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自民党草案
前文(後半)
日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するととも
に、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。
我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を
新興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。
日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここにこの憲法を
制定する。
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下線の部分は、抽象的ながら、≪国防義務≫を義務化しているのです。
これは、立憲主義、平和主義と相容れません。人権保障に後ろ向きで、」義務の拡大で前のめりな態度が表れています。
また、「和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する」とありますが、そもそもそのような内容は個人のモラルにゆだねるべき問題であり、ことさら憲法を通じて義務化することは、立憲主義にそぐわないものです。
また、現憲法にあって、自民党草案にないものは、平和的生存権(ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利)を削除したことです。
平和のうちに人間として存在することはもっとも基本的人権といえます。これをさくじょしたことは、≪国防の義務≫とも関連があります。