名南将棋大会ブログ 名古屋

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大山将棋研究(151); 四間飛車に右64銀急戦

2016-05-11 | 大山将棋研究
昭和49年5月、芹沢先生と第24期棋聖戦です。


大山先生の四間飛車に芹沢先生は急戦のようです。

右64銀の急戦になりました。でも後手番で94歩を突いているので出足が遅いです。

大山先生の78銀と引くのも定跡ですが、最初から分かっていて芹沢先生は94歩としていたのではないかという気がします。普通に応接しても振り飛車が悪いということはありません。

55歩としないで84飛から75歩を狙うなら終始一貫していたのですが、中央の位を取ります。この指し方、私もやったことがあるのですが、あまり幸せにはなりません。

大山先生は得意の袖飛車。これには43金から手厚く受けるのかと思ったら

玉をかわして

中住まいです。これをやるなら84飛は指さないほうがよく、さらに右玉までもっていくべきではないかと思うのです。

大山先生は銀を繰り出して、芹沢先生も迎え撃ちます。

金をぶつけるところは強気なのですが、52玉の近くで戦うのが気がかり。まあ先手玉も袖飛車なので事情は似たようなものですが、飛車の働きが違うのが問題です。まだ82にいるほうが受けに働きます。銀をはがされて

打ちこまれれば大山先生の攻めのほうが確実です。

焦点の歩。37同飛は86歩同歩26角。37同桂は跳ねるところがなく、37同角は26銀。ということは玉で取るしかありません。

芹沢先生はこの局面を想定して戦えるという判断だったのでしょう。

一見調子が良いのですが

角が急所に出て大山先生の有利がはっきりしてきました。芹沢先生は駒を渡せませんし、33歩成で詰めろなので忙しいです。ここではまだ53銀かとは思いますが

金を出たら、大山先生の金打が決め手です。

角を取らせるちょっと不思議な投了図。


芹沢先生の構想がまずく、大山先生の袖飛車がまともにヒットしました。快勝です。
芹沢先生も攻め駒が3枚あったわけで、それを玉を使ってカウンターを決めたというのが意表をついたのでしょう。大山先生のほうだけ飛角を使えたので、玉頭の攻防は大山先生のほうに分があります。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十段
後手:芹沢博文8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八銀(79)
6 6二銀(71)
7 6七銀(78)
8 4二玉(51)
9 6八飛(28)
10 3二玉(42)
11 4八玉(59)
12 5四歩(53)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 2八玉(38)
16 5三銀(62)
17 3八銀(39)
18 4二銀(31)
19 5八金(69)
20 7四歩(73)
21 4六歩(47)
22 8五歩(84)
23 7七角(88)
24 1四歩(13)
25 1六歩(17)
26 9四歩(93)
27 3六歩(37)
28 6四銀(53)
29 7八銀(67)
30 7三桂(81)
31 4七金(58)
32 5五歩(54)
33 6七銀(78)
34 5三銀(42)
35 2六歩(27)
36 5四銀(53)
37 2七銀(38)
38 4四歩(43)
39 3八飛(68)
40 4二金(41)
41 3五歩(36)
42 同 歩(34)
43 同 飛(38)
44 4一玉(32)
45 3八飛(35)
46 4五歩(44)
47 同 歩(46)
48 同 銀(54)
49 4六歩打
50 5四銀(45)
51 2五歩(26)
52 4三金(52)
53 5九角(77)
54 8四飛(82)
55 3六銀(27)
56 5二玉(41)
57 3五銀(36)
58 3三金(42)
59 3四歩打
60 4四金(33)
61 同 銀(35)
62 同 角(22)
63 4五金打
64 同 銀(54)
65 同 歩(46)
66 7一角(44)
67 3二銀打
68 5四金(43)
69 4六金(47)
70 3七歩打
71 同 玉(28)
72 3五金打
73 同 金(46)
74 同 角(71)
75 4六金打
76 2七金打
77 同 玉(37)
78 4六角(35)
79 2六角(59)
80 4五金(54)
81 3六金打
82 同 金(45)
83 同 玉(27)
84 3五歩打
85 4六玉(36)
86 投了
まで85手で先手の勝ち


コメント
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