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前世紀は、路上散髪屋をよく見かけたが、最近ほとんど見かけなくなった。雨露をしのげる程度の散髪屋や屋根のない路上のみで営業している店も多かった。
1995年に初めて上海に上陸し仕事の終わった数時間、上海の路地裏を30分ほど歩いた時、路の交差点の路上散髪屋が20件連続して営業している光景を見た時に、この路地裏をテーマに撮りたいと思った。
横一列に路上で散髪をしている光景は壮観だったので、是非パノラマで撮りたいと思っていたが、結局最後まで見つからなかった。
この路上散髪屋のカット料は、15年前に約10元(当時約150円)だったが、おそらく今も変わってないだろう。
2005年撮影
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旧城内にある友人宅で撮らせてもらった写真。写真が撮られたのは、1950年代なのでモノクロで撮影し人着(人工着色)しカラーに見せている。
1950年代の写真館で撮られたものだろうが、人着技術はすばらしい。これら古い写真を見る度に、自分が写真をやっていて本当に良かったと思う。
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トップの写真の左の紳士を2005年に撮影。
2005年撮影 EOS Kiss
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最近こちらに来た日本人の一部は、人としての質を疑う人が増えているような気がする。一般の昔からある上海の市場を見て平然と貧民街と言った経営者に会ったが、その人のHPを見ると「身も心もバランスの・・・魅力ある女性になるためのお手伝い・・・」とある。
以前、マナー教室の先生にも会ったが、まずあなたのマナーから始めましょうと言いたい人だった。
それから、「安くて良い人いませんか?」と言う人にも会った。つまり、こちらで仕事をお願いしたいのだが、ギャラが安くて確実な仕事をしてくれる信頼できる人材はいませんか?という意味だった。しかも、具体的に何をやるのかは今は言えないと言う。馬鹿げた話である。
この「安い」を一番最初に吐く人日本人が、ここ数年異常に増えている。日本人がこちらに来ると何でも安いと思っているようだが、それは大間違いだ。物によっては、日本より高い物は(マンションや野菜の一部など)沢山あるし、ギャラだって私より高い中国人は沢山存在する。
もしかしたら、今の日本車にリコールが多いのは、下請けに「安く安く」を連発して部品を作らせているからではないだろうかと推測するすのは間違いだろうか。
技術で売っていた日本だが、技術の質が落ちれば日本の魅力は半減以下だ。今、技術を持った人達の年齢はかなり高いので、その技術を継承しなければ何も残らなくなる。
中国の日系企業でストが起きたのも、賃金の値上げが原因だった。昔は、日系の企業はローカル企業と比べて賃金は高かったが、今はたいして変わらなくなって来ている。
賃金も日本のように横並びでは無く、インセンティブに関しても、日本とはまったく違うので仕事が出来る人と出来ない人とでは当然給与の額は違う。
来年は、再び日系企業の多くがこちらに来るようだが、ここは日本ではないという事を認識し、物を売ろうとしているならこちらの人がどのような生活をしているのかをしっかり見て仕事をしてほしいものだ。
写真と文章は関係無し