「県立相模原公園」から「水無月園」に入った一角にゴールド&金色の花をつけた一本の「サンシュユ」の木がある。ミズキ科の植物で、その他やはり見た目が黄金色からなのか「ハルコガネバナ」とも、あるいは珊瑚のようだからなのか「アキサンゴ」の名がついている。中国、朝鮮半島が原産地で樹高は8m ~10m。「サンシュユ」は葉が開く前に開花するため株全体が鮮やかな黄色に包まれる。花は黄色い小花が30個ほど集まって、直径2~3cmほどの小さな花房を造って開花する。各花には4本の雄しべがあって、これらが花序の輪郭をぼかし、花序全体が輝いているように見える。開花期以外も若い枝の樹皮が薄くはがれて琥珀のように日光に映え、秋の紅葉の時期にはサンゴのように艶やかな赤い実をつけるなんとも珍しい花でる。
相模原市南区上鶴間に日蓮宗身延山久遠寺末寺の「方運山青柳寺」はある。明応8年(1499)に「青龍寺」という小庵を再興する際に「青柳寺」と改称された。創建は天正年間(1573~1592年)、本尊は釈迦如来(現在は大曼荼羅)である。また江戸時代、当寺は寺小屋を開き教育の場でもあった。「山門」を抜けると砂利が敷き詰められた境内正面に重厚な瓦葺の「本堂」、左に「庫裏」と右に「鐘楼」、数多くの石碑、の「武相困民党発祥之地の稗」(自由民権運動の舞台となった証)がある。また住職を中心に俳句が盛んに行われ、その「句碑」が建ち並んでいる。平成10年に相模原古民家園に移築復元された「青柳寺庫裏」は県重要文化財となっている。当寺は梅の本数は少ないが「山門」前には「白梅」が一本だけあり見ごろを迎えていた。また3月後半には当寺のシンボル「シダレザクラ」がしだれる様に開花し咲く日がが待ち遠しい限りである。(1802)
東京都町田市野津田町の暖沢地域にある町田市立の都市公園で「新東京百景」、「日本の歴史公園100選」に選定、「東京都指定名勝」に指定されている「薬師池公園」はある。1976年(昭和51)開園、141,654㎡という広大な面積。園の中央部にある「薬師池」の池面には春の樹木が写り込み鳥が泳いでいる。当園には江戸時代末期、町田市三輪町に医院として建てられた荻野衛門の住宅(古民家)「旧荻野家住宅」が昭和49年(1974年)に移築復原されている。東京都指定有形文化財に指定されている。建物は茅葺、入母屋造の建坪145.53㎡を測り、4つの部屋と2つの土間という間取りである。6畳間にある薬棚は調剤室として使用され、隣の9畳間が診察室と推定され、手前の2間 続きの部屋が住居部分である。今は貴重な茅葺き屋根、定期的な葺き替え補修が重要だという。(1802)