 削るが大丈夫かと訊かれれば、そんなものは全力で大丈夫ではないに決まっているが、なにかこう、そこには全体的に先生の


 
 「治療しますよね?」


 
 というが感じられて遺憾である。
 
 好感度大な先生にそう言われては、うんと言わざるを得ない。
 
 嗚呼、げに悲しきはNOと言えない日本人である。
 
 もちろん、詰め物が弱っているなら、そこを治してもらうのは正義である。
 
 しかしなあ、それでもなあ……。
 
 とか逡巡しているうちに問答無用で治療椅子が、オーストリアの首都のような音を立てて下がっていく。
 
 手際よく治療用の道具が並べられる。なにがどうということはないが、ふとコーネルウールリッチのサスペンス短編『死の治療椅子』が思い浮かぶ。
 
 先生はさわやかな笑顔で「はい、口を開けてくださーい」と伝えてくるところでは、
 
 
 『マラソンマン
 
 『キラー・デンティスト
 
 『リトルショップ・オブ・ホラーズ
 
 
 といったマッド歯医者の大活躍する映画の映像が、脳内を断片的にグルグルと回り始める。

 『ウルトラマンA』に出てきた、世界一行きたくない歯医者であるQ歯科のお姉さんとか。
 
 なにやら自分が、とんでもないに陥っているような気持ちになってきた。
 
 一体、なぜこんなことになってしまったのか。刑事さん、そんなつもりはなかったんです。真珠湾なんか奇襲するつもりはなかった。

 そんな思いもかまわず先生は「ヤツ」のスイッチをオンにした。
 
 耳をつんざくような回転音
 
 ちなみに、こういうとき島田紳助兄さんは
 
 


 「病院で胃カメラとか、しんどそうな治療をするときには、《そういうプレイ》やと思って受けるのがええんや」



 
 
 その必勝法を語っておられて、はじめて聞いたときは、
 
 
 「天才あらわる!」
 
 
 感動に身を震わせたものだが、残念なことに私はっ気がまったくない人間なので、この手管は使えないのだった。
 
 嗚呼、神さま。もし運よく次も人間に生まれ変われることがあったら、ぜひとも生粋のドMに仕上げてください。
 
 もちろん、この一連の態度はビビっているわけではない。
 
 私の強靭な精神力をもってすれば、歯の治療などいかほどのものでもないのだ。
 
 だが、そこは『るろうに剣心』世代の人間として、を人に向けるなどもってのほかという《不殺》の信念へのリスペクトであって、あのやっぱり今日は……。
 
 
 NONONONONONONO!
 
 
 ……ふう、たいしたことはなかった。
 
 私のような幾度も修羅場をくぐってきた猛者にかかれば、この程度の責め苦など、たいしたものではな……。 
 
 
 POPOPOPOPOPOPO!
 
 
 これにて治療は終了。
 
 やはり、たいしたことではなかった。これをお読みの読者諸兄の中には、


 
 「いや、メッチャ声出てましたやん」


 
 などとツッコミを入れてくる人もいるかもしれないが、


 
 「痛かったら手をあげてくださいね」


 
 との指示に固ま……クールで微動だにしなかった男に嫉妬する、みじめな人生の敗北者なのであろう。
 
 これで、とりあえずやっておくべきことは、やってもらった。
 
 ひとまずは安心で、危機にも雄々しく臨む私の態度に、きっと女性ファンも感動しているに違いない。
 
 これにてミッション終了であり、私は帰りに渡された「お客様アンケート」の用紙に、
  
 
 「今日はこれくらいにしといたるわ」


 そう書き残すと、そのまま風のように消えたのであった。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジェットモグラ歯医者戦記3 モーターライズでパワー3倍

2023年09月14日 | 日記

 ついに歯医者に行くこととなった。
 
 そんなもん、違和感あった時点ではよ行けよという話だが、こう見えて私も多忙な身。

 仕事や雑用、あとフィジェットキューブをカチャカチャするのに忙しく、なかなか時間も取れないのだ。
 
 そこで前回は歯痛に対して、


 
 量子力学のコペンハーゲン解釈


 
 で対抗し、まさに木村一基九段佐々木大地七段かという怒涛のねばり腰を見せるも敗北。

 こうなるともう、さすがに打つ手はないか。
 
 よし決めた。全国1千万のファンのためにも、ここはしっかりと歯を治すことにした。
 
 私はここに歯痛撲滅計画、その名も「ベルシダー作戦」を始動。
 
 嗚呼、なんという決断力、驚嘆すべき勇気
 
 時は来た。皇国の興廃この一戦にあり。おお、天気晴朗なれども猫ひろし。
 
 必ず勝ちます、一人一殺、さらばラバウルよ。諸君は総力戦を望むか! よ起きよ!

 ということで、しっかり歯磨きをしたうえで、駅前にある平安京歯科(仮名)に出かける。
 
 いろいろ聞いてみたところ、昨今の歯医者はどこもきれいなところも多く、また歯科医も親切で、痛い治療もなるたけ避ける傾向があるという。
 
 なるほど、それなら安心であり、実際この平安京歯科も普通のの歯医者にもかかわらず、オシャレなカフェのような清潔さであった。
 
 待合室にはリラックスできるヴァイオリン曲が流れており、受付の歯科助手さんも温和で、非常に快適である。
 
 なーんや、こんなことなら、もっと早く来ればよかったやん。
 
 すっかりくつろいだ気分で、ハンヌライアニエミ量子怪盗』など読みながら待っていたのだが、その平和な静寂はすぐさま破られることとなったのだ。
 
 みんな大好き、「アレ」の音である。


 きゅおうおつえおうえおいるえいjklgjlk!!


 その瞬間、待合室の電球がうっすらと暗くなったように思えた。
 
 特にどうということはないのだが、なにやらカーテンの奥で


 
 「あってはならないことが起こっている」


 
 という気にさせられるのだ。
 
 さらにそこから、カエルをひきつぶしたような
 

  ぐおごげぐごげええれえええjごいてゅfgry!!!!
 
  
 などといった声にならない声が聞こえてくるにあたっては、頭の中で「退くことも勇気」という言葉がこだまする。
 
 また、さらに場の空気を重くするのが子供の存在だ。
 
 待合室にはお母さんと一緒に来た、小学校低学年の男の子がいたのだが、これがもう実に悲痛な表情でイスに座っているのだ。
 
 そもそも私もかつてそうだったが、ガキ歯医者というのはウナギ梅干してんぷらかき氷のごとく、食い合わせは最悪
 
 ドリル音がするたびに、ビクッと小さく反応し、こぶしを握り締め、ときおり身も世もないというため息をつくにおよんでは、


 
 「え? 明日、この世界は終わるん?」


 
 とでも訊きたくなるほどに悲壮な雰囲気で、やっとられんのである。ハンガリーのシャンソン『暗い日曜日』でも流したろうかしらん。

 もう、気分は完全にこんな感じである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
 そんな精神攻撃の嵐を喰らって、もうよっぽど


