最適化問題に対する超高速&安定計算

大規模最適化問題、グラフ探索、機械学習やデジタルツインなどの研究のお話が中心

量子化学の SDP 緩和

2005年12月28日 22時55分19秒 | Weblog
家族の体の調子が悪くなって病院に連れていったり、看病したりと何も出来ない日だったが、ここが計算機実験の良い所でクラスタ計算機では実験が少しずつ進んでいる。以前のブログにも書いた量子化学の SDP 緩和の実験なのだが、中身は大変難しい。要するに SDP 緩和なので様々な条件(制約)を加えていくと目的関数は良くなるが、メモリの消費量が増え、実行時間が増えるといういつものパターンである。
以下は専門の方に聞いた説明である。簡単に言うと原子や分子の ground stage (基底状態)のエネルギーを SDP を用いて計算しようというもの(実際には下界値の計算)。わかりにくいと思うが参考まで。

U と t はパラメータで、これらを変更することで異なる Hubbard model ができます。
要するにモデルのパラメータです。この場合はt=1 に固定してあるらしく、従って U=1 になります。
PQG, PQGT1, PQGT2, PQGT1T2 などは SDP を解いた時の目的関数値の値です。
それぞれ P 条件、Q条件、G条件、T1条件、T2条件を加えてもので、条件が入れば
入る程値が良くなります(つまり最小化のSDP緩和なので、値が大きくなります)。
また、 PQGT1T2 条件が入ったSDPが一番大きく時間かかることも納得行きますね.
それらの問題が FullCI の列に近づけば近づく程良いことになりますが、 FullCI は
ベキ数オーダの計算が必要なので、この問題に対しては計算不可能です。

U/t & PQG & PQGT1 & PQGT2 & PQGT1T2 & FullCI & Hatree-Fock hline
1.00 & -13.687 & -13.637 & -13.584 & -13.584 & - & -
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする