木犀の香る季節になると、この帯の出番です。色も風合いも“秋限定”で、しめるのは冬の足音が身近になるまで‥と決めています。
タイのマドミーと同様、インドネシアのイカットは「縛る、括る、結ぶ」を意味する言葉ですが、いまではイカット=「絣」として世界の共通語です。
経絣の大胆な柄が目をひくのでしょうか、「いいわね」「どこの布?」と声をかけていただきます。木綿地で信じられないほど安価だったため気軽に購入したものですが、秋のふだん着に重宝しています。
織物をたとえて「経糸は理性と知性、緯糸は感情」などというけれど、イカットは荒削りな感じで野趣にあふれ、理知も感情もない、どこか混沌とした世界。南国の染織どうし相性の良い大島や薩摩絣のきものにのせれば、ますます自己主張をして存在感を増しますが、そのつよさに負けないきものの魅力も同時に引き出してくれる、不思議な布です。
藍の薩摩絣に合わせて
イカットについては こちら がくわしいです。