雪月花 季節を感じて

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2006年05月07日 | 季節の膳 ‥旬をいただく
 
 いちごのおいしい季節です。

 いまでは一年中、いちごはケーキを飾っているけれど
 つやつやのいちごが店頭にたくさん並んで
 もっとも味の良いのは、いまごろまでですね。

  思ひ出や苺が乳に混るとき (軽部烏頭子)

 覚えていますか?
 まっ白な牛乳の中にいちごを浮かべて
 お砂糖をすこしかけて、スプーンでつぶして
 いちごミルクにして食べた子どものころのことを。
 いちごをスプーンでつぶすと
 果汁が混じってピンク色の牛乳になって
 甘酸っぱい思いがこころに広がった
 あの幸福な時間を。


 写真は母の手づくり、いちごジャムです。
 いちごと上等なハチミツとグラニュー糖で作っています。
 いちご色の水あめの中に、たくさんのいちごが
 まるごとゴロゴロ入っています。

 いちごが出まわり始める早春から
 母はいちごジャムを欠かしません。
 「また作ったわよ」の電話一本で
 いくつかのちいさな瓶に詰められたジャムを
 実家にいただきに上がるわたし。
 そろそろ作り方を教わらなくちゃ、と思いつつ
 いつまでも甘えています。

  母作る甘き苺の瓶詰の思ひ出開けるこころ楽しも


 週末の朝はパンケーキを焼きます。
 最近は、小麦色美人のすべらかな肌のように
 うまくパンケーキに焼き色をつけられるようになりました。
 パンケーキには母のいちごジャムと
 メープルシロップの両方を用意するのに
 いつもいちごジャムばかりがなくなってゆく。
 直径18cmの二枚のパンケーキも
 あっという間になくなってゆく。

 そういえば、子どものころ大好物だった
 不二家のストロベリーパンケーキも、おいしかったな。
 サクマのいちごみるくキャンディは
 いまもむかしと変わらない味がします。


 ところで、ご存知ですか?
 五月五日をこどもの日と定める法律の文言です。

  こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに
  母に感謝する。

  (『国民の祝日に関する法律』より)

 こどもの日は「母に感謝する」日でもあるのです。
 だから、14日の母の日まで
 “お母さん、ありがとうウィーク” です ^^
 

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13 コメント

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甘酸っぱい思い出 (Asian Sea)
2006-05-07 08:41:27
おはようございます。

苺の話題から味覚が刺激され、それと同時に懐かしい記憶が蘇ってきました。

牛乳の海に泳ぐ苺をスプーンで潰す時の喜び、サクマのいちごみるくキャンディ。

いいものは今も健在なのですね。

雪月花さんの朝の食卓にはいちごジャムが欠かせないようですね。私は毎朝、黒ごまと蜂蜜を混ぜ合わせたペーストをたっぷり塗ったトーストを食べます。

母にも、母なる大地にも感謝です。
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いちご一会 (あくあ)
2006-05-07 09:52:15
うちの母もホーロー鍋で苺ジャムを作ってくれたものです。市販のものとは違い、自然の苺の味わいがとても美味しかった。懐かしい思い出です。

苺は漢字も草冠に母と書くことを、今回発見してしまいました。

こどもの日は母に感謝する日だったのですね。「こどもと母の日」に名称変更する方がよいかも。「こどもと父の日」は??
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遥かなる苺。 (道草)
2006-05-07 10:26:25
いちごミルクかぁ。二人の娘らが子供のころ、妻がいちごミルクをよく作ってやっていました。私もたまにはお相伴したものです。けれど私には、いちごにミルクや砂糖を、まして、ハチミツとグラニュー糖をかけて食べるなんて天国の贅沢・・・。私の子供のころの田舎では、農家の周りの畑に苺を作っていました。かくれんぼしながら隙を見て千切って急いで口へ放り込む。蛞蝓に齧られていて、太陽にいっぱい照らされていて温(ぬく)かったけど、甘かったなぁ。

それに、手造りのパンかぁ。私も手造りのパンは食べました。小麦粉少々に大量の南蛮(ナンバ)粉<=玉蜀黍(トウモロコシ)粉>とサッカリンを二粒三粒。ドーナツ形の鋳物製パン焼器へ流し込んで十五分。焦げ目の無い甘味の無い、玉蜀黍色のベタついた形だけはバームクーヘン型(そんな存在も言葉さえも知りませんでしたが)の蒸しパン。オヤツにならまだしも、学校へ弁当代わりに持って行く日は、風呂敷で隠して悔し涙とともに食べた(飲み込んだ)ものです。

