雪月花 季節を感じて

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ら~ろ で始まる ことば歳時記

2005年08月07日 | ことば歳時記
● 立夏(りっか)
二十四節気のひとつ。夏の始め、太陽暦の5月5日か6日頃です。夏立つ日で、暦の上ではこの日から立秋前日までが夏です。

 春過ぎて夏来にけらししろたへの 衣ほすてふ天のかぐ山  持統天皇


● 立秋(りっしゅう)
二十四節季のひとつで、陽暦の八月七日または八日。秋立つ日。暦上で秋とはいえ、実際には最も暑い時期です。

 秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる  藤原敏行


● 立春(りっしゅん)
二十四節気の最初の節。春の始め、節分の翌日で現在の二月四日頃。八十八夜、二百十日など、すべてこの日から数えます。この日、曹洞宗では「立春大吉」と書いた札を入り口に飾る風習があって、よく見ると、これは表から読んでも裏から読んでも「立春大吉」なのです (^ ^) 昔は節分が大晦日、立春が新しい年の始まりでした。ところが、いわゆる閏年には月の運行が遅れるために、十二月中に立春が来てしまうことがありました。平安時代末期には、「旧年立春」「歳内立春」という歌題があるそうです。

 年のうちに春は来にけりひととせを 去年(こぞ)とや言はむ今年とや言はむ
 (年の改まらないうちに春がやって来た。この一年を去年と言うべきか、今年と言うべきか‥)
 (『古今集』春の歌上 より)


● 柳絮(りゅうじょ)
春に、柳の熟した実から綿毛をもった種子が飛び散るさま。また、その種子。柳のわた。風に流された柳から黄色い花粉が舞い上がると、桜花の開く時期の到来となるそうです。


● 涼味(りょうみ)
涼しい感じ。すずしさ。


● 良夜(りょうや)
月の美しい、陰暦八月十五日の十五夜、同九月十三日の十三夜のこと。「八月十五日、九月十三日は、婁宿(ろうしゅく)なり。この宿、清明なる故に、月を翫(もてあそ)ぶに良夜とす」(『徒然草』 第二三九段より)からきている言葉で、「婁宿」は中国の古い星図の分類のことだそうです。


● 緑蔭(りょくいん)
青葉の茂ったかげ。木陰。夏の季語。同じ初夏の木陰でも、木下闇(このしたやみ)というと暗さを感じますが、緑蔭は夏の光を感じる明るさがあります。


※ 参考資料
広辞苑、『空の名前』(光琳社出版)、『歌ことばの辞典』『古今歌ことば辞典』(新潮選書)、古典文学 ほか
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