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昨日、スズムシと一緒に紹介したバルナック型ライカコピー「上海58-1」は、1958年に作られたもので、その後2型も作られた。レンズは、沈胴のテッサータイプ50mmf3.5が付けられていた。ライカM3のデビューが1954年だったので、その4年後という事になる。
ロゴに漢字を使っているところがとても良い。これが、仮に日本だったら「東京」だったり「大井」とか「板橋」とか「下丸子」になっただろう。
今でもそうだが、この国はアルファベット表記の会社は登記できないので、必ず漢字を使わなければならない。
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中古カメラ屋のおやじに聞くと、この頃の製品が一番良く出来ていたそうで、最近値上がりしているカメラだそうだ。
この国の製品は、生産が始まった最初の頃の物が(シリアル番号の最初の頃)一番良いとされている。理由は、最初は一生懸命設計図通りに作るのだが、途中から手抜きが始まるらしい。この国独特の伝統は、今でも受け継がれている。
この国で色々なカメラのコピーを見て来たが、一番感心したカメラはリンホフのビューカメラだった。リンホフの何型か忘れたが、前世紀末に発売された新しいアオリ機構を搭載した金属の塊のようなカメラのコピーは、非常によく出来ていた。
その頃、軍関係の工場が暇になったのでカメラを作ろうという事になり数台試作した。余っている軍用の良い素材を使用し精度もすばらしかった。しかし、腰が抜けそうなくらい異常に重いカメラになってしまい結局販売までこぎ着けなかったそうだ。
この上海58-1型は、製造から50年経っても価値はあるが、最近のデジカメが50年経ったらどうなっているのかな。
オートトプコール58mm f1.4