富士家のストロベリーパンケーキは国産ですか?当たり前ですよネ。不二家なのですから。「サクマドロップ」は正月のお年玉で5個買って、一日1個ずつ食べたかなぁ。いちごみるくキャンディは昔もあった?その「昔」は、雪月花さんの子供時代でしょうね。

「母に感謝する」法律は誰が決めたのですか(「苺」の字も誰が決めたのでしよう)。「父」もおるゾ!と叫びたいです。そういえば、母の日は五月で父の日は六月。しかも、父の日が制定されたのは母の日より1世紀近くも後からとか。などと道草し過ぎました。我が心の狭量をお詫びして五月の詩を・・・。

「朝の新茶」 木下杢太郎

桜実(さくらんぼ)が熟し、草のかげが

重くざわざわして、間々露冷たく!

樫の花のしつこいかをり、

煉瓦の壁に差す日の華やかさ、うひうひしさ。



かかる朝、庭を歩み

草上(くさのへ)に座して新茶を啜れば、

五月の朝のはれやかな心の底に、

世界のいづく、草の葉の一(い)つだに缺けざる

  かの一味の悲哀(かなしみ)の湧くをこそ覚ゆれ。





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苺ジャム (uragojp)
2006-05-07 16:59:04
いい香りが漂ってきま~す。

ご実家のお母様の手作り・・・瓶をあけたときの香りなんともいえませんでしょう・・・

私も苺が出るや、すぐジャムつくり、カスピ海ヨーグルトにとろ~りとかけそれは美味*

「子供の日」「母に感謝する日」大切にしたいですね。

いよいよ明日から、五月「風炉」のお稽古が始まります。これからの取り合わせは、青葉

若葉にホトトギス、卯の花に藤と、郊外にピクニックもこころはずむ事でしょう・・・
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野のかおり木苺 (ささ舟)
2006-05-07 21:34:38
雪月花さま。こちらは先ほどの雷雨で牡丹の花が痛いっけにも散ってしまいました。たった二日だけの開花でした。

お母さまには本当に頭が下がりますね。苺ジャムのあま~い香りこちらまで届きました。家でもいつも旬のものを届けてくれるのは母でした。苺といえば・・・私は田舎育ちですので、子どものころ山道に枝を垂らした木苺(黄苺)を取りにいくのが楽しみの一つでした。橙黄色、赤色、濃紫色などの実を口一杯にほぅばり、籠にも、ポケットにも入るだけ入れたものです。木苺はたくさんの子房の集合果で小さな玉が一つひとつ輝いてくっいて1個の実になっていますので、口に入れたときのプチプチ感がも~うたまらないです。

学生のころは、京都河原町三条の(今はありませんが)不二家で三色(バニラ、チョコ、ストロベリー)アイスクリームを食べるのが最高の贅沢でした。映画のあとで…。

世に母性(はは)あるは さいわいなり

父性(ちち)あるもまた さいわいなり

世の道を求むるものあるは さいわいなり

  (法句経)
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苺大好き (みい)
2006-05-07 21:35:37
この時季、朝市に行くと朝摘みいちごが、きれいな色して並んでいます。

苺ミルク、今も昔も母さんの味ですね^^

今でも、苺にミルクをかけて、少し潰すとピンク色、美味しいです^^

「母に感謝する日」ありがとうと、声に出して言ってみたくなりました^^
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甘酸っぱい苺 (青い空)
2006-05-07 22:37:42
私が少女時代過ごした寒村は苺の産地でした。季節には朝から一仕事をして摘んで来たと言う(商品にならない苺)をどっさり学校に持って来てくれます。みんなでそれを食べてから(口の周りを赤くして)朝礼です。

そしてその山村を後にして(あまり思い出したくなかった所なのですが)40数年ぶりに同窓会に行きました。私はイジメラレッコだったのです。2次会にも余行きたくなかったのですが、2次会のカラオケやさんで、やたら、「苺」を注文する同級生がいました。そして「どうしても○○ちゃん(私の名前)に苺をいっぱい食べさせたい。ここの苺はあそこの苺だから」と言うのです。「品質改良されて、どこに出しても恥かしくない苺だよ」って・・・

私が美味しそうに食べるのを、全員で優しく見ていました。それ以後、苺を食べる時

涙ぐみます。ほんとうは、みんな意地悪でなかったのです。私が勘違いしていただけ。私はそれ以来、苺は甘酸っぱい味になりました。子育ての時はやはり苺ミルクで

苺のショートケーキも良く作りました。その時は子供たちの笑顔で甘い甘いとろける

食べ物でしたが、今は苺を食べる時、あの山村の風が甘酸っぱく伝わって香ります。

雪月花さま

もう一つ。私はハルジオンが大好きです。

ハルジオンはピンク色です。

アップしていますのでお暇なとき覗いてみてください。

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イチゴの正しい(?)食べかた (雪月花)
2006-05-08 15:38:45
わが家の本棚に『日本たべもの歳時記』(水原秋桜子、加藤楸邨、山本健吉監修、講談社+α文庫)という分厚い文庫本があります。季語になっている日本の食物と、それらを季題にした4,600句が収録されており、この国はこんなにも豊かな食材に恵まれているのかと驚くばかりです。いまは輸入物が増え、魚も野菜も果物も季節を問わず手に入る時代で、国産の食物の季節感は失われつつありますが、旬を知り、旬のものをいただく有難さを忘れたくないものですね。とはいえ、恥ずかしながら、わたしはいつが旬なのかを知らないたべものがたくさんあります。

だいぶ前の話になりますが、友人が「イチゴの正しい食べかたを知っている?」と言うので教えてもらいました。イチゴをそのままいただくとき、ヘタのほうを手でもち、実の下方の細くなっているほうを口にもっていって齧っていませんか? 実は、ヘタのほうからまず口をつけるのが良いそうです。理由は、細くなっているほうの先端に甘みがよっているから。先端の、いちばん甘いところを先に食べてしまうと、残りの部分の甘みが分からなくなってしまうのだとか。もっともらしい説ですよね。でも、イチゴをひとくちでポン!とたいらげてしまう方には、「そんなの関係ないよ」ということになりますけれども(笑

ふだんわたしたちがスーパーなどで買っているイチゴは、江戸末期にオランダから輸入された西洋いちご(オランダいちご)だそうです。



> Asian Seaさん、

黒ごまと蜂蜜を混ぜ合わせたペーストをたっぷり塗ったトースト、ですって? うわ、美味しそう~ ^^ わたしもためしてみようっと♪ Asian Seaさんも甘いものがお好きなのですねぇ、うれしいです。わが家の平日の朝食は、和食:パン食=6:4で、毎朝お弁当づくりに和食となると少々手間がかかります。なので、週末はのんびりパンケーキを焼いて楽しんでいるんです。主人も甘党なので、ふたりでいちごジャムを分け合い(奪い合い?)ながら。



> あくあさん、

「いちご一会」とは、うまい!ですね。これを今回の記事のタイトルにしたかったです(笑 最近はホームベーカリーで簡単にジャムが作れるようですが、わたしの母もお鍋で作っています。市販のものでも果肉がたっぷり入っていて美味しいけれど、母のジャムはほとんど丸ごとのいちごばかりで、水飴はつなぎ程度に入っているという感じです。

五月五日は田植えの時期にあたり、昔は身を清めた女性が田植えの作業をしたそうです。これは、お産をする女性が豊作をもたらす‥ということらしいです。そんな理由から、かつてこの日は各地で女性のための行事が行われていたそうで、「母に感謝する」の文言はそんな慣習からきているのではないか、という説があります。もしそうなら、お父さんは忘れられてもしかたありませんね(笑



> 道草さん、

お父さんが忘れられている理由を、上記↑で納得していただけますでしょうか。女性にしてみれば、「田植えの作業を押しつけられた」と文句のひとつでも言いたくなるかもしれません(笑 まず、女性の節句として五月五日があったのでしょうけれど、それをこどもの日にしたために女性(母)の日が次の日曜日になり、母の日があるのだから、それなら父の日も‥ という順序だったのでしょうか。

不二家のストロベリーパンケーキは、いちご味のパンケーキではないんです。二枚(三枚?)に重ねたホットケーキのトッピングに、生クリーム、いちご、アイスクリームを飾ったものでした。戦後という時代もすぎ、いまでは道草さんのように、露地ものの苺の味を知っておられるほうが豊かだ、などと、当時の人たちの努力や苦労を知らない世代は言うかもしれません。お許しくださいね。清々しい朝の、新茶のメンソール系の味と香にさえ哀れを覚える「知足」のこころの詩、味わい深いです。有難うございました。



