名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

米長邦雄の本

2015-10-25 | 将棋本 断捨離
米長邦雄の本
2004年出版、日本将棋連盟書籍 編集です。
米長先生の追悼本、ファンブックみたいなものですね。まあ何度も読まなくてもよいでしょう。コレクション的なものはやめておきます。
後輩たちからの棋譜解説や思い出話など一度は読んでおくとよいです。
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20151025今日の一手<その187>;2度目の疑問手を指さない

2015-10-25 | 今日の一手
20151025今日の一手

先月27日の名南将棋大会からIさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。










昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀桂交換で先手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角銀で2枚
後手の攻め駒は65桂と持ち駒角桂で3枚。65桂はすぐに移動できるので62飛もカウントしてよいくらいです。
総合すれば後手有利。

問題図の前

右4間に飛車落ち上手のような陣形で受けて、58飛とまわったのが先手の工夫です。46銀と出て55歩と止めると脅かしたので65歩で攻められました。
ここで65同桂同銀55歩

は後手が攻めきれないと思います。65桂に同桂でも同じです。
見ていた私は、46銀と出られる前に65歩しかなさそうだと思っていたのですが。

実戦は65歩同歩同銀

これなら55歩が間に合いません。65同桂88角成同金65桂で問題図。


大局観として
受けに回っているのですが、駒得(といっても小さいです)なのでまだ希望はあります。でも金銀バラバラなのはひどいです。58飛は受けの役に立っているのですが、玉飛接近の悪形です。飛車を攻められると玉に響きます。
後手の手番なら77角、54桂から66歩(あるいは66歩から54桂)の筋があります。これが両方共は受けにくいのです。変化の中で、桂馬を捨てて飛車を成るという筋もあります。どうにか受けて勝負できる形にしなければなりません。


× 実戦は66銀打。54桂と打たれてぼやきが出ます。

66銀は受けの形なのですが、両取りがあるのがひどいのです。駒得がなくなると主張しているところがなくなります。
私も「両取り見えない病」歴30年余りです。この頃少し回復しつつありますが。
55銀右66桂同銀引は57銀くらいでやられそう。73角66桂同銀67銀と進みます。

28飛56銀成62角成同金65銀47成銀

後手の攻め駒は3枚になりましたが、67歩と垂らせるので受けにくいです。銀2枚が受けの役に立ちません。後手は切れないように攻めるだけでよく、先手は受けきりが必要なのでとても勝ちにくいです。


× 駄目な方からやりますね。66歩は77角

77同金同桂成68銀

67成桂同銀77金

57飛は68銀ですし、角や桂で銀取りを受けても66飛とされたら受けが無くなります。


× 78金も77角

68歩99角成

後手から66歩と77桂成があります。香車を取られたので57香とか。駒損しては駄目です。


× 68玉は77角

77同金同桂成同玉85桂68玉77金

これは敗勢です。


○ 68歩はありそうです。

66歩同銀54桂には55銀打

66桂同銀72金78金

これは後手の攻めがなくて一段落。互角になりました。

怖いのは77角です。

55角88角成同角77金

73銀63飛77角

77同桂成64金

飛車を捕獲できました。以下は64同飛同銀成67成桂同歩77角48玉くらいか。

53成桂から攻められるので勝負できます。64同飛より73飛同金のほうが厄介かも。後手は飛車がないので4枚攻め駒ですが少し攻め足が遅く、互角でしょう。


△ 68銀も有力です。77角は受けたので66歩がきて

66同銀54桂55銀右66桂同銀に57銀が強襲。

57同銀引同桂成同銀79角

これは受けにくいです。銀にひもをつける46銀打が最善。(見えにくい手ですが)68銀がまたハードパンチ。

68同飛同飛成同銀88角成81飛

一応先手の駒得なのですが、良いとは言えません。まあ互角でしょう。


× 他の受け方としては、73角と飛車取りに打つ手。

54桂55銀66歩(66歩同銀54桂でも同じようなものです)なら

66桂同銀67銀28飛56銀成

これは実戦の進行と同じようですが、銀を手持ちにしているので受けやすいです。

問題は77角で

48玉88角成62角成同金88飛77桂成

これで98飛67成桂でも55角88成桂11角成22銀でも後手が指しやすいです。


× 55角は66も77も受けているようなのですが。54桂で

46桂同歩の形は駄目なので困るのです。45銀には66歩78銀79角

後手の攻めは切れません。


受ける手もいろいろ考えられるのですが、自然なのは桂頭の銀定跡なりで実戦の66銀打です。でも54桂で駄目でした。なので次の候補を探すのですが、68銀が普通でしょうか。77角と打たれても大丈夫か確認して銀を受けてください。多くの場合受ける時は深く読む必要がないのですが、5手か7手か、有力な攻め筋の変化が受かっていることを確認しなければなりません。そのあと57銀と打ちこまれたら、79角の時に対応できるかが勝負です。書きませんでしたが、78金とか77角とかと比較して最善を見つけなければいけません。
68銀に危険なにおいを感じたら、少し変化して68歩の受けのほうを考えます。77角と打ち込まれた時受けがあるか。飛車を攻めながらの受けを見つけなければいけません。

形勢が悪い時は読みの力が必要です。自然な手を指していると気が付かずにつぶれてしまうあるいは攻め合い負けになっているということがよくあります。そのためには形勢判断をしっかりやることです。なんとなくいいと思っていても実は悪いというのはよくあることです。

それでも受けているときは深く読まなくてもよいので少し気が楽です。正しそうな手を確認しながら指して受けます。
攻めている方からすれば、66歩と打って54桂で歩切れになるけど攻めが続くか、77角と打ち込んで攻めが切れないか、深く読まないと指しきりになる恐れがあります。形勢がよければ自然な手を指し続ければよいのですが、攻める時は深く読まないといけません。

問題図の前で65歩に同歩が疑問手でした。そのため少し形勢が悪くなりました。でも2度目の疑問手を指さなければどうにか互角に戻るものです。

66銀打、66歩、78金、68玉、73角、55角、全部疑問手になるのでハードルは高いのですが、66銀打はともかく、68銀は自然な手です。68歩もありうる手なので、しっかり考えればまだ対応できます。




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