昭和49年6月、米長先生と第15期王位戦です。
米長先生の三間飛車、となれば相振りにはなりませんから
大山先生は6筋の位取りです。後手から54銀が気になるのですが、55歩65銀75歩から77桂で銀は取れます。
米長先生は位取りの圧力を減らすために穴熊に。
大山先生は左美濃から玉頭位取りにチェンジ。
米長先生は銀を繰り出します。大山先生としては素直に3筋の歩を交換させるわけにはいきません。
ここで歩を突きだすのは強気の一手。79角が普通でしょう。
1筋で歩を手に入れて銀を殺しますが
香歩3と銀の交換ですから得とは言えません。端をつきだされて忙しいです。
銀を手放して歩を手に入れるくらいならたいした戦果はありません。
27と が来る前にさばかなければいけません。
桂香を取って飛車あたり。これでよさそうですが
22飛とぶつけられて同馬同角39飛99角成77桂とは指しきれなかったか。逃げるのでは自信がありません。
飛車を取らせて14歩が反撃ですが、角を切られて飛車を取るのでは足りません。
飛車を逃げられて大失敗。米長先生が優勢です。
大山先生は馬を引いて粘ります。
でも歩切れで香を使われるときついです。
米長先生の攻めは重くてもしっかりしています。対して大山先生の41角から55桂は手順前後でしょう。悪くても55桂が先です。こういうところはわかっていても、相手の裏をかくような迷わせる手なのかもしれません。悪いのですから角桂を打つよりも、85歩~86香~96桂~84歩というほうがよかったという気もします。
2枚換えで馬を攻めるのは普通は良い手ではないのですが、清算して66角から57角成で寄せられます。
重い攻めでもよいのは、質駒を手に入れられそうだから。角を逃げれば金を引かれてしまいます。
これも筋の悪い攻め方ですが、取れないのではまずいです。85歩を突いてあればかなり粘れたのですが。
桂馬の両取りで駒柱。
反撃はここまでで、桂打ちは詰めろ。
投了図。
銀香交換での殴り合いです。でも歩切れでは振り飛車がよくなりやすく、米長先生が十分にさばけました。地味で重くて確実な攻め方が穴熊らしい指し方でした。米長先生に疑問手らしい手がないのですが、でもこれは本当に最善か?という手がいっぱい出てきます。穴熊を指す人以外は並べないほうがよさそうです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十段
後手:米長邦雄8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 3五歩(34)
5 5六歩(57)
6 3二飛(82)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 6五歩(66)
14 4四歩(43)
15 5八金(49)
16 4三銀(42)
17 6七金(58)
18 5二金(41)
19 9六歩(97)
20 8二玉(72)
21 9五歩(96)
22 9二香(91)
23 8六歩(87)
24 9一玉(82)
25 8七玉(78)
26 8二銀(71)
27 7八銀(79)
28 7一金(61)
29 2六歩(27)
30 3四飛(32)
31 7五歩(76)
32 1四歩(13)
33 7七銀(78)
34 6二金(52)
35 7八金(69)
36 1三角(22)
37 1六歩(17)
38 5四銀(43)
39 7六銀(77)
40 4五銀(54)
41 4六歩(47)
42 同 銀(45)
43 6四歩(65)
44 同 歩(63)
45 1五歩(16)
46 同 歩(14)
47 同 香(19)
48 1四歩打
49 4七歩打
50 3七銀成(46)
51 同 銀(48)
52 1五歩(14)
53 4六銀(37)
54 3六歩(35)
55 3八飛(28)
56 1六歩(15)
57 2五銀打
58 3二飛(34)
59 4四角(88)
60 3七歩成(36)
61 同 桂(29)
62 1七歩成(16)
63 6三歩打
64 同 金(62)
65 1一角成(44)
66 2七と(17)
67 2一馬(11)
68 2二飛(32)
69 1一馬(21)
70 3八と(27)
71 1四歩打
72 4六角(13)
73 同 歩(47)
74 6二飛(22)
75 4五桂(37)
76 6九飛打
77 8八馬(11)
78 4四歩打
79 3三桂成(45)
80 6五香打
81 7七金(67)
82 6八香成(65)
83 4三成桂(33)
84 7九銀打
85 同 金(78)
86 同 成香(68)
87 7八銀打
88 5九飛成(69)
89 4一角打
90 6八金打
91 5五桂打
92 7八成香(79)
93 同 金(77)
94 同 金(68)
95 同 馬(88)
96 6八金打
97 8八馬(78)
98 7八銀打
99 9七玉(87)
100 8九銀成(78)
101 8七馬(88)
102 6一飛(62)
103 6三角成(41)
104 同 飛(61)
105 同 桂(55)
106 8八角打
107 9六玉(97)
108 8四桂打
109 8五玉(96)
110 7六桂(84)
111 7一桂成(63)
112 同 銀(82)
113 4二飛打
114 7二桂打
115 4一飛成(42)
116 8四銀打
117 9六玉(85)
118 9五銀(84)
119 投了
