昭和49年7月、中原先生と第1回名将戦、決勝3番勝負第1局です。
大山全集は昭和49年ですから1974年です。(かつ大山十段。)
でも日本将棋連盟の記録では
http://www.shogi.or.jp/kisen/shoumetsu/sonota.html
1973年になっています。問い合わせたら1973年から予選が始まっているので1973年度だということでした。
また、Wikipediaでも
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%8D%E5%B0%86%E6%88%A6
1973年で、かつ大山永世王将という肩書です。
永世王将の称号を得ていたということで間違いではないということですが、これは十段と直すべきです。
大山先生の中飛車に中原先生は急戦のようです。
金立ち戦法になるのですが、大山先生の74歩は見たことがない形です。得意の袖飛車を試してみようということでしょう。46金はともかく、66金と7筋を受けるのは形が悪いだろうと。
もちろん55角と出るわけですが、端玉ですね。駒組みで寄るのは米長玉ではない、と米長先生が書いていました。居飛車側がやるのはたまに見ますが、振り飛車でやるのは珍しいです。中原先生は気合で端を詰めます。
72飛には66金なのでしょうか。角は右に引くつもりなら悪い形でもないようなあるような。
大山先生は中央から動こうとしますが、それでも66金です。大山先生としては歩越しの金ですから(それが珍しい)64歩と突いて駒組みをしたほうが良いのですが、何かで支えないと取られてしまうので手間がかかります。
中原先生の68金は銀が普通です。これを見て大山先生は55歩とつっかけるわけですが、このあたりが敗因です。中原先生の囲いはあまり堅くならないので、2枚の金を寄せて、どうにか64歩と突く形を作るべきかと思うのです。端の位を取られて持久戦はつまらないのですが、66金も悪い形です。
55歩に57銀、この2手を見て、先手の金銀が連結して働いていることがわかります。対する大山先生は2枚の金が動かず。これでは有利にはなりにくいです。
角筋を止めたので64歩は突けたのですが、56銀と立たせるわけにはいかず、駒をさばくしかありません。でも玉が薄いです。
銀は66に移動して飛車取り。成れません。
64の歩を取られ、桂取りで焦らされます。
早逃げの好手、ただし65金があります。でも37角がピッタリですね。
ということで46歩同角48歩57角39竜でどうでしょう。少しはましな気がします。
香も取られて歩を垂らされ、我慢しては見たけれど差が詰まりません。
やっとそれらしい攻めの手が指せましたが、ここからの中原先生の寄せ手順が感心します。
96桂から74香。これで決まっています。
大山先生は形つくり。
渡した金で詰まされました。
中原先生の強さが目立ちますが、大山先生の指し方が変ですね。中原先生相手だとおかしなことをやって失敗して、そのままずるすると負けます。逆に中原先生が自然な手を積み重ねて勝ってしまうともいえるのですが。勝負師ですから口には出さないけれど相性が悪いのです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:中原名人
後手:大山十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 6八玉(59)
8 5二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 5八金(49)
12 7二玉(62)
13 5六歩(57)
14 8二玉(72)
15 3六歩(37)
16 4三銀(42)
17 2五歩(26)
18 3三角(22)
19 5七金(58)
20 7四歩(73)
21 5五角(88)
22 9二玉(82)
23 9六歩(97)
24 8二銀(71)
25 9五歩(96)
26 5四歩(53)
27 3七角(55)
28 4五歩(44)
29 6六金(57)
30 4四銀(43)
31 6八金(69)
32 5五歩(54)
33 5七銀(48)
34 6四歩(63)
35 2四歩(25)
36 同 歩(23)
37 5五歩(56)
38 同 銀(44)
39 同 金(66)
40 同 飛(52)
41 6六銀(57)
42 5六飛(55)
43 6四角(37)
44 7二金(61)
45 2二歩打
46 5九飛成(56)
47 2一歩成(22)
48 5七歩打
49 8八玉(78)
50 5一金(41)
51 1一と(21)
52 8四歩(83)
53 5四歩打
54 6五歩打
55 7七銀(66)
56 7五歩(74)
57 同 歩(76)
58 7六金打
59 9六桂打
60 7三銀(82)
61 7四香打
62 6二金(51)
63 5三歩成(54)
64 8七金(76)
65 同 玉(88)
66 7九龍(59)
67 8四桂(96)
68 同 銀(73)
69 8二金打
70 投了
まで69手で先手の勝ち
大山全集は昭和49年ですから1974年です。(かつ大山十段。)
でも日本将棋連盟の記録では
http://www.shogi.or.jp/kisen/shoumetsu/sonota.html
1973年になっています。問い合わせたら1973年から予選が始まっているので1973年度だということでした。
また、Wikipediaでも
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%8D%E5%B0%86%E6%88%A6
1973年で、かつ大山永世王将という肩書です。
永世王将の称号を得ていたということで間違いではないということですが、これは十段と直すべきです。
大山先生の中飛車に中原先生は急戦のようです。
金立ち戦法になるのですが、大山先生の74歩は見たことがない形です。得意の袖飛車を試してみようということでしょう。46金はともかく、66金と7筋を受けるのは形が悪いだろうと。
もちろん55角と出るわけですが、端玉ですね。駒組みで寄るのは米長玉ではない、と米長先生が書いていました。居飛車側がやるのはたまに見ますが、振り飛車でやるのは珍しいです。中原先生は気合で端を詰めます。
72飛には66金なのでしょうか。角は右に引くつもりなら悪い形でもないようなあるような。
大山先生は中央から動こうとしますが、それでも66金です。大山先生としては歩越しの金ですから(それが珍しい)64歩と突いて駒組みをしたほうが良いのですが、何かで支えないと取られてしまうので手間がかかります。
中原先生の68金は銀が普通です。これを見て大山先生は55歩とつっかけるわけですが、このあたりが敗因です。中原先生の囲いはあまり堅くならないので、2枚の金を寄せて、どうにか64歩と突く形を作るべきかと思うのです。端の位を取られて持久戦はつまらないのですが、66金も悪い形です。
55歩に57銀、この2手を見て、先手の金銀が連結して働いていることがわかります。対する大山先生は2枚の金が動かず。これでは有利にはなりにくいです。
角筋を止めたので64歩は突けたのですが、56銀と立たせるわけにはいかず、駒をさばくしかありません。でも玉が薄いです。
銀は66に移動して飛車取り。成れません。
64の歩を取られ、桂取りで焦らされます。
早逃げの好手、ただし65金があります。でも37角がピッタリですね。
ということで46歩同角48歩57角39竜でどうでしょう。少しはましな気がします。
香も取られて歩を垂らされ、我慢しては見たけれど差が詰まりません。
やっとそれらしい攻めの手が指せましたが、ここからの中原先生の寄せ手順が感心します。
96桂から74香。これで決まっています。
大山先生は形つくり。
渡した金で詰まされました。
中原先生の強さが目立ちますが、大山先生の指し方が変ですね。中原先生相手だとおかしなことをやって失敗して、そのままずるすると負けます。逆に中原先生が自然な手を積み重ねて勝ってしまうともいえるのですが。勝負師ですから口には出さないけれど相性が悪いのです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:中原名人
後手:大山十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 6八玉(59)
8 5二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 5八金(49)
12 7二玉(62)
13 5六歩(57)
14 8二玉(72)
15 3六歩(37)
16 4三銀(42)
17 2五歩(26)
18 3三角(22)
19 5七金(58)
20 7四歩(73)
21 5五角(88)
22 9二玉(82)
23 9六歩(97)
24 8二銀(71)
25 9五歩(96)
26 5四歩(53)
27 3七角(55)
28 4五歩(44)
29 6六金(57)
30 4四銀(43)
31 6八金(69)
32 5五歩(54)
33 5七銀(48)
34 6四歩(63)
35 2四歩(25)
36 同 歩(23)
37 5五歩(56)
38 同 銀(44)
39 同 金(66)
40 同 飛(52)
41 6六銀(57)
42 5六飛(55)
43 6四角(37)
44 7二金(61)
45 2二歩打
46 5九飛成(56)
47 2一歩成(22)
48 5七歩打
49 8八玉(78)
50 5一金(41)
51 1一と(21)
52 8四歩(83)
53 5四歩打
54 6五歩打
55 7七銀(66)
56 7五歩(74)
57 同 歩(76)
58 7六金打
59 9六桂打
60 7三銀(82)
61 7四香打
62 6二金(51)
63 5三歩成(54)
64 8七金(76)
65 同 玉(88)
66 7九龍(59)
67 8四桂(96)
68 同 銀(73)
69 8二金打
70 投了
まで69手で先手の勝ち