先手番大山先生の手を考えます。
第1問
桂銀を交換できましたが、両取りで返されました。
A 56銀 B 55同角 C 59飛
第2問
ぴったりの攻めです。
A 46桂 B 15歩 C 55角
第3問
ずいぶん危なさそうですが、先手玉が詰まされない確認を。
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
桂銀を交換できましたが、両取りで返されました。
A 56銀 B 55同角 C 59飛
第2問
ぴったりの攻めです。
A 46桂 B 15歩 C 55角
第3問
ずいぶん危なさそうですが、先手玉が詰まされない確認を。
今日の棋譜20200826
昭和26年8月、丸田祐三先生と第1期王将戦です。
大山先生の先手は矢倉が多いです。
丸田先生も矢倉のようです。
端歩を突き合うというのは、棒銀の出てこないこの時代までのものです。
46歩64歩を突くのは古い指し方で、銀矢倉を目指すのが代表的ですが
さらに5筋を突き合う相矢倉は、この時代だけです。大山先生の37桂~45歩で先後同型から外れてきます。(丸田先生の54歩で44歩としたらどう進んでいたのかに興味があります。)
相矢倉の序盤は角の働きの違いが重要です。53角よりも46角のほうが良い位置(55に近い)なので先手の作戦勝ちになりそう。
丸田先生は袖飛車にして、また82に戻ったりで手待ちをしていくのですが
大山先生は片矢倉(天野矢倉)に組み替えます。先手玉は薄くなっているのですが、好みなのでしょう。
丸田先生は作戦負けなので何もしないほうが良いのですが、7筋の歩を交換します。76歩72飛~74銀と進めば良さそうですが、大山先生は35歩同同角とするのも有力ですし
55歩同歩24歩というのも、1歩もらったので24同歩に25歩があります。
24同銀に76歩72飛55角というのも手順の攻めです。丸田先生の受けとして、12玉15歩同歩14歩では怖すぎます。33桂は46角~35歩同銀同角同歩34歩という攻めだって成立しそう。とすれば33銀か33金上です。これはちょっと違いがあって
33銀は25桂、33金上ならば25桂同銀同飛と進み、先手の飛の位置が変わります。
本譜は54銀33桂成に同桂。金で取るほうが堅いのですが、このほうがいいのかなあ?
46角に55桂が両取り。これで駒損を解消できたかと思ったのですが。(一つ後の図から考えるに、45銀37角51飛として歩を打たせる方が難しかったのです。)
55同角同銀56歩。銀が死んでいます。このまま取られると角歩と銀銀の交換で後手の駒損で、66銀同銀65歩55銀も攻め切れません。
33桂の形だったので、45桂55歩37桂成がありました。丸田先生はここまで読んで33桂成を同桂と取っていたのでしょうか。
成桂を使えば、それほどの駒損ではありません。しかし攻め駒の数はずいぶん違います。
大山先生はもち歩がないので54歩52歩53歩成同歩から83銀。
遊んでいた後手の角を相手にするのは筋が良くないのですが、成桂を使われても
駒を取り合ったところでは歩4と桂の交換、先手玉のほうが少し堅く、攻め駒は5対4。有利は保っています。後手としては手駒の銀を自陣に埋めて81桂をさばいてあれば互角なのですが。
大山先生は46桂33銀26桂。ぴったりした攻めがありました。
銀を打たれて後手玉が堅くなったようでも、数で攻めれば突破できます。
丸田先生の47角28飛は良いとして、36銀と活用するのは意表の手です。45銀同金56角成がねらいですが
金をはがされて悪いです。
指しにくい手でしょうが、金を上がられて
45銀47金56銀同金。ここで厳しい攻めがないのです。
75歩同歩同飛は76歩に35飛のねらい。丸田先生らしい軽い攻めですが、76歩の時に過去には45に合った角を取って攻めたかった。つまり図を戻しますが
ここで75歩同歩同飛76歩45飛同金56角。あるいは47角28飛を入れたところで、75歩同歩同飛76歩45飛同金56角成が実現できれば有利(実現できるかの勝負)でした。
また戻して
この図から、
33歩同銀34歩と進みます。先手は歩切れですが、銀を逃げて33銀と打ち込まれたら受けが無くなっていきます。
よって76歩33歩成77歩成
77同桂33金。こういう寄せ合いになった時に、互いの玉の位置、先手の28飛の守備力が違います。よって一目は先手の勝ちです。
大山先生は34桂同金23飛成。後手玉はほぼ受けなし(32金を打たれたら少し長いけれど)ですが、先手玉は28飛の横利きが無くなり、桂を渡して大丈夫でしょうか。
即詰みはなく、大山先生の勝ちでした。
よくある展開ですが、作戦負けのほうが動いて隙を作ると危なくなります。大山先生の反撃が厳しいのですが、歩切れになり(これも良くあるが悪い傾向)、遊んでいた82角を相手にするのは筋が悪くて、怪しくなっています。丸田先生は勝負手を逃して負けました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1951/08/30
手合割:平手
先手:大山九段
後手:丸田祐三8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 6二銀(71)
7 2六歩(27)
8 4二銀(31)
9 4八銀(39)
10 8五歩(84)
11 7八金(69)
12 3二金(41)
13 6九玉(59)
14 4一玉(51)
15 5八金(49)
16 5二金(61)
17 1六歩(17)
18 1四歩(13)
19 9六歩(97)
20 9四歩(93)
21 2五歩(26)
22 3三銀(42)
23 3六歩(37)
24 7四歩(73)
25 4六歩(47)
26 6四歩(63)
27 5六歩(57)
28 6三銀(62)
29 3七桂(29)
30 5四歩(53)
31 4五歩(46)
32 3一角(22)
33 7九角(88)
34 5三角(31)
35 4六角(79)
36 6二角(53)
37 6六歩(67)
38 3一玉(41)
39 7九玉(69)
40 2二玉(31)
41 2九飛(28)
42 7二飛(82)
43 6七金(58)
44 7三角(62)
45 8八玉(79)
46 8二飛(72)
47 4七銀(48)
48 4二金(52)
49 6八金(78)
50 7二飛(82)
51 7八玉(88)
52 8二角(73)
53 1八香(19)
54 7五歩(74)
55 同 歩(76)
56 同 飛(72)
57 5五歩(56)
58 同 歩(54)
59 2四歩(25)
60 同 銀(33)
61 7六歩打
62 7一飛(75)
63 5五角(46)
64 3三銀(24)
65 2五桂(37)
66 5四銀(63)
67 3三桂成(25)
68 同 桂(21)
69 4六角(55)
70 5五桂打
71 同 角(46)
72 同 銀(54)
73 5六歩打
74 4五桂(33)
75 5五歩(56)
76 3七桂成(45)
77 5六銀(47)
78 3六成桂(37)
79 5四歩(55)
80 5二歩打
81 5三歩成(54)
82 同 歩(52)
83 8三銀打
84 7三角(82)
85 7四銀成(83)
86 4六成桂(36)
87 7三成銀(74)
88 5六成桂(46)
89 同 金(67)
90 7三飛(71)
91 4六桂打
92 3三銀打
93 2六桂打
94 2五銀打
95 4五角打
96 4七角打
97 2八飛(29)
98 3六銀(25)
99 3四桂(26)
100 3一玉(22)
101 4二桂成(34)
102 同 銀(33)
103 5七金(68)
104 4五銀(36)
105 4七金(57)
106 5六銀(45)
107 同 金(47)
108 7五歩打
109 同 歩(76)
110 同 飛(73)
111 3三歩打
112 同 銀(42)
113 3四歩打
114 7六歩打
115 3三歩成(34)
116 7七歩成(76)
117 同 桂(89)
118 3三金(32)
119 3四桂(46)
120 同 金(33)
121 2三飛成(28)
122 8六桂打
123 同 歩(87)
124 8七角打
125 6八玉(78)
126 投了
まで125手で先手の勝ち