 
 「今日は水着美女たちが車を洗ってくれる映画『ビキニ・カー・ウォッシュ』を観ないといけないんで帰ります」


 
 とバックれたかったが、ちょうどそのタイミングで名前を呼ばれてチャンスを逸した。
 
 いよいよである。なにかもう「赤紙が来た」といった空気感だが、行くしかない。
 
 今から醤油の一気飲みをしても遅かろうと、丹田に力を入れ、「押忍!」と一声かけて堂々と治療椅子に座った。
 

 (続く

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

猫のゆりかご歯医者戦記2 コペンハーゲンより愛をこめて

2023年09月08日 | 日記

 は痛いけど、なかなか歯医者に行くことができない。
 
 それは決してドリルにビビっているわけではなく、不正を憎む正義の心ゆえのことであることは前回、私の見事な論理により証明された。
 
 ということで、残念ながら今回もスルーであるかとホッ……傷心に打ちひしがれながらも、とりあえず今日も歯が痛い。
 
 というと、
 
 
 「だからぁ、とっとと歯医者行けばいいじゃん」
 
 
 などと、あきれられる向きもあるかもしれないが、前回も言ったように私は休みの日でも多忙を極めるのだ。
 
 最近では仕事や雑用の合間をぬって、グラビアアイドルがサウナ汗まみれになっている動画を見るのにいそがしく、そこまで手が回らないのが現状だ。
 
 いわば、いにしえのモーレツ社員ワーカホリック状態であり、「働き方改革」はどうなっているのかと政府に問いたいほどだ。
 
 さらにいえば、歯が痛いからと言って、安易に歯医者に行ってもいいものだろうかという問題もある。
 
 そんな反射のような行動にはクリエイティビティが感じられず、そういうにハマった発想こそが、今の日本経済の停滞を招いているのではないか。
 
 そこで社会派を自認する私も
 
 「まず歯医者」
 
 という思考停止を疑ってかかり、の手段を模索したいということで、様々に頭をひねってみた。
 
 そこで、今回採用してみるのが量子論だ。
 
 参考にしたのはレイヴクサヴィッチ月の部屋で会いましょうに収録された「彗星なし」(原題『ノー・コメット』)という短編。
 
 小説の冒頭で主人公ティムは家族に対して、から紙袋をかぶるように言う。
 
 なんでそんなことをするのかと皆がいぶかしがる中、彼が説明することには、もうすぐ謎の彗星が地球に衝突し、この世界は滅亡するという。
 
 突然の破滅に対して、ティムが対抗策として持ち出したのが、
 
 
 「量子力学のコペンハーゲン解釈」
 
 
 「シュレディンガーの猫」で有名なこの仮説。むずかしいことは私もよくわからないから、ここにムチャクチャにザックリと説明すると、
 
 
 「見ていないもの、というのは存在しない」
 
 
 ということらしくて、だったら頭から紙袋をかぶって彗星を見なければ、


 
 「そんなものはハナから存在しないんだよーだ、やーいバーカ!」


 
 ということになるのだ。
 
 彗星が存在しないなら、衝突からの滅亡もないわけで、世界は救われる
 
 これで、わざわざ南極に地球移動ロケットエンジンも作らなくてよければ、なんと安上がりなことか!
 
 まさに天才的な発想であり、さっそく私もこれを取り入れようと、いつもお世話になっているしまむらの紙袋を用意してクライシスに備えた。
 
 今回のターゲットは固いものを噛むと少し痛む右下奥歯と、熱いものをふくむとピリッとする左上犬歯である。
 
 特に熱いものに反応するのは、相当に悪くなっているとグーグル先生Chatgpt師匠に諭されているため、これをドリルなしで切り抜けられるのはありがたい。
 
 ニュートン力学、敗れたり!
 
 ということで、目隠しした状態でとりあえず好物の塩せんべいと、揚げたてのチキンナゲットをいただくことに。
 
 もちろん、ふだんなら患部に激しく触れないよう警戒しなければならないが、敵の存在を丸ごと消し去ってしまうこの「リルル作戦」の発動により、そのような恐れはなくなった。
 
 ということで、鼻歌でも歌いながらバリッ、もぎゅっと口に放り込んで、


 
 POU!


 
 ……とりあえず、痛かった。

 
 おかしい。量子論的には目隠しをしたことによって、虫歯知覚過敏はあのシュレディンガーの猫のごとく、


 
 「存在する状態であり、しない状態でもある」


 
 ということになっていたはずなのだ。
 
 ところが、どっこい生きてるシャツの中ではないが、虫歯だか歯周病だか知らないが、痛みはどうしても去ってくれないらしい。
 
 猫、死んどるがな。フォンノイマン敗れたり!
 
 これにはさすが、受験生のころは私立文系だった私もガックリきた。
 
 人類科学の敗北。どうやら自力突破はここが限界のようだ。
 
 口惜しいがポツダム宣言を受諾し、とりあえず歯医者に出かけたいと思う……。
 
 て、いやもうマジで、はよ行けやオマエ。

 

 (続く

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジャスティス歯医者戦記 保険証は忘却の船に流れは光

2023年09月07日 | 日記

 歯医者に行かねばならなくなった。
 
 もともとかなり前から、いろいろと歯に違和感を感じていたのだが、なかなか行く機会がなかったのである。
 
 というと、なにやら私がドリルの音を恐れるチキン野郎であるとか、どこかから
 
 
 「ピッチャーびびってる、ヘイヘイヘイ!」
 
 
 という声も聞こえてきそうだが、誤解されては困る。
 
 私も社会人として忙しい身でもあり、なかなか時間も取れない。
 
 実際、今週も仕事がいそがしかったり雑用に追われたり、あとはトム・クルーズが新作映画のPRで「あつあつおでん」に挑戦する動画を見たりと多忙を極めるのだ。
 
 それでも先月、なんとか時間をやりくりしてクリニックの目の前まではたどりついたのだが、こんなときにまた保険証を忘れていたことに気づき愕然としたりした。
 
 なんとマヌケなと、ほくそえ……悄然としながら受付のお姉さんにその旨伝えると、
 
 
 「大丈夫ですよ、次の診察に持ってきてくだされば」
 
 
 とのことであったが、もちろんそんなわけにはいかない
 
 保険治療を受けるのに、保険証がないというのはこれ一種の不正である。
 
 私もたいした人間ではないが、人生でズルだけはしたことがないという自負があり、これは親の強い教えでもあるのだ。

 中古車販売会社の闇が暴かれ糾弾されている昨今、私もまた同じようなに身を投じてもいいのか。

 否! 断じて否である!
 
 なので、
 
 
 「本当に大丈夫ですよ。先生もすぐに来られますので」
 
 
 そう伝えてくれるお姉さんの笑顔を断固と振り切って、結局その日も帰ることとなったのだ。
 
 これには我ながら、胸にくるものがあった。
 
 なんという気高き男なのか。
 
 保険証なしでもいいという甘言をものともせず、正義を貫くために、その日の治療を泣く泣くあきらめる。
 
 まさに男の中の男であり、現代の獅子心王蒼き狼鉄血宰相マレーの虎革命大天使
 
 このように常に多忙で、またジャスティスをつらぬく心を持った私は、どうしても歯医者に行く時間が取れないのだ。
 
 などと丁寧に説明していると、なんだそれは、やはりただビビっているだけではないか、という意見があがってくるかもしれないが、これぞまさに完全なる誹謗中傷である。
 
 昨今はネット上でのネガティブコメントが問題になっており、識者も対策にいそしんでいるという。
 
 私もまたそういう悪意には決して負けない男であり、とりあえずデントヘルスRを山盛り歯茎にぬりながら、悪には断固として、法的処置を……あいててて(泣)……取る所存である。


 

 (続く

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏休みアガペー日記 モーツァルト ルイ・マル 山田五郎 おおうちそのよ 登場

2023年08月12日 | 日記

 8月。ある夏休みの日記。

 朝10時起床。
 
 シャワーを浴びて、とりあえず野菜ジュースとインスタントのコーヒー

 なにげなくTVをつけると、NHKに「猛暑日」「熱中症注意」という赤文字の注意喚起が出ていていたんだけど、その同じ画面で高校野球を放送してるとか、なんのブラックジョークかとしばし黙想。
  
