20160524今日の一手
4月9日の名南将棋大会から、SさんとJさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の2歩得です。後手に持ち歩がないので先手の駒得です。
玉の堅さは同程度。28飛の守備まで考えればやや先手のほうが堅いのかもしれません。
先手の攻め駒は37角と持ち駒桂で2枚、66銀も交換になりそうなのでその時は3枚です。
後手の攻め駒は51飛33角65銀と持ち駒桂で4枚。
総合すれば互角です。
大局観として
後手の攻め駒が4枚なので減らさないといけません。つまり後手の飛角どちらかの利きを遮る手を考えます。そして駒得のまま局面が収まれば先手がよくなります。後手に持ち歩がなければ歩得だけでも十分です。
この前の問題は形勢がやや悪い時で、不自然な手も考えなければいけなかったのですが、今度は形勢が悪くないので自然な手から選びます。それで形勢は悪化しないはずです。
× 77銀と引けば56銀
これは後手に持ち歩ができて攻め駒4枚、十分です。
△ パッと見える手は44桂です。
これで角筋は止まるのですが66銀同銀56飛
金取りは放置でさばかれます。57銀打36飛65歩
と、一回嫌味をつけますが、73銀64歩同銀直32桂成
66角同銀同飛67歩76飛77歩
これくらいのところでしょう。先手の駒得ですが、遊んでいた金を持ち駒で取るというのはあまり良い手ではありません。形勢は互角とはいえ後手玉のほうが堅くて攻め駒も4枚なのですから、あまり選びたくはないのです。
○ 実戦での55銀とかわすのが一番自然でしょう。ただし王手のラインがあるので怖いのですが。
これで66歩と打てれば安心できます。実戦は43桂66歩55桂
銀桂交換ですが玉の安全度を重視しました。55同歩56銀打65歩47銀成
桂馬を得しましたが、37の角は逃げられません。77銀37成銀同桂55角
後手に持ち歩ができたので角と銀桂の2枚換えです。ですが後手の飛角の働きがよいので先手の難局です。桂取りを受ける気にもならないので(それでまだこれからでしたが)58飛57歩同飛77角成
これは気持ちよく攻められて敗勢です。
途中、56銀打に44桂
が正しいです。角筋を止めてしまえば慌てて銀を取る必要はありません。これなら先手有利でした。
後手の43桂はあまり良い感触の手ではありません。つまり44銀と相手の手に合わせて出るのが自然な手です。
角取りですし、43の桂が働きそうにないので一目先手よしです。56銀の時に33銀成67銀成同金33桂52歩
先手玉が薄いとはいえ、後手からはたいした攻めがなく、割打ちや26角を見て攻められます。これでもよさそうですね。
後手は55銀には54銀引が普通の手です。
今度は44銀では角を逃げられて空振りです。44桂42金54銀同銀24歩同歩22銀
これで22同角に64角が王手金取りで優勢です。
○ 前の変化、64角が両取りになるのでよかったのですが、少々危険な感じでした。55桂と打てば堅実です。
先手の角筋は止まりますが、後手の飛角両方が止まるのです。44桂は32桂成と使うくらいしかなかったのですが、55桂なら63桂成で囲いの銀をはがせるのです。まあすぐにとれるわけではないのですが、遊びにくいし、桂馬が移動すればまた角が使えます。
両取りなので66銀同銀54銀くらい。
45の歩を取られないように48飛73銀44歩
飛車も使って先手優勢です。後手は歩切れが痛いですね。
△ 一番普通なのは55歩ですが
55の利きが足りないのでやや不安です。また、37角を使うためには54歩と突きだすしかないので実現しにくく、ここで戦いになった時には反撃筋が少ないのが不安です。
66銀同銀47銀
これで36銀成あるいは56銀成が受けにくいです。両方受けるのは48桂ですが、35歩同歩36桂
と強引にこじ開けられてもまずそうです。26飛48桂成同金同銀成同角65歩77銀55角
手数が長いですが一本道で、清算して角をさばかれてこれではだめでしょう。
26飛と片方だけ受けたら
56銀成67銀55成銀
55同銀同角同角同飛
形勢は互角ですが後手も十分さばけました。
形勢が互角かやや指しよいと思えば、自然な手を選びます。
問題図で銀は取れない、66銀と56歩の両取りですから、66銀と56銀の両方を防ぐ手を考えます。
実戦の55銀は少し怖いのですが、後で64銀という攻め筋もあるので、問題がなければ選択したいという手です。相手の手を読まないと指しきれませんから、読みが得意な人向けです。
55歩は一番普通ですが、66銀同銀で相手の手番で(忙しくないのでなんでも選べる)、いつでも55角から攻められそうなので、ちょっと不安です。
44桂は金取りですが56銀を受けていないので手抜かれたら金を取るのがそっぽに行く感じです。
55桂が一番堅実ですね。55の地点に利きが3枚、怖いのは54歩で取られることですが、後手は歩切れです。
44桂がアウトで、55桂がセーフ、こういう感覚は身につけておきたいです。
細部修正しました。20170524
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