雪月花 季節を感じて

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映日荷花別様紅

2009年08月06日 | 季節を感じて ‥一期一会
 
 午前8時15分、町中に鐘の音が鳴りひびき、一分間の黙祷をいたしました。今日6日は広島原爆の日です。


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 蓮田に出かけた友人から古代ハス(大賀ハス)の写真が届きました。二千年前のいのちの神秘を今に伝える花のことは、わたしも四年前の夏の記事「千古の花」に書きました。写真は、開花して三日目の花でしょうか。


 葉は水を、花は夏の光をせいいっぱいあつめて、たった四日間だけのはかないいのちを散らします。「映日荷花別様紅」は、陽光に映える紅蓮の花の気高さと美をたたえた名句で、中国は南宋時代の詩人・楊万里の詩の一節です。

 蓮の葉を荷葉(かよう)、花を荷花(かか)といい、中国では古くから荷花の美を愛でてきましたが、その荷花さえも恥じ入るほどの美しさである「荷花羞玉顔」と李白が詠んだ呉越時代の傾国の美女、西施(せいし)の美貌とは、いったいどんなものだったのでしょう。


 西施といえば、日本では芭蕉が「象潟や雨に西施がねぶの花」と詠んでいます。蓮華よりも合歓の花のほうが美しい?とつまらぬ深読みをするよりも、ここは、雨にうたれてうつむいている合歓の花の姿に、時代に翻弄されたひとりの哀しい美女の面影をしのんでいる、と読むべきでしょうね。


 わたしの住む町の蓮田では、毎年八月第一日曜の早朝に荷葉酒と荷葉茶がふるまわれます。これは、蓮の葉を煎じて飲むのではないんですよ ^^
 

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