名南将棋大会ブログ 名古屋

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20151210今日の一手<その230>; 鳥刺しの心得

2015-12-10 | 今日の一手
20151210今日の一手

先月28日の名南将棋大会からHさんとJさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。








昨日の一手の回答

形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。横からの攻めならあまり違いませんが。
先手の攻め駒は79角1枚。
後手の攻め駒は33角1枚。
総合すれば互角です。

大局観として
先手陣は鳥刺しと呼ばれます。57銀左の急戦の形で76歩を突かずに79角と引きます。これはいわゆる飯島流引き角(平美濃引き角)よりはよほど優秀です。玉は薄いのですが、攻撃がスムーズにできます。
派生形として、39銀の形で左銀で攻めるとか、そもそも玉の移動を後回しにしてしまうとかの工夫も見たことがあります。
問題図では9筋はつかないほうがいいです。振り飛車から94歩でも無視して攻撃を目指します。端の突きあいは飛車交換の後で95歩同歩97歩同香96歩同香98飛という筋があるので、振り飛車のほうがポイントを上げているのです。16歩もほぼ意味がないです。37の地点は銀で守っているので、桂馬をはねるにしても15角の筋はそんなに怖くないです。そしてひたすら急戦を目指します。玉が堅くならないので、攻めてポイントを上げるのです。66銀は少し損で、46に出たいですし、45歩の形なら46歩同歩同銀とできれば攻めやすいです。先手はそれで少し損をしています。
後手は54に銀を出たのですが、いつでも先手から55歩の決戦があるので44銀のほうがいいのかなという気はします。その前に45歩が問題で、争点を与えるので突かないほうがいいです。さらには22飛(42飛から)とまわらせられたのが4筋を薄くしてぎこちないです。つまり、22飛なら43銀44歩のほうがいい形で、45歩56銀なら42飛のほうがいい形です。
問題図では53の地点に駒が利いていないので、先手が仕掛けるチャンスです。


△ 実戦は26飛でした。様子見です。

52金左に35歩同歩同角とできるのですが、34歩68角64歩59金右

先手陣は堅くなっていませんが、後手陣はしっかりしてきます。
36飛43金55歩と仕掛けました。

55同銀45桂44角55銀同角46角

46同角同飛44銀

角銀の総交換で桂馬も使ったのですが、後続手段が乏しいのです。以下は24歩同歩23歩62飛52歩28角

という展開です。先手は微妙な手を続けてどうにか攻めているのですが、後手は飛車を取って攻めるのでわかりやすいです。


○ 55歩と突いて攻めたいところです。

55同銀なら45桂44角55銀同角46角

実戦と同じ攻め方ですが、53桂成(不成)が残ります。46同角同歩64角

57銀44歩には43角も有力ですが33銀も成立するようです。

33同桂同桂成62飛76桂

76桂なんてまず見ない筋ですが、引き角特有ですね。55角には56歩、75角には66銀で角が死んでいます。

最初の55歩には43銀と我慢するほうが難しいです。45桂44角で

37銀64歩に46銀が間に合いました。先手も銀2枚が上に行ったので玉が薄くなって指し手は難しいのですが、攻め筋は35歩同歩同銀です。その前に57銀左~56銀と直しておくべきかどうか。右銀が動くと65歩が気になります。これからですが、やや先手もちでしょうか。振り飛車党ならこれくらい十分とみるかもしれませんが。


△ 55銀と行くのは工夫ですが

43銀なら(45桂ではなくて)46歩

これは先手が指しやすくなりそうです。

55銀には同銀同歩52金左

45桂と行くのでは前の変化より1手損(52金左が大きい)ですし、56銀か46歩かよくわかりません。互角でしょう。


× 46歩と行くのは

45同歩同角42飛

これは振り飛車が軽いです。45歩には同銀で同桂同飛47銀なら54桂で困ります。

であれば、46同歩には57銀引と戻すのですが、65銀

どうにも動きにくいです。66銀がよくないと書いたのはこれが理由です。


△ 35歩もあります。

35同歩同角に52金左が必要で(36歩も53角成)

34歩51角44角12飛

ここまでは気持ちいいですね。
24歩同歩33歩成同桂24飛

と飛車をさばきます。36歩23飛成に46歩が好手

38金47歩成同金37歩成同銀

ここで45桂は46銀42飛33角成で難しく


桂馬を捨てて42飛33竜43金

これで飛車交換でどちらがよいかということになります。
先手の金銀が離れているので後手が少し指しやすいか。

☆ まとめ
問題図ではというか、鳥刺しなら玉が堅くならないので、1手でも先に攻めたいのです。少し有利な形にしてからどうするか、寄せに行くか自陣も見るかということを考えます。

攻めるなら55歩が最初に考える手で、43銀を気にして55銀から行くべきかの比較です。後手陣の5筋の薄さをつきたいのです。

46歩は66銀としたのとかみ合っていなくて、やりたいけれど何か違う感じがします。

35歩は考えてみると手は続きそうで、これは悩みます。桂馬を取られそうでやりにくい手ですが。

急戦の将棋も楽しいでしょう。金銀4枚で囲って(うまく囲えたとして)それから攻めるのでは、細い攻め筋を切れないように攻めなければいけないので難しいのです。急戦では少し玉が薄くても、攻め駒が多いので筋を知っていればそれなりの指し手で攻め続けることができるので考えやすいです。



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