まで118手で後手の勝ち
米長先生の三間飛車、となれば相振りにはなりませんから
大山先生は6筋の位取りです。後手から54銀が気になるのですが、55歩65銀75歩から77桂で銀は取れます。
米長先生は位取りの圧力を減らすために穴熊に。
大山先生は左美濃から玉頭位取りにチェンジ。
米長先生は銀を繰り出します。大山先生としては素直に3筋の歩を交換させるわけにはいきません。
ここで歩を突きだすのは強気の一手。79角が普通でしょう。
1筋で歩を手に入れて銀を殺しますが
香歩3と銀の交換ですから得とは言えません。端をつきだされて忙しいです。
銀を手放して歩を手に入れるくらいならたいした戦果はありません。
27と が来る前にさばかなければいけません。
桂香を取って飛車あたり。これでよさそうですが
22飛とぶつけられて同馬同角39飛99角成77桂とは指しきれなかったか。逃げるのでは自信がありません。
飛車を取らせて14歩が反撃ですが、角を切られて飛車を取るのでは足りません。
飛車を逃げられて大失敗。米長先生が優勢です。
大山先生は馬を引いて粘ります。
でも歩切れで香を使われるときついです。
米長先生の攻めは重くてもしっかりしています。対して大山先生の41角から55桂は手順前後でしょう。悪くても55桂が先です。こういうところはわかっていても、相手の裏をかくような迷わせる手なのかもしれません。悪いのですから角桂を打つよりも、85歩~86香~96桂~84歩というほうがよかったという気もします。
2枚換えで馬を攻めるのは普通は良い手ではないのですが、清算して66角から57角成で寄せられます。
重い攻めでもよいのは、質駒を手に入れられそうだから。角を逃げれば金を引かれてしまいます。
これも筋の悪い攻め方ですが、取れないのではまずいです。85歩を突いてあればかなり粘れたのですが。
桂馬の両取りで駒柱。
反撃はここまでで、桂打ちは詰めろ。
投了図。
銀香交換での殴り合いです。でも歩切れでは振り飛車がよくなりやすく、米長先生が十分にさばけました。地味で重くて確実な攻め方が穴熊らしい指し方でした。米長先生に疑問手らしい手がないのですが、でもこれは本当に最善か?という手がいっぱい出てきます。穴熊を指す人以外は並べないほうがよさそうです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十段
後手:米長邦雄8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 3五歩(34)
5 5六歩(57)
6 3二飛(82)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 6五歩(66)
14 4四歩(43)
15 5八金(49)
16 4三銀(42)
17 6七金(58)
18 5二金(41)
19 9六歩(97)
20 8二玉(72)
21 9五歩(96)
22 9二香(91)
23 8六歩(87)
24 9一玉(82)
25 8七玉(78)
26 8二銀(71)
27 7八銀(79)
28 7一金(61)
29 2六歩(27)
30 3四飛(32)
31 7五歩(76)
32 1四歩(13)
33 7七銀(78)
34 6二金(52)
35 7八金(69)
36 1三角(22)
37 1六歩(17)
38 5四銀(43)
39 7六銀(77)
40 4五銀(54)
41 4六歩(47)
42 同 銀(45)
43 6四歩(65)
44 同 歩(63)
45 1五歩(16)
46 同 歩(14)
47 同 香(19)
48 1四歩打
49 4七歩打
50 3七銀成(46)
51 同 銀(48)
52 1五歩(14)
53 4六銀(37)
54 3六歩(35)
55 3八飛(28)
56 1六歩(15)
57 2五銀打
58 3二飛(34)
59 4四角(88)
60 3七歩成(36)
61 同 桂(29)
62 1七歩成(16)
63 6三歩打
64 同 金(62)
65 1一角成(44)
66 2七と(17)
67 2一馬(11)
68 2二飛(32)
69 1一馬(21)
70 3八と(27)
71 1四歩打
72 4六角(13)
73 同 歩(47)
74 6二飛(22)
75 4五桂(37)
76 6九飛打
77 8八馬(11)
78 4四歩打
79 3三桂成(45)
80 6五香打
81 7七金(67)
82 6八香成(65)
83 4三成桂(33)
84 7九銀打
85 同 金(78)
86 同 成香(68)
87 7八銀打
88 5九飛成(69)
89 4一角打
90 6八金打
91 5五桂打
92 7八成香(79)
93 同 金(77)
94 同 金(68)
95 同 馬(88)
96 6八金打
97 8八馬(78)
98 7八銀打
99 9七玉(87)
100 8九銀成(78)
101 8七馬(88)
102 6一飛(62)
103 6三角成(41)
104 同 飛(61)
105 同 桂(55)
106 8八角打
107 9六玉(97)
108 8四桂打
109 8五玉(96)
110 7六桂(84)
111 7一桂成(63)
112 同 銀(82)
113 4二飛打
114 7二桂打
115 4一飛成(42)
116 8四銀打
117 9六玉(85)
118 9五銀(84)
119 投了
まで118手で後手の勝ち