 朝食に紅茶、バナナ豆乳シリアル米粉パン。食べながら「OLか」とひとりでつっこむ。 
 
 食事中には優雅に音楽モーツァルトアラビア風にアレンジした『モーツァルト・イン・エジプト』。
 
 正直アラビアが強くてアマデウス感は少な目。でも企画はおもしろい。

 午前中はDVDを観る。『地下鉄のザジ』。
 
 ルイマルのスラップスティックで、パリを舞台に前半は『ウルトラマン』の「無限へのパスポート」で、後半はドリフという内容。最高
 
 なんとなくエアコンの掃除をして、昼食。エジプトつながりでコシャリを作る。

 見よう見まねだが、バターライスマカロニをぶつ切りしたものと空豆(本場ではレンズ豆)を乗せ、トマトソースをかけ、あとはテキトーに塩コショウとで味付け。
 
 エジプトソウルフードで、関西人も吃驚な炭水化物おばけ。
 
 かの地を旅したときは、50円くらいでお腹いっぱいになって、貧乏バックパッカーにはありがたかった。嗚呼、また行きたいぜ。

 食後は少し昼寝。午後からはコーヒーを飲みながら、ひたすら読書
 
 ロバートマキャモン少年時代』。ムチャクチャ分厚い「弁当箱」本だけど、ムチャクチャおもしろくてドンドン読む。
 
 ノスタルジーSFファンタジーのうまみが上手くミックスされ感動。映画版『スタンドバイミー』やレイブラッドベリが好きな方は絶対楽しめます。

 気がつけば夕方。散歩がてら、近所のスーパーへ。夏休みのせいか、若夫婦が多く、独身貴族の私はちょっとうらやましい気分になったり。
 
 とはいっても、私は若いころから結婚願望というものがまったくない男で、
 
 「結婚いいかも」
 
 とか感じた時間て、のべで40分くらいだと思う。
   
 夕食。ご飯を炊いて豚キムチを作って、インスタントの卵スープ。汗を大量にかきながらハフハフ食う。
 
 食後は銭湯に出かける。サウナ、水風呂、薬草湯などをローテーションして大いにリラックス。
 
 すっかり仕上がって、夏の夜空に「サッパリしてやったぜ! ざまあみろ!」と意味不明な雄たけびをあげ帰宅。「月がとっても青いから~♪」とか歌ってみたり。
 
 帰ってお茶しながら、YouTubeやラジオなど。

 山田五郎さんの美術ものとか、シベリア鉄道の動画とか、『ドルアーガの塔』のゲーム実況とか。
 
 フランス語の勉強動画なども見るついでにスペイン語とかイタリア語講座も観ていると、うーん仏語より、こっちやったかとか思ったり。
 
 だって、発音が明らかに簡単というか日本人向きなんだもん。
 
 フランス語はおもしろいけど、スペルの読み方とかがなかなか慣れないのだ。

 「une」「heure」とか、メチャメチャ雰囲気で発音してるよ。「ユヌ」「ウーレ」でいいの?
 
 その点スペイン語とかイタリア語は、ホント「日本語読み」でいいんだから楽だ。「日本語英語」のノリでいい。スペルもローマ字読みだしね。 

 寝る前に少し読書。おおうちそのよさんの『歩くはやさで旅したい』。
 
 タイトルがステキすぎるが、中身もグッドで、やわらかいタッチの絵柄が癒される。

 

 

