名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

勝負の視点

2015-10-07 | 将棋本 断捨離
勝負の視点―研究と実戦の間
勝負の視点〈2〉―勝敗を分けるもの
実戦心理―勝負の視点〈3〉
1995年、1999年、2002年出版、青野先生の本です。

2も買った気がするのですが、見つかりません。今あるのは1と3です。
青野先生が雑誌などに書いたコラムあるいは観戦記をまとめたものです。青野先生は理論的、理路整然とした考え方書き方をするのでとても好きです。これに対して河口先生の観戦記は理論的ではなく少し飛躍や省略がある。どちらも心理的なこと、本質的なことが覗けた気分でとても面白いです。

こういう観戦記のような本を読むと一時的に強くなります。そんなことありませんか?
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20151007今日の一手<その169>;駒得に目がくらむ

2015-10-07 | 今日の一手
20151007今日の一手

先月13日の名南将棋大会からTさんとEさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。










昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損です。持ち歩がないので後手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒はありません。
後手の攻め駒は75角42飛で2枚。
総合すれば後手が有利です。

大局観として
先手不利です。でもまだ中盤戦が始まったばかり。手番ですので挽回したいところです。
後手の75角が不安定ですね。先手はこの角をいじめて戦果をあげたいのです。多分角銀交換はできそうです。しかし、駒得は味が悪いのです。味よく捕獲するのは難しいのです。形勢が悪いならなおさらです。頑張っても角銀交換にしかならないなら、無理をしないほうがいいかもしれません。後手の角を安定させるのは大変です。先手の46角が後手玉をにらんでいるのですから。


△ 実戦は76銀でした。

84角に86歩74歩

44銀は73角で角銀総交換になるだけです。先手の誤算でした。86歩では85銀から千日手にできました。
こうなれば77桂73角65桂しかないです。

55角同角64銀46角35歩

嫌なところを突かれました。先手玉が薄いので食いつかれたらまずいです。
35同角34銀44角同飛同歩55角

ここで38金が敗着に近く(実戦は終盤で一瞬の逆転チャンスがありました)、両取り逃げるべからずで31飛ならまだ勝負です。
37の桂馬より99の香車のほうが価値が高いのです。


△ 66銀引が形がよいです。

64角55銀75角は千日手。
84角は48飛として

これなら後手から手を出すところがありません。先手はゆっくり58金右として、76銀から75銀右といけば少し味よく駒得できます。駒得といっても角と銀歩の交換ですからあわてずに。


× 同じようでも66銀上は84角で空振り。



○ 25歩は自然ですが怖い手です。

後手は歩得なので収めたくても角が安定しないのです。44歩から動きます。同歩同銀同銀同飛45歩。

54飛なら55銀74飛58金右

先手は局面を落ち着かせてから24歩を狙えばよいです。持ち歩があれば駒損ではありません。
58金右で24歩は47銀がうるさいので注意です。

26飛35歩同角34飛というのは後手のペース。

戻って、45歩に42飛なら58金右として47銀を消しておきます。

33桂には56銀と投入します。

64角同角同歩47金

しっかり受ければ24歩が残ります。


○ 58金右のほうが手堅いです。

44歩から銀交換は押さえてから25歩とすれば前の変化に戻ります。焦って角を追わないほうがいいです。
つまり、44歩同歩同銀45歩42飛に76銀64角55銀のような変化にしないこと。

35歩64銀同歩35角32飛

47金に27銀

58飛49銀59飛38銀引不成

46金47歩58金35飛同金48角

こんなのが一例です。駒得に目がくらんではいけません。


○ 一番手堅いのは48飛です。

後手からの攻め筋は44歩しかないとみた受けです。
すぐに44歩は73角成から飛車を抜けますね。
84歩58金右を入れてから44歩

44同歩同銀同飛に

73角成同角44飛43歩

飛車が成れずに37桂を取られるのは、後手玉が堅ければだめです。

戻って、73角成ではなく85銀がにくい手。

75角には74歩が気持ちいい手。

46飛同飛64角は41飛成

これなら勝てそうです。

戻って64角同角48飛成

ここで73角成が好手。同銀48金64銀41飛

これで先手有利です。


25歩、58金右、48飛、どれも後手からの攻めは少し無理でした。後手は角が安定しないので持久戦にしにくい、ということに気が付けば受けて十分なのです。ただし25歩は先に攻めの手なので少し怖いです。58金右を勧めます。読みに自信があれば48飛でも素抜きの筋で大丈夫と気が付けたかも。

私の好みは66銀引です。中盤の千日手は気にしません。玉が堅くなるので一番手堅いです。
駒得も好きな方ですが、散々痛い目にあっているので、だんだん気にならなくなってきました。
現代将棋は駒の損得を気にしない傾向があります。駒の損得よりスピードです。同時に玉の堅さを重視するようになっています。
ですから形勢判断の方法を改良してあります。









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