県議選、笠間市議選も終わり、桜川市議会12月議会も一段落ついた今日、ゆっくり読みたかった記事・しんぶん赤旗日曜版12月11日の「ジャーナリスト伊藤詩織さん初エッセー『裸で泳ぐ』」をゆっくり、読むことができました。全部は長いので、一部分ですが紹介します。
ネット上の中傷を断罪
多くの声が社会に”種”をまいた
社会が動き出す
伊藤さんが性的暴行を受けたとして2017年、元TBS記者を提訴。今年7月、最高裁決定で元記者への償命令などが確定しました。告発をきっかに性暴力根絶への声が広がり、フラワーデモや刑法改定の議論を後押ししています。
「もう生きてはいけないかと何度も思いました。私の個の人生に望みはなくしたけど、社会には少しでも健全であってほしい。そう思って崖から飛び降りる覚悟で声を上げた結果、思ったより社会が動き出した。でも、私個人の人生にどう戻ればいいのか、迷子になってしまって・・・・」
当時はジャーナリストとして客観的被害を語っていました。「痛みや傷つきに向きあえる状態じゃなかった」
エッセーでは閉じ込めてた感情をくみあげてゆきます。米国ではハイキング中に突然、性被害への怒りが噴出したこともありました。
「今なら大丈夫だろうと怒りが飛ぶ出したのだと思います。それまで、たった一度の性暴力のトラウマ(心的外傷)がなぜこんなに続くのかわかりませんでした。怒りと向き合う中で、性被害の前から社会の権力構造の中で感じてきた、さげすまされる経験などが私の中に積み重なっていたことに気づかされた。あの被害経験は社会のいびつさを凝縮したもので、だからこんなにも苦しいんだと理解できました。」
被害後に起きたことも傷つきを助長しました。元TBS記者が安倍晋三首相と近いことから逮捕状が取り消された、という疑惑が浮上したのです。
「公権力が疑惑を説明せずに済んでいるケースは他にもたくさんある。私たちがこれを許していたら、社会のシステムを信頼できなくなるし、同じことが繰り返されてしまう」
20年には、ネット上の誹謗中傷に対する損害賠償を求めて3件の裁判を起こしました。
血の通った判決
そのうちの1件、ツイッター中傷投稿に「いいね」を押した杉田水脈・自民党衆院議員を訴えた控訴審判決(10月)では、一審(3月)から逆転勝訴。「こんなに早く司法の場でアップデートされると思っていなかった」
判決は約11万人のフォローワーを持つ国会議員である杉田氏の影響力に触れ、「許される限度を超えた侮辱行為」と判断しました。
「血の通った判決文でした。これまでオンライン上の中傷に対し『みなければいい』とされがちでした。でも多くの人が声を上げる中で、裁判官が想像力をもって取り組んでくれた。社会に創造の”種”が着実に増えてきたと感じました。
一連の裁判の過程では、デマを信じたパートナーとのつらい別れもありました。「衝撃でした。いくら法廷で勝っても誹謗中傷という行為の影響は計り知れない。たとえオンラインでも、その人の目を見て言えるか考えて発信してほしい」
ネット上の中傷を断罪
多くの声が社会に”種”をまいた
社会が動き出す
伊藤さんが性的暴行を受けたとして2017年、元TBS記者を提訴。今年7月、最高裁決定で元記者への償命令などが確定しました。告発をきっかに性暴力根絶への声が広がり、フラワーデモや刑法改定の議論を後押ししています。
「もう生きてはいけないかと何度も思いました。私の個の人生に望みはなくしたけど、社会には少しでも健全であってほしい。そう思って崖から飛び降りる覚悟で声を上げた結果、思ったより社会が動き出した。でも、私個人の人生にどう戻ればいいのか、迷子になってしまって・・・・」
当時はジャーナリストとして客観的被害を語っていました。「痛みや傷つきに向きあえる状態じゃなかった」
エッセーでは閉じ込めてた感情をくみあげてゆきます。米国ではハイキング中に突然、性被害への怒りが噴出したこともありました。
「今なら大丈夫だろうと怒りが飛ぶ出したのだと思います。それまで、たった一度の性暴力のトラウマ(心的外傷)がなぜこんなに続くのかわかりませんでした。怒りと向き合う中で、性被害の前から社会の権力構造の中で感じてきた、さげすまされる経験などが私の中に積み重なっていたことに気づかされた。あの被害経験は社会のいびつさを凝縮したもので、だからこんなにも苦しいんだと理解できました。」
被害後に起きたことも傷つきを助長しました。元TBS記者が安倍晋三首相と近いことから逮捕状が取り消された、という疑惑が浮上したのです。
「公権力が疑惑を説明せずに済んでいるケースは他にもたくさんある。私たちがこれを許していたら、社会のシステムを信頼できなくなるし、同じことが繰り返されてしまう」
20年には、ネット上の誹謗中傷に対する損害賠償を求めて3件の裁判を起こしました。
血の通った判決
そのうちの1件、ツイッター中傷投稿に「いいね」を押した杉田水脈・自民党衆院議員を訴えた控訴審判決(10月)では、一審(3月)から逆転勝訴。「こんなに早く司法の場でアップデートされると思っていなかった」
判決は約11万人のフォローワーを持つ国会議員である杉田氏の影響力に触れ、「許される限度を超えた侮辱行為」と判断しました。
「血の通った判決文でした。これまでオンライン上の中傷に対し『みなければいい』とされがちでした。でも多くの人が声を上げる中で、裁判官が想像力をもって取り組んでくれた。社会に創造の”種”が着実に増えてきたと感じました。
一連の裁判の過程では、デマを信じたパートナーとのつらい別れもありました。「衝撃でした。いくら法廷で勝っても誹謗中傷という行為の影響は計り知れない。たとえオンラインでも、その人の目を見て言えるか考えて発信してほしい」