先手番塚田先生の手を考えます。
第1問
返し技です。
A 54角 B 56角 C 66銀
第2問
銀損ですが取り返せます。
A 55角 B 71角 C 54銀
第3問
ここの受けを読み切るのは大変です。危ないけれど受けは続きました。
A 69歩 B 69金 C 69飛
第4問
詰めろをかけられました。
A 26銀 B 36歩 C 59金寄
第5問
ここから即詰みです。長いですがあまり迷わないかも。
先手番塚田先生の手を考えます。
第1問
返し技です。
A 54角 B 56角 C 66銀
第2問
銀損ですが取り返せます。
A 55角 B 71角 C 54銀
第3問
ここの受けを読み切るのは大変です。危ないけれど受けは続きました。
A 69歩 B 69金 C 69飛
第4問
詰めろをかけられました。
A 26銀 B 36歩 C 59金寄
第5問
ここから即詰みです。長いですがあまり迷わないかも。
今日の棋譜20200813 千日手だったのでもう1局。
昭和26年4月、塚田正夫先生と毎日東西対抗千日手指し直し局です。前局の5日後に指し直されました。
先後入れ替えではなかったようで、またも塚田先生の先手です。大山先生は得意ではないのですが角換わりに応じました。
塚田先生は気が変わったのか、筋違い角にしました。(この局面では)手損しないで角を打てるので、プロも指すことがあります。
ここで46歩と突くか、66歩と突くかを選ばなければなりません。私が見たことがあるのは46歩から向い飛車にするものばかりです。66歩から左に引いて棒銀にするのは、角の途中下車があるので、最初に76歩34歩22角成とするのと同じで手損を感じるのでしょう。
本局では1筋の突き合いがあるので
66歩でした。大山先生は居玉のまま(棒銀がわかっているので囲いにくい)右銀を繰り出します。
塚田先生は一度45角として
84飛を誘ってから棒銀を目指します。対して大山先生の64飛は意欲的ですが、良くない手でした。
68金66銀の時に65歩。
65同飛に56角64飛83角成。先手からは銀交換して53銀~61馬という筋があります。つまり77銀成は悪手ですが、67銀成はあるのかもしれません。55銀は無難でしょうか。
71金(61馬を防いだ)66銀同飛、これで大丈夫なようですが
77金64飛53銀。ここに銀を打たれるのは怖いです。
74飛に68飛。52銀と受けるのが普通ですが、同銀成同銀61銀を取れず、62玉74馬同歩52飛61玉32飛成は負けでしょう。ほかの逃げ方で63飛成とされるのも悪そうで
41角は苦し気な受けです。対して塚田先生の66金は、飛を取りに行った手ですが、後のことを思えば45銀としておくのが大きな手ですし、48玉くらいの様子見もありました。
72銀同馬同金75金。飛は取れています。
71角を打たれて74金同歩までは進みますが、53銀を取られそうです。でもこの84飛で受け無しに見えていたのかもしれません。でも82金打で効果がなく
82同飛成同金。銀取りを受けられません。52銀打や62銀打などでは銀損で後続の攻めがなく、
銀を捨てて45銀53角54銀というのは破れかぶれです。35角53銀打で決まっていればよいですが、62銀と打たれて決め手が見えません。角損ですから決まらなければ敗勢です。
44銀は助かりました。角を取って
71角が両取り。52飛には63飛成があります。大山先生のうっかりでしょう。
塚田先生は金を取って少し駒得になりました。ただ先手玉が薄いので形勢は互角に近いです。56歩46馬55銀が嫌ですし
79飛の時にどうするかも悩みますが、飛を引きました。
飛交換で67銀が詰めろ。
68金に88飛も詰めろ。
67金78銀58玉
67銀成同玉89飛成。手順に攻められていますが、後手の攻め駒は3→2→3ですから駒得のほうが大きいかも。
59銀を打って金取りを受け、この86歩は何でしょうね。86同歩同竜はたいしたことがないので86同歩でも99竜かと思うのですが
塚田先生は46馬?87歩成は後手の攻め駒が4枚になります。
82飛を打つためでしたか。52歩に58玉。後手の歩で攻める手が消えて、受けやすくなった感じがします。
それでも と金を使われて危なさそうですが、89金の受けもありそうですし
早逃げして銀を取られますが、金を打った形がしっかりしています。
桂を取ってほぼ損得なし、先手玉のほうが少し堅いか。攻め駒は4枚ずつあります。先手もちですが、寄せ合いの速度はどうでしょうか。
後手の26桂は詰めろで27銀と受けます。
38歩も詰めろで36歩と受け
金を取られましたが、先手玉に詰めろがかかりにくくなりました。
34桂31玉73馬は2手すきです。
44金に51馬が詰めろ。後手は34金しかありませんが
塚田先生は詰将棋作家としても知られています。41馬22玉32馬同玉41角
角を切って追いかけていけば
即詰みでした。
乱戦で面白い戦いになりました。形勢も何度か入れ替わっています。ぎりぎりで受ける手も多く、学べるところも多いです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1951/04/22
手合割:平手
先手:塚田正夫前名人
後手:大山九段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 2六歩(27)
4 8五歩(84)
5 2五歩(26)
6 3二金(41)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 6八銀(79)
