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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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大山将棋問題集20200826

2020-08-26 | 大山将棋研究

先手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

桂銀を交換できましたが、両取りで返されました。

A 56銀  B 55同角  C 59飛

 

第2問

 

ぴったりの攻めです。

A 46桂  B 15歩  C 55角

 

第3問

 

ずいぶん危なさそうですが、先手玉が詰まされない確認を。


大山将棋研究(1702);相矢倉(丸田祐三)

2020-08-26 | 大山将棋研究

今日の棋譜20200826

昭和26年8月、丸田祐三先生と第1期王将戦です。

大山先生の先手は矢倉が多いです。

丸田先生も矢倉のようです。

端歩を突き合うというのは、棒銀の出てこないこの時代までのものです。

46歩64歩を突くのは古い指し方で、銀矢倉を目指すのが代表的ですが

さらに5筋を突き合う相矢倉は、この時代だけです。大山先生の37桂~45歩で先後同型から外れてきます。(丸田先生の54歩で44歩としたらどう進んでいたのかに興味があります。)

相矢倉の序盤は角の働きの違いが重要です。53角よりも46角のほうが良い位置(55に近い)なので先手の作戦勝ちになりそう。

丸田先生は袖飛車にして、また82に戻ったりで手待ちをしていくのですが

大山先生は片矢倉(天野矢倉)に組み替えます。先手玉は薄くなっているのですが、好みなのでしょう。

丸田先生は作戦負けなので何もしないほうが良いのですが、7筋の歩を交換します。76歩72飛~74銀と進めば良さそうですが、大山先生は35歩同同角とするのも有力ですし

55歩同歩24歩というのも、1歩もらったので24同歩に25歩があります。

24同銀に76歩72飛55角というのも手順の攻めです。丸田先生の受けとして、12玉15歩同歩14歩では怖すぎます。33桂は46角~35歩同銀同角同歩34歩という攻めだって成立しそう。とすれば33銀か33金上です。これはちょっと違いがあって

33銀は25桂、33金上ならば25桂同銀同飛と進み、先手の飛の位置が変わります。

本譜は54銀33桂成に同桂。金で取るほうが堅いのですが、このほうがいいのかなあ?

46角に55桂が両取り。これで駒損を解消できたかと思ったのですが。(一つ後の図から考えるに、45銀37角51飛として歩を打たせる方が難しかったのです。)

55同角同銀56歩。銀が死んでいます。このまま取られると角歩と銀銀の交換で後手の駒損で、66銀同銀65歩55銀も攻め切れません。

33桂の形だったので、45桂55歩37桂成がありました。丸田先生はここまで読んで33桂成を同桂と取っていたのでしょうか。

成桂を使えば、それほどの駒損ではありません。しかし攻め駒の数はずいぶん違います。

大山先生はもち歩がないので54歩52歩53歩成同歩から83銀。

遊んでいた後手の角を相手にするのは筋が良くないのですが、成桂を使われても

駒を取り合ったところでは歩4と桂の交換、先手玉のほうが少し堅く、攻め駒は5対4。有利は保っています。後手としては手駒の銀を自陣に埋めて81桂をさばいてあれば互角なのですが。

大山先生は46桂33銀26桂。ぴったりした攻めがありました。

銀を打たれて後手玉が堅くなったようでも、数で攻めれば突破できます。

丸田先生の47角28飛は良いとして、36銀と活用するのは意表の手です。45銀同金56角成がねらいですが

金をはがされて悪いです。

指しにくい手でしょうが、金を上がられて

45銀47金56銀同金。ここで厳しい攻めがないのです。

75歩同歩同飛は76歩に35飛のねらい。丸田先生らしい軽い攻めですが、76歩の時に過去には45に合った角を取って攻めたかった。つまり図を戻しますが

ここで75歩同歩同飛76歩45飛同金56角。あるいは47角28飛を入れたところで、75歩同歩同飛76歩45飛同金56角成が実現できれば有利(実現できるかの勝負)でした。

また戻して

この図から、

33歩同銀34歩と進みます。先手は歩切れですが、銀を逃げて33銀と打ち込まれたら受けが無くなっていきます。

よって76歩33歩成77歩成

77同桂33金。こういう寄せ合いになった時に、互いの玉の位置、先手の28飛の守備力が違います。よって一目は先手の勝ちです。

大山先生は34桂同金23飛成。後手玉はほぼ受けなし(32金を打たれたら少し長いけれど)ですが、先手玉は28飛の横利きが無くなり、桂を渡して大丈夫でしょうか。

即詰みはなく、大山先生の勝ちでした。

 

よくある展開ですが、作戦負けのほうが動いて隙を作ると危なくなります。大山先生の反撃が厳しいのですが、歩切れになり(これも良くあるが悪い傾向)、遊んでいた82角を相手にするのは筋が悪くて、怪しくなっています。丸田先生は勝負手を逃して負けました。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1951/08/30
手合割:平手  
先手:大山九段
後手:丸田祐三8段
手数----指手--
   1 7六歩(77)  
   2 8四歩(83)  
   3 7八銀(79)  
   4 3四歩(33)  
   5 7七銀(78)  
   6 6二銀(71)  
   7 2六歩(27)  
   8 4二銀(31)  
   9 4八銀(39)  
  10 8五歩(84)  
  11 7八金(69)  
  12 3二金(41)  
  13 6九玉(59)  
  14 4一玉(51)  
  15 5八金(49)  
  16 5二金(61)  
  17 1六歩(17)  
  18 1四歩(13)  
  19 9六歩(97)  
  20 9四歩(93)  
  21 2五歩(26)  
  22 3三銀(42)  
  23 3六歩(37)  
  24 7四歩(73)  
  25 4六歩(47)  
  26 6四歩(63)  
  27 5六歩(57)  
  28 6三銀(62)  
  29 3七桂(29)  
  30 5四歩(53)  
  31 4五歩(46)  
  32 3一角(22)  
  33 7九角(88)  
  34 5三角(31)  
  35 4六角(79)  
  36 6二角(53)  
  37 6六歩(67)  
  38 3一玉(41)  
  39 7九玉(69)  
  40 2二玉(31)  
  41 2九飛(28)  
  42 7二飛(82)  
  43 6七金(58)  
  44 7三角(62)  
  45 8八玉(79)  
  46 8二飛(72)  
  47 4七銀(48)  
  48 4二金(52)  
  49 6八金(78)  
  50 7二飛(82)  
  51 7八玉(88)  
  52 8二角(73)  
  53 1八香(19)  
  54 7五歩(74)  
  55 同 歩(76)  
  56 同 飛(72)  
  57 5五歩(56)  
  58 同 歩(54)  
  59 2四歩(25)  
  60 同 銀(33)  
  61 7六歩打    
  62 7一飛(75)  
  63 5五角(46)  
  64 3三銀(24)  
  65 2五桂(37)  
  66 5四銀(63)  
  67 3三桂成(25)
  68 同 桂(21)  
  69 4六角(55)  
  70 5五桂打    
  71 同 角(46)  
  72 同 銀(54)  
  73 5六歩打    
  74 4五桂(33)  
  75 5五歩(56)  
  76 3七桂成(45)
  77 5六銀(47)  
  78 3六成桂(37)
  79 5四歩(55)  
  80 5二歩打    
  81 5三歩成(54)
  82 同 歩(52)  
  83 8三銀打    
  84 7三角(82)  
  85 7四銀成(83)
  86 4六成桂(36)
  87 7三成銀(74)
  88 5六成桂(46)
  89 同 金(67)  
  90 7三飛(71)  
  91 4六桂打    
  92 3三銀打    
  93 2六桂打    
  94 2五銀打    
  95 4五角打    
  96 4七角打    
  97 2八飛(29)  
  98 3六銀(25)  
  99 3四桂(26)  
 100 3一玉(22)  
 101 4二桂成(34)
 102 同 銀(33)  
 103 5七金(68)  
 104 4五銀(36)  
 105 4七金(57)  
 106 5六銀(45)  
 107 同 金(47)  
 108 7五歩打    
 109 同 歩(76)  
 110 同 飛(73)  
 111 3三歩打    
 112 同 銀(42)  
 113 3四歩打    
 114 7六歩打    
 115 3三歩成(34)
 116 7七歩成(76)
 117 同 桂(89)  
 118 3三金(32)  
 119 3四桂(46)  
 120 同 金(33)  
 121 2三飛成(28)
 122 8六桂打    
 123 同 歩(87)  
 124 8七角打    
 125 6八玉(78)  
 126 投了        
まで125手で先手の勝ち