 
 私はごく自然に旅をして、それでいて妙に人を惹きつける魅力を持った人のことを

 「ステキさん
 
 と呼んでいるが、

 「要するにそれって、おおうちさんのことだよなあ」

 とか思いながら眠りに落ちる。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

正月日記2023 サンタラ ショー・コスギ デイビッド・ハルバースタム だいじろー 李姉妹 ヒラリー・ウォー 登場

2023年01月03日 | 日記

 1月 某日 
 
 ある正月の日記。
 
 10時起床。私は夜型人間なので、連休の起床時間としては早い方。
 
 休みの日のひそかな楽しみは朝風呂で、これをやるかどうかで1日の動きが変わるほど。特に寝不足のときは天地の差が出る。
 
 そういえば、昔は「できるサラリーマン」みたいな雑誌の特集でよく
 
 「出勤前にジムで軽く汗を流す」
 
 なんて恐ろしい記述があったそうけど、いつ起きてるの? ようそれで、仕事できるなあ。
 
 もうひとつそういえば、バブル時代のころアメリカではショーコスギケインコスギのパパ)の影響で「忍者道場」というのが流行っていて、


 
 「キミも忍者になろう! 日本人があの過酷な満員電車と残業をクリアできるのは、忍者の修業をしているからだ!」


 
 という広告を打っていたそうだ。
 
 朝食は紅茶、豆乳、バナナ、くるみパン、ヨーグルト。

 BGMにサンタラの『バニラ』。エマーソンレイクアンドパーマー『恐怖の頭脳改革』。『ロマンシングサガ』のサントラなど。 

 午前中は映画を観る。今日はフランス・ベルギー映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』。
 
 世界的ベストセラーを翻訳するため、世界各国から翻訳家が集められ、地下に隔離されるという設定がムチャだが、これが実話だというからすごい。
 
 ケレン味たっぷりなストーリーなので、あまり期待してなかったけど、ミステリ的な仕掛けが各所に散りばめられ、なかなか楽しかった。
 
 でも、ダン・ブラウンの小説(実際に翻訳家が缶詰にされた本)に、そこまでの価値があるとも思えないけどなあ。

 なんとなくベランダをそうじして、昼食。レバニラ炒めを作って、パック飯とインスタントみそ汁。
 
 午後からはコーヒーを飲みながら、ひたすら読書

 私は本さえあれば無限に時間をつぶせる人間なので、人生で退屈というのを味わったことがない。

 今日の一冊はデイビッドハルバースタムコールデストウィンター 朝鮮戦争』。
 
 日本史上では結構重要な事件なのに、いまいちマイナーなイメージのこの戦争。
 
 これが当事者だったアメリカもそうだったらしく、その「忘れられた戦争」を
 
 『ベストブライテスト
 
 『さらばヤンキース
 
 など出す本すべて名著というデイビッドが、骨太な筆で描いて行く。
 
 メチャクチャにおもしろくて、まりまり読みまくる。上下二巻で内容的にもヘビー級だけど、そう感じさせないリーダビリティはさすが。
 
 夕方は買い物がてら、少し散歩。米朝師匠の落語を聴きながら、近所を1時間ほど歩く。

 今でもずーっと「同じ噺」をやり続ける今の落語家に、どういうレゾンデートルがあるのかなとか考える。
 
 夕食は胚芽パンにハム、チーズ、ツナなど適当にはさんでシンプル・サンドイッチ。カツオとキャベツのサラダ。コーンスープ。
 
 アメリカの小説などに、よく


 
 「パンにクリームチーズと、ピーナッツバターにグレープジェリーをはさんだサンドイッチ」


 
 なんて出てきて、すんげえおいしくなさそうと思うんだけど、実際のところどうなんだろう。試してみたいけど、勇気がない。

 食後はパソコンを開く。お茶しながら、YouTubeやラジオなど。
 
 最近は語学系YouTubeにハマっており、中国語の李姉妹や、英語の発音をあつかっただいじろーさんがお気に入り。
 
 もともと語学エッセイなどが大好きで、学生時代にはドイツ文学を専攻してふつうにガチでドイツ語もやってたけど、これで妙に語学熱が再燃
 
 それでもって、なぜかフランス語をはじめるという暴挙に。スペイン語と相当迷ったけど、ドイツ語やったら次はフランス語かなあとか、安易な決め手。

 といっても、1日15分ほどアプリで遊ぶだけだけど、3か月もやると簡単な平叙文なら読めるようになってきたから、なかなかのものである。
  
 ちなみに、英語コンプレックスがある人は、英語以外の外国語を勉強してみることをオススメします。
 
 それによって、英語っていうのが別に特別でもなんでもなく、
 
 「数ある外国語の中のひとつ」
 
 にすぎないという当たり前のことがわかって、英語という存在が相対化されるから。

 要するに、視野が広くなる。これマジで。

 寝る前に少し読書。ヒラリーウォー事件当夜は雨』。
 
 「警察小説」ってちょっと苦手なんだけど(『87分署』シリーズとかもほとんど読んでない)、食わず嫌いはよくないので手に取ってみると、これがおもしろい。
 
 すごい地味な内容なんだけど、それが静かにサスペンスフルで引きこまれる。
 
 老後はこういう古典のミステリや、SFをダラダラ読みながら過ごせたら最高だなあとか夢想しながら、そのまま眠りに落ちる。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2022年ラストラン

2022年12月31日 | 日記

 2022年も、もうすぐおしまい。

 私はこの年末年始ゴロゴロ時間が大好きで、このときのために1年がんばっている(たいしてがんばっていない)ようなものである。

 仲のいい友人との忘年会以外は、なにも用事を入れず家でおこもり。

 ひたすら本を読みながら、たまに映画を観て、昼寝して、散歩して、気が向いたら銭湯に行って。

 湯上りに濃いめのカルピスを飲みながら、おこたでラジオを聴いて、自転車ロードレースやテニスを見ながら、気がつけばまた眠っていたり。

 『ファーゴ』のシーズン2を観るのが楽しみなんだよなあ。

 最近ようやく見たのよ1を。おもしろかったなー。ああいう「大暴れドラマ」は大好き。

 ということで、今回はぷよぷよ頭で今年を振り返っておしまい。

 とりとめなんかないので、こんなの私の顔ファン以外は全然読まなくていいです。では、ドン。

 


 ヨーロッパの映画やドラマをよく見た、フィジェットキューブを買った、岡田斗司夫のスマートノートを再開する、語学系YouTubeにハマる、子供のころセーブデータを吹っ飛ばした『ドラクエ3』をこの歳でやり直してやっとクリア、『ドラゴンクエスト2』も何十年ぶりかで再プレイするもムチャクチャ不条理で笑いそうになる、兵動さんとウェザーロイドの漫談打率がすごすぎる、なぜかフランス語をはじめる、『ジョーカー』『セッション』は好き嫌いに関わらず一度は観るべき映画、孔明の出ない回の『パリピ孔明』なんてジャック・ニコルソンの出ない『シャイニング』みたいなもん、ネットとリアルの両方で変な粘着にからまれる、DEEPLとかエルサスピークとか英語アプリがすごすぎ、『ジャイアントキリング』を一気読みする、とりあえずバナナと豆乳と卵と納豆とドライフルーツ入りナッツを食っておけばいい、 『摩由璃の本棚』がkindleになっていたので即買い、「窮屈な社会」という言葉に「そうなった戦犯のひとりに松ちゃんも入ってると思うけどなあ」とか苦笑い、アルカラスのスター性は期待できるがテニスのタイプ的に好みなのはメドベージェフのほう、すっかり寒さに弱くなった、病気や戦争のニュースは苦手だ、来年はたくさん本が読みたい、映画も観たい、そうしてまたたいして変わらない1年を過ごす、それもまたよし。