10 7七角成(22)
11 同 銀(68)
12 2二銀(31)
13 1六歩(17)
14 1四歩(13)
15 4五角打
16 6二銀(71)
17 3四角(45)
18 3三銀(22)
19 5六角(34)
20 5四歩(53)
21 6六歩(67)
22 5三銀(62)
23 3八銀(39)
24 4四銀(53)
25 2七銀(38)
26 5五銀(44)
27 4五角(56)
28 8四飛(82)
29 3六銀(27)
30 6四飛(84)
31 6八金(69)
32 6六銀(55)
33 6五歩打
34 同 飛(64)
35 5六角(45)
36 6四飛(65)
37 8三角成(56)
38 7一金(61)
39 6六銀(77)
40 同 飛(64)
41 7七金(68)
42 6四飛(66)
43 5三銀打
44 7四飛(64)
45 6八飛(28)
46 4一角打
47 6六金(77)
48 7二銀打
49 同 馬(83)
50 同 金(71)
51 7五金(66)
52 7一角打
53 7四金(75)
54 同 歩(73)
55 8四飛打
56 8二金打
57 同 飛成(84)
58 同 金(72)
59 4五銀(36)
60 5三角(71)
61 5四銀(45)
62 4四銀(33)
63 5三銀成(54)
64 同 銀(44)
65 7一角打
66 4二玉(51)
67 8二角成(71)
68 7九飛打
69 6九飛(68)
70 同 飛成(79)
71 同 玉(59)
72 6七銀打
73 6八金打
74 8八飛打
75 6七金(68)
76 7八銀打
77 5八玉(69)
78 6七銀成(78)
79 同 玉(58)
80 8九飛成(88)
81 5九銀打
82 8六歩(85)
83 4六馬(82)
84 8七歩成(86)
85 8二飛打
86 5二歩打
87 5八玉(67)
88 7八龍(89)
89 6八歩打
90 7七と(87)
91 4八玉(58)
92 6八と(77)
93 同 銀(59)
94 同 龍(78)
95 5八金打
96 6九龍(68)
97 8一飛成(82)
98 2六桂打
99 2七銀打
100 3八歩打
101 3六歩(37)
102 3九銀打
103 3七玉(48)
104 4九龍(69)
105 3四桂打
106 3一玉(42)
107 7三馬(46)
108 4四金打
109 5一馬(73)
110 3四金(44)
111 4一馬(51)
112 2二玉(31)
113 3二馬(41)
114 同 玉(22)
115 4一角打
116 3三玉(32)
117 2三角成(41)
118 同 玉(33)
119 2四銀打
120 同 金(34)
121 同 歩(25)
122 同 玉(23)
123 2一龍(81)
124 3三玉(24)
125 3一龍(21)
126 投了
まで125手で先手の勝ち
今日の棋譜20200813
昭和26年4月、塚田正夫先生と毎日東西対抗です。
大山先生は角筋を止めて
向い飛車にしました。この頃の振り飛車は珍しいですが、何局か見ています。
塚田先生は57金戦法(金立ち戦法)です。対中飛車用だとばかり思っていましたが、対向い飛車でも使えるのでしょうか?
大山先生は3筋を先受けします。54歩を突いていないから55歩同歩同金と攻められることはありません。
腰掛銀にしたら、塚田先生は55歩。これで中央の位を取って56金からゆっくり指すのかと思ったのですが
3筋を攻めました。
22角と引かれて、28飛33角38飛22角28飛33角38飛22角・・・という手順で千日手になりました。当時の規定では同一手順3回なので、48手目22角まで指して成立です。
この頃は日を改めて指し直しにしているので、千日手にしやすかったかもしれません。棋戦の数も少ないですし、スポンサーから何も言われなければ良いでしょう。塚田先生は作戦失敗で千日手、というのはわかるのですが、大山先生は22角ではなくて51角か42角として打開させるのもあったでしょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1951/04/17
手合割:平手
先手:塚田正夫前名人
後手:大山九段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 6八玉(59)
10 4三銀(32)
11 7八玉(68)
12 2二飛(82)
13 3六歩(37)
14 6二玉(51)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 5八金(49)
18 7二玉(62)
19 5六歩(57)
20 8二玉(72)
21 6八銀(79)
22 7二銀(71)
23 5七金(58)
24 5二金(41)
25 4六金(57)
26 3二飛(22)
27 5七銀(48)
28 5四銀(43)
29 5五歩(56)
30 4三銀(54)
31 1六歩(17)
32 6四歩(63)
33 3八飛(28)
34 7四歩(73)
35 3五歩(36)
36 2二角(33)
37 2八飛(38)
38 3三角(22)
39 3八飛(28)
40 2二角(33)
41 2八飛(38)
42 3三角(22)
43 3八飛(28)
44 2二角(33)
45 2八飛(38)
46 3三角(22)
47 3八飛(28)
48 2二角(33)
49 千日手
まで48手で千日手