海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

路上の男と女 上海

2012-04-08 | 遠い記憶-上海 オールドレンズ

 

この写真はごく普通に見る事ができる風景だが、街を歩いているとナメクジのまぐあいのようでもあり、タコとイカがお互いに吸盤で吸い合いほぐれないほど絡み合っているような光景によく出くわす。見たくないが、視覚第一主義で生きている自分としては遠目でしばらく観察する事にしている。また、路上で男女の喧嘩が始まる事もよくあるので、そういう場合も遠目で観察しながらどういう経緯で事が収まるのかをしばらく見ている事が多い。こういう出来事は、本などでは学べない生きた生態学として写真撮影に生かせるからだ。

先日中国人の友人(文革経験者)と「男女間のまぐあい」という、高貴かつ淫美な話題になった。1980年代の上海の公園での話だが、夕方閉門時間の前に管理人が鐘を鳴らしながら公園を一周していたそうだ。そうすると、そこいら中の茂みの中から、男と女や男と男がゴソゴソと出てきて一斉に公園の出口に向かって歩くという時代があったようだ。また、1990年代の終わり頃に、上海に旅行に来た日本人夫婦がホテルに一泊しようとして結婚証明書を見せろと言われ、そんな物は無いと言ったら断られたという時代もあった。それくらい、この国では男女が個室に2人で入る事には厳しい規制が今でも表向きある。そういう規制がありながら、最近地方の4☆以上のホテルの内装に驚く。バスルームが透明のガラスで囲われていて、コンドー君や一発用ローション、強壮剤や下着までが普通に用意されているのだ。これは、この部屋で一発頑張ってくださいというメッセージにしか私にはとれない。

中国の映画では、露骨なセックス描写は御法度だ。なので、どの監督もカメラアングルなどを含め視覚的にどう見せるか工夫されていて面白い。規制があるから新たな表現方法が生まれるのだと実感できる作品は多いし学ぶべき描写は結構多い。

大昔の日本にあったが、今は無い珍ラブホ。つまり総鏡張りルームや円形の回転ベットでド派手な照明を復活させ、この国で普通のホテルとして再現したら以外と受けるのかも知れない。もし、そんなホテルが出来たら是非撮影してみたい。

キャノンFD50mm f1.4

コメント (2)
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