先手番大野先生の手を考えます。
第1問
攻めを続けるには?
A 24歩 B 37桂 C 27角
第2問
後手から37銀が見えていますが、甘受します。
A 27飛 B 15角 C 46歩
第3問
31金を打ってしまって心細いかもしれませんが、継続手があります。
A 33銀成 B 32歩 C 35歩
先手番大野先生の手を考えます。
第1問
攻めを続けるには?
A 24歩 B 37桂 C 27角
第2問
後手から37銀が見えていますが、甘受します。
A 27飛 B 15角 C 46歩
第3問
31金を打ってしまって心細いかもしれませんが、継続手があります。
A 33銀成 B 32歩 C 35歩
今日の棋譜20200803
大山康晴全集では、橋本三治先生(2段)と飛落ちの将棋が載っていますが、省略します。
昭和26年1月、大野源一先生と名人A級選抜勝継戦です。
中飛車のような始まりですが
大野先生は居飛車です。大山先生はうそ矢倉や雁木もあるのですが
角換わりです。5筋を突き合っているのは今ではみませんが、これで2局目です。
先手の78玉型は定番なのでしょうか。大山先生は9筋の位を取って
普通に玉を囲います。ところで初期のころは角換わりでも42玉ではなくて41玉としています。相掛りでも同様で、角を交換する場合は42玉のまま戦えるということまで考えていなかったのでしょう。
手が進んでいる大野先生は攻勢を取ります。早繰り銀にして
今ならば35歩同歩同銀で十分だと考えるところなのですが、73角のけん制を気にしたのでしょうか、55歩から。1歩持てば攻めやすくなります。
大山先生は44銀54歩同銀、中央に銀2枚を並べるのが好形だと考えられていた時代です。飛車先の歩を切って先手十分でしょうが
大野先生は35歩同歩27角。こういう自陣角が見えるのは才能なのでしょうか、棋力に応じてなのでしょうか、私にはさっぱり見えません。52飛や53銀の受けには55歩を打てば63角成が実現します。
大山先生は36角と合わせるしか受けがなさそうですが、角を引かれては36角は死にそうです。
54銀を移動するのは仕方のないところでしょう。大野先生はその銀を呼び込んで
追い返せば
後手の角を殺せます。銀歩と角の2枚替えは駒得とも言い切れないことがあるのですが
逃げるよと言われたら取るしかないです。
後手の3筋の歩が伸びて、銀を打ち込まれます。(直前の46歩では16角とか27飛とか受けることもできましたが。)
大野先生は飛のほうを捨てて
角を成ります。飛桂と角の交換は駒損ですが、玉の堅さが違いますから、攻めが続くのならば有利です。
32玉に64角は好打ですが、後に出てくる35歩や45歩を先にするのもありました。41銀22玉64馬~31角12玉42馬で寄せ切れるかどうかというのもありました。
73歩に42銀というのも筋、42同飛同角成同玉41飛32玉61飛成は勝ちでしょう。
52金の受けを同馬
52同飛31金22玉35歩。この35歩のタイミングがもっと先だったかということがあります。意味は35同銀右21金同玉33銀成。あるいは35同銀直45歩同銀21金同玉33銀成です。
手順前後で53歩の受けが生じてしまいましたが、銀を取れるのは大きいです。
42銀を不成で入り
銀を成って、32同飛から清算すると
金銀を飛と交換したのは損ですが、王手桂取りで取り返せそうです。
単に81飛成ではなく銀をかけて
桂を取って54桂も利きます。寄せ切れそうな雰囲気ですが
62歩に同飛成とするのは難しくしたかもしれません。42桂成同玉81飛成はちょっと長くなりそうですが十分でした。
攻めているのは3枚くらいですが、64角を使い切れなければ2枚だけです。(81飛成は73角成とできるので攻め駒が4枚になりそうだった。)
41金42銀成同銀51銀41銀・・・という千日手手順ですが、一度42銀不成が入っているので、当時の規定(同一手順3回)では千日手成立はどの時点かの判断が難しいです。
またこの局面で41同金同玉61竜32玉81竜とする打開策もありました。
千日手の規定で長くなりましたが、130手で千日手です。
大野先生有利で決め手もありそうでしたが逃した格好です。日を改めて指し直しになりました。その日のうちに指し直しでないならば、千日手は選びやすかったかもしれません。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1951/01/15
手合割:平手
先手:大野源一8段
後手:大山九段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 6八銀(79)
8 3四歩(33)
9 4八銀(39)
10 6二銀(71)
11 2六歩(27)
12 7七角成(22)
13 同 銀(68)
14 4二銀(31)
15 2五歩(26)
16 3三銀(42)
17 6八玉(59)
18 9四歩(93)
19 7八玉(68)
20 9五歩(94)
21 5七銀(48)
22 3二金(41)
23 6八金(69)
24 4一玉(51)
25 3六歩(37)
26 5三銀(62)
27 4六銀(57)
28 7四歩(73)
29 5五歩(56)
30 4四銀(33)
31 5四歩(55)
32 同 銀(53)
33 3五歩(36)
34 同 歩(34)
35 2七角打
36 3六角打
37 3八角(27)
38 6五銀(54)
39 6六歩(67)
40 5六銀(65)
41 5八金(49)
42 3三金(32)
43 5七歩打
44 4五銀(56)
45 3七銀(46)
46 3四銀(45)
47 3六銀(37)
48 同 歩(35)
49 4六歩(47)
50 3七銀打
51 同 桂(29)
52 同 歩成(36)
53 7四角(38)
54 2八と(37)
55 6三角成(74)
56 3二玉(41)
57 6四角打
58 7三歩打
59 4二銀打
60 5二金(61)
61 同 馬(63)
62 同 飛(82)
63 3一金打
64 2二玉(32)
65 3五歩打
66 5三歩打
67 3四歩(35)
68 同 金(33)
69 4一銀(42)
70 6二飛(52)
71 3二銀成(41)
72 同 飛(62)
73 同 金(31)
74 同 玉(22)
75 8二飛打
76 4二桂打
77 5一銀打
78 3一銀打
79 4二銀成(51)
80 同 銀(31)
81 5四桂打
82 6二歩打
83 同 飛成(82)
84 5一銀打
85 4二桂成(54)
86 同 銀(51)
87 5一銀打
88 4一金打
89 4二銀成(51)
90 同 金(41)
91 5一銀打
92 4一銀打
93 4二銀(51)
94 同 銀(41)
95 5二金打
96 4一銀打
97 4二金(52)
98 同 銀(41)
99 5一銀打
100 4一金打
101 4二銀成(51)
102 同 金(41)
103 5一銀打
104 4一銀打
105 4二銀成(51)
106 同 銀(41)
107 5二金打
108 4一銀打
109 4二金(52)
110 同 銀(41)
111 5一銀打
112 4一金打
113 4二銀成(51)
114 同 金(41)
115 5一銀打
116 4一銀打
117 4二銀成(51)
118 同 銀(41)
119 5二金打
120 4一銀打
121 4二金(52)
122 同 銀(41)
123 5一銀打
124 4一金打
125 4二銀成(51)
126 同 金(41)
127 5一銀打
128 4一銀打
129 4二銀成(51)
130 同 銀(41)
131 千日手
まで130手で千日手