> uragojpさん、

uragojpさんのいちごジャムをごちそうになりたいものです ^^ カスピ海ヨーグルトも、uragojpさんのお手製なのでしょうね。このいちごジャムはプレーンヨーグルトにかけても絶品です。母は何でもつくるので、わたしのような、何もできない甘えんぼうの子どもができてしまいました。(‥と、母のせいにしてはいけませんよね) 風炉点前のご準備もすっかり整われたようですね。お疲れさまでした。「家のつくりやうは夏を旨とすべし」。簾戸などのしつらえは目に美しく、涼しいです。



> ささ舟さん、

「法句経」というものを初めて知りました。さっそく検索して調べました。ひとつひとつ、こころに響く言の葉ばかりですね。時間のあるときに通して読んでみようと思います。有難うございました。今年の牡丹は主人の実家の庭で楽しみました。淡いピンクと、めずらしいレモン色の花があって、同伴したわたしの母も悦んでいました。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という美人を形容する成句は、いまはあまり聞かれませんね。そのような女性なら、ひと昔前の銀幕の女優さんを思い浮かべるしかないでしょうか。

木苺は、ささ舟さんにとって美しい宝石のようですね。わたしは、幼いころに弟と、祖父母の家の畑から収穫したいちごの食べ競争をしたことをよく覚えていますが、そんな贅沢は後にも先にもあのときだけです。もう、いちご畑もなくなりました。なつかしの不二家の三色アイスクリーム! これはいまもメニューにあるでしょうか。いずれどこかの不二家レストランに入って、ぜひ調べてみましょう ^^



> みいさん、

みいさんの住む町に朝市がたつのですか? 楽しそう~、わたしも一緒に行ってみたい。四国の朝市にはどんなものが並ぶのでしょう。昔とちがって、いちごが一年中店先に見られるになっても、子どもにとっていちごって、やはり特別なもののようですね。中でも、お父さんとお母さんがお勤め帰りや誕生日に買ってくれるショートケーキ、デコレーションケーキにのっているいちごは、また格別。家族の思い出と結びつく食べものですね ^^



> 青い空さん、

まぁ、ブログを開設されたのですね、おめでとうございます! 青い空さんのこころあたたまるエッセイたちも、このような狭苦しいコメント欄から居心地のよい場所を与えられてよろこんでいるはずです。のちほどそちらへ伺って、ゆっくりと拝見いたしますね。楽しみです。

青い空さんが学生時代に失くしてしまった友情を、ふるさとの苺がとりもどしてくれたのですね。 



 青春のすぎにしこゝろ苺食う (水原秋桜子)



苺の甘酸っぱい味が、青春の思い出と容易に結びつくのでしょうか。人は、思いや思い出を重ねることによって、あらゆるものの香や味わいを深めてゆくのですね。
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イチゴの産直 (紫草)
2006-05-09 02:39:28
イチゴの思い出やら料理方法をお話伺って降りますと甘酢ぱい味が喉を潤します雪月花さんがお造りになる乳入りの苺の味は舌に染み入り馥郁とした子供の頃を思い出します。私は男子厨房に入らずのタイプですのでその時々の旬の物を求め季節を味会う事にしておりますが最近便利に成りインターネツトを利用し産直の品々を全国から求め舌ずつみを打つております。もしも苺を求められるのでしたら下記のアドレスを紹介いたします。私も完熟の美味しさが忘れられず毎年武方農園さんにお願い致しております。豊潤な味を忘れられず。一度食感を味会いされましたら宜しいかと思います。今シーズンは終わりましたかもしれませんが?



  http://www.dokidoki.ne.jp/home2/takeken/
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身近な自然に感謝 (雪椿)
2006-05-09 22:12:47
お久しぶりです 雪月花さん



数年前からどこからともなく飛んできた苺の種が

こぼれ種で増えて今年も庭のあちこちで

白い可愛らしい花を咲かせています。

去年はボール一杯分摘みました。

やはりスーパーで売っている品種改良された苺とくらべると

甘いというよりもちょっと酸っぱいけれど

ジャムにするととっても美味しいのです。

去年も母に作ってもらいました。

今年ももうすぐにこの味が楽しめそうです。



手を入れてる訳でもないのに毎年この味は嬉しくなります。

身近な自然に感謝・・・

そして母にも感謝ですね^^
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