雪月花 季節を感じて

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偲ぶ草

2010年11月19日 | 小魚庵だより ‥日々の拾遺
 
 不謹慎ですけど、お香典返しの話です。

 主人宛に届いたお香典返しが、小瓶に入ったオリーブオイルでした。めずらしくて、主人もわたしも「なぜオリーブオイル??」と不思議がっていたら、喪主のお手紙に「故人の好きだったものをみなさまにお分けします」とのこと。なるほど、亡くなられた方(主人の同僚のお父上)は、このオリーブオイルがお好きだったのね!と合点がゆきました。

 箱書きに「このオリーブオイルはイタリアのトスカーナ地方原産の高級オイル‥云々」とあります。瓶のデザインもお洒落で、一見すると洋酒かオーデコロンのよう。お会いしたことはないけれど、故人のハイセンスなご趣味が偲ばれます。

 「ずいぶんお洒落な人だなぁ。きっと、このオリーブオイルじゃなきゃダメだったんだろうね」。
 「何に使ったのかな? おいしいパンにつけたりしたのかな。食卓に欠かさずあったんだろうね」。

 美しい黄金色の小瓶からお人柄や暮らしぶりにまで話はおよび、亡き人を偲ぶにふさわしい返礼に主人もわたしも感心しきりです。


 このオリーブオイルのために、パンを焼こうとおもいます。