 


■今年おもしろかった本

 

飲茶『哲学的な何か、あと科学とか』

衿沢世衣子『制服ぬすまれた』

ディック・フランシス『興奮』

樹村みのり『フライト』

J・M・クッツェー『恥辱』

田中真知『アフリカ旅物語』

アーウィン・ショー『サマードレスの女たち』

村田 沙耶香『コンビニ人間』

猿谷要『ミシシッピ川紀行』

ジョージ・オーウェル『動物農場』

小泉喜美子『男は夢の中で死ね』

米澤穂信編『世界堂書店』

広瀬正『ツィス』

 


■今年おもしろかった映画・ドラマ

 

『ブックスマート』

『ジョーカー』

『パンズ・ラビリンス』

『おとなの事情』

『アイアン・スカイ』

『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』

『エスター』

『ラビリンス1945 平和の虚像』

『クリーピー 偽りの隣人』

『ファーゴ』シーズン1

『ウインド・リバー』

『コリーニ事件』

『希望の灯り』

『ジュディ 虹の彼方に』

『インターステラー』

『ドイツ1983』

『ブラウン神父 シーズン1』

 

 それでは、本年はここまで。

 サンキュー、バイバイ!

 また来年。

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゴールデンウィーク日記 スーパータイガー黄金作戦 チャットモンチー カルロス・アルカラス ディック・フランシス 長濱ねる スタンリー・キューブリック 登場

2022年05月10日 | 日記

 ■5月 某日 あるゴールデンウィークの日記

 
 朝8時起床。休日の起き時間としては奇蹟的に早い。

 ちょっと損した気分なのは、寝坊チャンスを一回フイにしたから、とか考える私は、きっと死ぬまで出世に縁がない。

 黄金の日々ということで、ちょっと贅沢に朝風呂。本当は銭湯に行きたいけど、混んでるだろうから家のせまいバスタブで我慢。

 ゆっくり湯につかりながら鼻歌を歌う。曲は『ギャランドゥ』。

 それもヒデキではなく、昔『ヤンタン』でダウンタウン松っちゃんがやってた、へたくそなモノマネ版。われながら、どういうチョイスなのか。

 風呂上がり、うちわであおぎながら濃いめのカルピス。極楽。起床後40分で、すでに仕上がっている模様。すばらしいスタートダッシュだ。

 朝食は紅茶にチョコクロワッサン、はちみつ入りのヨーグルト、ネーブルオレンジ、豆乳。

 BGMにGO!GO!7188『月と甲羅』。チャットモンチー『真夜中遊園地』。Peachy『スーパージェットシューズ』など。

 わが家では昔うさぎを飼っていたので、「あたしはピンクロックなうさぎになる」という歌詞を聴くたび、ほえーっとなる。うさぎはかわいい。うさなら、なおのこと。

 食べながらスマホをチェック。戦争のことは陰鬱になるので、スポーツを中心に。テニスのことなどあれこれ。

 カルロス・アルカラスの大爆発について、地元の先輩ダビド・フェレールがほめまくり。

 今期はリオに、マイアミバルセロナのビッグタイトルも獲得して、世界ランキングは9位。すげえなー。プレーも見たけど、こりゃ本物だ。今後に、期待大。

 現れるものがいれば、去る者もいるということで、35歳のケビン・アンダーソンが引退。

 ビッグサーバーで、派手さはない選手だったけど、ウィンブルドンUSオープンの準優勝はすばらしい戦績。こうしてまた、時代はめぐる。

 午前中は映画を観る。今日はスタンリー・キューブリックの『バリー・リンドン』。3回目くらい。

 スタンリーの中では比較的マイナーというか、長いこともあって賛否両論だけど、私は大好き。

 歴史ものでは、『スパルタカス』がイマイチだったんで、期待してなかったけど、これは大当たり。『博士の』『2001』『時計じかけ』あたりにも負けていない。

 絵がすばらしいし、世界史好きなので退屈と言われがちなストーリーも楽しめた。ダスティン・ホフマンの『小さな巨人』といい、うさんくさい人物の評伝が好きなのかも。

 なんとなく網戸をそうじして、昼食。

 オリーブオイルを熱して、ナス、唐辛子、アスパラガス、その他冷蔵庫のものをテキトーに放りこんで、トウバンジャンと炒める。

 そこに、ゆでたスパゲッティをイン。SF作家の田中啓文さんオススメの簡単スパ。

 食事のBGM代わりに、YouTubeで満州帝国を紹介する動画を見る。

 昭和レトロは楽しい。いーなー、満州帝国を観光したいなー、あじあ号乗りたいぞ。

 そこで殺人事件が起こって、名探偵である私が美人助手と、その謎を解決するのだとか妄想してしまうのが、ミスヲタのサガ。

 助手にはぜひ、長濱ねるさんでお願いします。たまたま見たNHKの「SDGs日記」って番組で、ポーっとなっちゃったよ。メチャクチャかわいかったなあ。

 午後からはコーヒーを飲みながら、ひたすら読書

 私は本さえあれば無限に時間をつぶせる人間なので、人生で退屈というのを味わったことがない。

 ルートヴィッヒ・リース『ドイツ歴史学者の天皇国家観』。
 
 明治時代、東京帝国大学で教鞭をとった、いわゆる「お雇い外国人」の著者が、当時の日本を政治的視点や、人物の評伝、庶民の風俗など様々な角度から描いたもの。

 一時期、われらがバックパッカーの大先輩、イザベラ・バード姐さんの影響で、明治大正の日本を「外国人視点」で書いた本をあれこれ読んだけど、これもその一冊。

 偏見などを極力抑えた、非常にクレバーな文章が並び、それだけでも読んでいて心地よいし、勉強になる。

 夕方は買い物がてら、少し散歩。近所の商店街でお祭りをやっていたので、少し冷やかす。

 子供のころ、祭というのは不思議な魅力があり、友達とたいして美味くもない焼きそばや、りんご飴を食べながらそぞろ歩いたものだが、そんな姿が妙にキラキラと、美化されて思い浮かぶ。イメージはレイ・ブラッドベリ

 子供のころに嫌な思い出とか、そんなにない割には「昔に戻りたい」とかあまり思わないタイプだけど、こういうとき少しだけ、気持ちがわからなくもない。

 もっとも、これは本当の昔ではなく、「のこの気持ち」で彩られたテーマパークのようなものに、戻りたいと錯覚してるだけなんだろうけど。

 きっと、映画とか撮る人って、こういうのがモチベーションになるんだろう。「幻想」に彩られた、本当には存在しない「現実」を再現する。

 存在しない「恋」、存在しない「家族」、存在しない「愛」、存在しない「正義」、存在しない「古き良き時代」……etc.

 夕食は海鮮丼

 スーパーで半額になった刺し身を買って、ご飯を炊いて、そこにわさびと、冷たいだし汁をたっぷり注いで、ノリふって、あとはぶわっさぶわっさとかきこむ。豪華なんだか、貧乏くさいんだか、よくわかんないや。

 食後はパソコンを開く。お茶しながら、YouTubeやラジオなど。

 山田五郎さんの美術講義。もともと美術音痴だったのが、「へー、絵っておもしろいんだなあ」と思わせてくれたのが、山田さんの『知識ゼロからの西洋絵画入門』。

 西洋の美術を、ロジックゴシップで読み解いていく山田さんの手法は興味深くも、実はそれが「正統派」な王道鑑賞法。マジで美術館に行きたくなる。

 寝る前に少し読書。ディック・フランシス『興奮』。

 夜寝る前に、オモシロ本を手に取ってしまうのは悪手なんだけど、ここでもやらかしてしまった。

 ミスヲタのくせに、「競馬シリーズ」は恥ずかしながら初めてなんだけど、いやもう、ストーリーはいいしキャラもシブいし、も読みやすいわで、文字通りの「興奮」でやめられない止まらない。

 やっちまったよと夜も更けるが、明日も休みなので問題なし。

 徹夜本に、なにはばかることなく、どっぷり浸れる幸せ。嗚呼、ゴールデンウィーク万歳! 終わらないでほしかったよ。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする