先手番大山先生の手を考えます。
第1問
後手は袖飛車でした。先攻をねらいます。
A 35歩 B 46角 C 57銀
第2問
これが気が付きにくい手で、大きな効果を発揮しました。
A 45歩 B 42歩 C 22歩
第3問
これも気が付きにくい手です。
A 46角 B 64歩 C 66銀
第4問
ここまでくればわかるでしょうか。
A 77桂 B 65銀 C 64歩
第5問
即詰みです。
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
後手は袖飛車でした。先攻をねらいます。
A 35歩 B 46角 C 57銀
第2問
これが気が付きにくい手で、大きな効果を発揮しました。
A 45歩 B 42歩 C 22歩
第3問
これも気が付きにくい手です。
A 46角 B 64歩 C 66銀
第4問
ここまでくればわかるでしょうか。
A 77桂 B 65銀 C 64歩
第5問
即詰みです。
今日の棋譜20200817 千日手だったので指し直し局も並べます。
時系列がずれますが、昭和26年8月、坂口允彦先生と第6期A級順位戦千日手指し直し局です。
大山先生の先手で矢倉です。
56歩と64歩の対抗は、相矢倉では56歩のほうが新型です。
33角~51角とする指し方を何局か並べましたが、坂口先生は33銀で受けました。これだと角の移動に手数がかかります。
袖飛車にして7筋の歩を交換し、63銀~74銀とする指し方はあります。しかしこれも手数がかかるので
大山先生の早繰り銀の足が早く、先手の作戦勝ちです。坂口先生は初志貫徹で75歩同歩同飛とするのかと思ったのですが
41玉は先手の攻めが速くなるという意味もあります。早速攻められて
銀をさばかれて
85歩をねらわれます。
飛を8筋に戻るのでは2手損、先手も25飛~28飛としているので1手損ですが、攻めの銀をさばかれた損は大きいです。
銀を打たされるのも少し損ですし
桂を使って攻められるのも嫌です。45同歩同桂44銀34銀ではつぶれています。45同歩同桂43金右33桂成同桂ならば案外に難しいかもしれませんが
駒損になるので45歩を取らずに駒組を進めたくなります。玉は52に移動して、作戦負けを解消できるかどうか。
次第に上部が手厚くなり、まあまあ戦えそうになってきました。大山先生はきれいな形なのですが、その分は玉の囲いが遅れています。
玉を囲わずに攻めてしまうのは良くないかもしれません。作戦勝ちの時には陣形を整えて、相手の無理な動きを待つのが一番ですから。ここで坂口先生は33桂44銀同金という強い受け方もありますが
71角はやわらかい感じです。銀を取られて同角はちょっとばからしいか。
44同金に42歩。42同玉は24歩同歩同角が怖いです。放置していつでも41銀を打たれるのもかなりの負担ですが
36銀38歩33桂というのはもたれて指している感じです。これならば42玉の余裕ができるか。
大山先生は26飛35歩65歩。思わぬところに手が伸びました。65同歩には46角が利きますし、41銀42玉32銀成同玉64歩同銀63金という攻め筋もできます。ただそれだけでうまくいくかどうか。
坂口先生の53角は手堅い感じです。大山先生は66銀と圧力をかけます。後手は42玉、45歩、などの受けも有力ですが
65歩を取りたくなります。大山先生は46角。飛か角の筋に入っているので
83飛が普通の受けですが77桂。73角成同飛65桂ねらいです。その筋は受けにくいので
66歩は仕方のないところですが、ここでも73角成から
桂を跳ねて飛角両取り、72飛に53桂成では銀損です。でもここで切り札の41銀があって
銀銀と金桂の交換で成桂ができれば駒得です。攻め駒も5枚あるので切れることはありません。坂口先生は適当な受けがないので
67銀同金右同歩成同金66歩。これは58銀から王手が続きますが、詰みではないようです。つまり67歩成が詰めろの2手すき。金を逃げられても詰めろはかかります。
後手玉に詰めろ以上の手で迫れば大山先生が勝ちそうです。
42歩は詰めろで71飛が詰めろ逃れ。
24歩が詰めろで、24同歩同飛23歩44飛も詰めろで受け無しになるところでした。坂口先生の25桂が詰めろ逃れになっているかどうか。
残念ながら23歩成同玉15桂から詰んでいました。大山先生の勝ち。
大山先生の攻めは危うく見えるのですが、左の銀桂を使えてからは気持ちよく攻められました。ただし寄せ合いは1手違いで、先手玉が薄いことのマイナスもあります。後手に攻防の手が出なかったので幸いしました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1951/08/01
手合割:平手
先手:大山九段
後手:坂口允彦8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 3二金(41)
7 5六歩(57)
8 6二銀(71)
9 4八銀(39)
10 6四歩(63)
11 2六歩(27)
12 8五歩(84)
13 7八金(69)
14 4二銀(31)
15 2五歩(26)
16 3三銀(42)
17 3六歩(37)
18 7四歩(73)
19 7九角(88)
20 7二飛(82)
21 5七銀(48)
22 6三銀(62)
23 4六銀(57)
24 4一玉(51)
25 3五歩(36)
26 同 歩(34)
27 同 銀(46)
28 3四歩打
29 2四歩(25)
30 同 歩(23)
31 同 銀(35)
32 同 銀(33)
33 同 飛(28)
34 2三歩打
35 2五飛(24)
36 7三桂(81)
37 2八飛(25)
38 8二飛(72)
39 2五銀打
40 3三銀打
41 3七桂(29)
42 4四歩(43)
43 4六歩(47)
44 5二金(61)
45 4五歩(46)
46 4三金(52)
47 5八金(49)
48 3一角(22)
49 6九玉(59)
50 5二玉(41)
51 6六歩(67)
52 5四歩(53)
53 3六銀(25)
54 5三角(31)
55 4四歩(45)
56 同 銀(33)
57 4五銀(36)
58 7一角(53)
59 4四銀(45)
60 同 金(43)
61 4二歩打
62 3六銀打
63 3八歩打
64 3三桂(21)
65 2六飛(28)
66 3五歩(34)
67 6五歩(66)
68 5三角(71)
69 6六銀(77)
70 6五歩(64)
71 4六角(79)
72 8三飛(82)
73 7七桂(89)
74 6六歩(65)
75 7三角成(46)
76 同 飛(83)
77 6五桂(77)
78 7二飛(73)
79 4一銀打
80 4二玉(52)
81 3二銀成(41)
82 同 玉(42)
83 5三桂成(65)
84 6七銀打
85 同 金(78)
86 同 歩成(66)
87 同 金(58)
88 6六歩打
89 4二歩打
90 7一飛(72)
91 2四歩打
92 2五桂(33)
93 2三歩成(24)
94 同 玉(32)
95 1五桂打
96 3四玉(23)
97 2三角打
98 2四玉(34)
99 3四金打
100 投了
まで99手で先手の勝ち
今日の棋譜20200817
昭和26年6月、坂口允彦先生と第6期A級順位戦です。
大山先生が角換わりに応じるのは珍しいのですが、タイトルホルダーでもあるし、苦手な戦型を作らないようにと考えていた頃なのかもしれません。
腰掛銀に向けて駒組が進行します。
坂口先生の48金は現代調ですが
29飛ではなくて47金でした。
この図から仕掛けられるかどうかですが、45歩同歩同桂42銀75歩同歩(65桂か)74歩の筋は決行しにくいか。45歩同歩同銀は46歩同金45銀同金39角という反撃があります。66歩を突くと後手から攻められるかも。ということで仕掛けにくいのですが
26飛と待ったら63金
48金には42飛。ここに飛を回られると45歩の仕掛けは無理そうです。
88玉に62金、これで仕掛けにくくなって、79玉~88玉と一人千日手で待っていたら
大山先生は41飛~81飛で待ちます。ここから79玉41飛88玉81飛を繰り返して千日手でした。今の規定では同一局面4回なので、79玉41飛まで指して60手で千日手成立です。
この時期だけ千日手が多いのですが、後日指し直しの影響でしょうね。この将棋が6月20日、5局挟んでの指し直しは8月1日です。
そういえば大山先生の角換わり腰掛銀後手番で、千日手ねらいのマムシ戦法というのがあったのですが、43歩63銀型で81飛~41飛と待っているのではなかったかなあ?そのうちに出てくるでしょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1951/06/20
手合割:平手
先手:坂口允彦8段
後手:大山九段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 2六歩(27)
4 8五歩(84)
5 2五歩(26)
6 3二金(41)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 8八銀(79)
10 7七角成(22)
11 同 銀(88)
12 2二銀(31)
13 3八銀(39)
14 3三銀(22)
15 7八金(69)
16 6二銀(71)
17 4六歩(47)
18 6四歩(63)
19 4七銀(38)
20 6三銀(62)
21 3六歩(37)
22 7四歩(73)
23 4八金(49)
24 4二玉(51)
25 1六歩(17)
26 1四歩(13)
27 6八玉(59)
28 5二金(61)
29 3七桂(29)
30 9四歩(93)
31 9六歩(97)
32 5四銀(63)
33 5六銀(47)
34 4四歩(43)
35 4七金(48)
36 3一玉(42)
37 7九玉(68)
38 7三桂(81)
39 2六飛(28)
40 6三金(52)
41 4八金(47)
42 4二飛(82)
43 5八金(48)
44 2二玉(31)
45 8八玉(79)
46 6二金(63)
47 7九玉(88)
48 4一飛(42)
49 8八玉(79)
50 8一飛(41)
51 7九玉(88)
52 4一飛(81)
53 8八玉(79)
54 8一飛(41)
55 7九玉(88)
56 4一飛(81)
57 8八玉(79)
58 8一飛(41)
59 千日手
まで58手で千日手