名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

風車の美学

2015-10-01 | 将棋本 断捨離
風車の美学―伊藤果直伝!
1994年出版、伊藤果先生の本です。

とっておきの本ですが、何年も読んでいないのでもう一回読んで処分しようかと。
大学の同期でこれを得意にしている友人がいます。後輩にも。私も何年か愛用していました。
名南将棋大会にも愛用の方がみえます。

アマゾン価格が15000円くらいで、アカシア書店4500円、欲しいという方にはいくらにしようか悩みますが。

とてもユニークな本で、基本はツノ銀中飛車からの持久戦です。千日手を狙いますが、穴熊には玉頭から攻めることも。
新風車は居飛車で56銀左からの攻めを見ます。

相居飛車で後手番作戦に困るとまたやりたくなるのですが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20151001今日の一手<その163>;形勢がよければ自然な手を

2015-10-01 | 今日の一手
20150931今日の一手

13日の名南将棋大会からEさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。












昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀桂と角の交換です。この2枚替えの損得は微妙です。損得なしとしておきます。
玉の堅さは先手のほうがかなり堅いです。後手陣は34と44に空間があるのでもろいのです。
先手の攻め駒は持ち駒角2枚
後手の攻め駒は57銀56銀持ち駒銀桂で4枚。
総合すれば先手がやや有利です。

大局観として
玉が堅い方が有利か、攻撃力があるほうが有利か、というのは一概にどちらとも言えないです。しかしこの図の場合は後手が攻めて駒を渡せば34桂とか44歩から43銀とかの手段が生じるので、先手の攻撃力が上がります。だから先手がやや有利です。

後手は駒を渡さないで攻めなくてはなりません。65にいた銀を56銀と出たのですが、攻め駒が増えたとはいえ足が遅いです。自玉を固めるほうが本手となるはずですが、43金直とか43銀と打つとかでは44歩とたたかれる手が残ります。43金左でしょうか。離れていくので自信がありません。守りにくいから攻める手を選んだということでしょう。

先手は守る必要がありませんから、攻める手を考えたいです。78飛を使って、というのは手間がかかります。今でも横利きで守備に働いているのですから、持ち駒を使って攻めればいいでしょう。馬を作れば少し成功ですし、駒を補充して後手玉に迫れればいうことはありません。後手の飛車をさばかれないようにだけは注意します。


× 実戦は75歩でした。

62飛とまわられて、77飛68銀不成に51角は入ったのですが

64飛76飛67飛成86飛85銀

飛車を取られるだけならまだいいのですが、後手の飛車をさばかれていますからこれは劣勢です。75歩から74歩と指す余裕はありませんでした。


× 44歩と拠点を作っても62飛で駄目ですね。



○ 54歩と突くのが自然な手。

67銀成なら飛車を逃げてもいいのですが、53歩成。

53同金71角52飛54歩

54同金63角53金

52角成同金35角成

78飛は取られても成銀が遊ぶので困りません。飛車を持てば81桂91香は拾えるので攻めが切れなくなります。これは先手優勢。

54歩には同歩しかなさそうです。

71角と打ち、92飛には83角

56の銀に当たっています。飛車を取れば指し手に困らなくなります。

71角には72飛35角成

83角が残っています。82飛には71馬から桂馬を狙えば34桂で寄せられます。
67銀成(不成は77飛で質駒)83角82飛56角成

これも先手が優勢です。

35角成には34歩が難しい手ですが

61角92飛34角成

43銀打としても同馬同金右44歩です。


67銀成には43歩

取れば同馬から44歩で攻められます。



△ 71角も成立します。

72飛に83角

83角では53角成と捨ててもいいのですが少し損です。
71飛56角成46銀成66馬

桂損ですが、馬を作り悪くはありません。後手から見ればこれくらいならまあまあと思うかもしれません。

△ 63角は力をためた手ですが

後手から62飛としたいのですが、桂馬を取らせるわけにはいきません。
46歩48歩72銀で角を殺します。

71角92飛54歩

63銀53歩成

結局桂損で馬を作るという展開になりそうです。これも互角。


形勢判断が大事です。形勢がよい少なくとも悪くないという判断ができれば、自然な手で問題がないはず。それ以上にうまい手が落ちていないかを見ておくのはいいことですが、うまそうに見える落とし穴には注意です。

問題図で自然な手は54歩。
44歩も(場合により)自然な手かもしれませんが、62飛で駄目でした。この場合は最後の持ち歩なのと35角成の筋が消えるのでやや不自然でしょうか。
71角や63角は狭いところに打つので、少しやりにくいです。つまり54歩同歩としてからなら71角や63角も自然な手になります。

自然な手というのは直感によるものです。頭の中にイメージの記憶として残されていて、それに近いものを検索してくる能力が直感です。なるべく良い手を大量にインプットしておくのが訓練法です。考えなくてもいいから手早く棋譜並べをします。

ネット中継の棋譜を再生してみていればそれだけで効果があるのではないか?と思ってやってみるのですが、今のところ効果は不明です。自分の直感の手と合っているかはチェックしながら再生しています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする