今日の一般新聞に、古河市鴻巣の古河公方公園で「大賀ハス」が咲いたと、きれいな写真入りで新聞の1面をかざっている。
この大賀ハスは、以前は「古代ハス」と呼ばれていた。
私は、小学生のころ、教科書で知った。植物学者の大賀一郎博士が、千葉県検見川の東京大学農場の泥炭層から発掘したハスの実を発芽させたものである。
そして、その泥炭層が、今から2000年前のものだという。そこで、2000年前の「古代ハス」と一気に有名になった。
私は、仮説実験授業研究会の講演で、代表の板倉聖宣氏から、「これは眉唾ものだよ」と聞いた。なぜなら、この発見が、発掘調査最終日の35日目に見つかった。「生き物」が2000年も泥炭層にあって、生命力を維持し、発芽できるのか。たまたまどこかから、紛れ込んだ可能性もある。何よりも、直接、ハスの実の年代調査をしていない。(見つかったハスの実が3粒で貴重品であることは理解できるが)
しかし、今では「信仰になっているから」無理に問題にすることではない。
しかし、一般新聞がなんの疑いもなく、「古代ハス」と未だに大きく書いたとき、つい気になって、新聞記者に電話をしてしまった。
「古代ハス」という科学的根拠はないのだから、書くとしたら、大賀一郎博士が発見した「大賀ハス」が正確ではないか。
新聞は、説明として、約2千年地層から発掘した「古代ハス」とも呼ばれるとも書いています。 この方が、はるかに正確だと思います。