Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

参院選の混沌 安倍首相の無意味な沖縄詣で 英国のEU離脱ショック

2016-06-24 | Weblog
第24回参院選についての世論調査は、共同通信も朝日新聞社も、安倍晋三首相が目指す憲法改正に賛同する勢力は、改憲発議に必要な3分の2(162議席)をうかがう、としている。
本当にそうなのか。世論調査は電話のはずだが、携帯電話にも電話しているのか。自宅電話だとすると、偏った結果が出ているわけではないのか。
野党が候補を一本化した「1人区」で憲法改悪阻止勢力がどこまで伸びるか。投票先を「まだ決めていない」層は選挙区・比例代表ともに半数を超えているという。

東京。三宅洋平はなんでこのタイミングで出ると言ったのかな。山本太郎を一人にしたくないのだったらもっと早く出てきてほしい。陰謀論好きなこの人は、情に訴えるタイプで、あまり政策的なことは言えていない気がするが、山本太郎贔屓層はなびくはずだ。割を食うのは社民から出ている増山れなだろう。選挙に向けて粘り強く活動してきたが、世論調査では「民進、共産はのびるが、社民は苦戦」と見込まれてしまっているようだ。死に票になるのが嫌な人たちは共産新人の山添拓に注目しているという分析もある。それにしてもここしばらく与党関係者の共産党への「差別発言」はひどいものがあった。民進と共産らを「野合」というが、連立政権をさんざんやってきた連中が何を言っているのか。
東京は「4人区」でも、もっと「絞り込み」があってよかったのではないか、という意見にも頷ける。票は一票だけだ。
田中康夫には失望した。なぜ「おおさか維新」から出るのか。自民党改憲草案は民主主義を根本から否定するひどいものだが、「おおさか維新」改憲案では9条や緊急事態条項に触れていないからまだましという理屈はナンセンス。何より下地幹郎と組めるというのが、理解できない。阪神淡路大震災で名乗らずボランティア支援を始めた頃とは、人が違ってしまったのだろうか。

沖縄の戦没者追悼式に、安倍晋三首相が出た。会場では演台に立ったとき、あいさつ後に「帰れ」などの怒号が起こったという。当然だ。在日米軍に関し「我が国の平和と安全を守る上で不可欠だが、負担を国民全体で負う必要がある」と本気で言うなら、米軍普天間飛行場の辺野古への移設も見直さないとおかしい。安倍首相は、沖縄県での米軍属による女性殺害事件について「今回逮捕された容疑者のような人物が、軍属という形で地位協定に保護されているのはおかしい」「米国と、協定上の軍属の扱いの見直しで合意している。県民の気持ちに寄り添いながら成果を上げたい」と語ったというが、日米地位協定を見直すなら、もっと全体にわたってでなければおかしい。「軍属の範囲厳格化」に絞って何かを言った気になっているのは、ためにするパフォーマンスでしかない。このたびの事件の犯人は軍属でさえなかった。それが何だというのだ。事件への人々の怒りを矮小化しようとするもので、ひどいものだ。
朝日の報道によれば、政府高官は、翁長氏が平和宣言の中で辺野古移設に反対したことについて「首相は一日を沖縄に捧げたのに、なぜああいうことを言うのか、理解できない。沖縄は普天間を政治利用している」と憤ったというが、何より沖縄で戦没者追悼式を政治利用しようとしたのは、安倍総理本人だろう! 結局、沖縄では参院選のこの時期、選挙の応援演説もしないで(するのが怖かったのだろう)、わずか三時間半の沖縄滞在で、ヤマトに戻った。日本のマスコミではネガティヴに報じていないから「戦没者追悼式に出るくらいだから首相と沖縄との関係は良好で、沖縄にも辺野古移設肯定者が一定数いるのかも」という錯覚を与える意図が通ってしまっている面もあるかもしれない。だが海外の目はそうではない。「(これまでの)日本の首相は、公衆の場で嘲笑されることは、あまりない」と報じたAFP東京支局の副支局長ヒュー・グリフィスさんは「へい、NHK。なんで安倍首相に「帰れ!」と叫んでいる人々を映さないんだ?」とネットに書き込んでいるし、ロイター も「日本の安倍首相、沖縄戦の式典でヤジを受ける(Japan PM Abe met with rare heckling at Battle of Okinawa ceremony)」と報じている。

以上、あまりにも気分が晴れないので記す。これで当分選挙について書かずにすむはずだ。なるべく何も書きたくない。

昨日から、英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票が開票中だった。残留、離脱が伯仲。これこそ接戦。
ウェールズの暗さは離脱に、「英国」であるよりも「EU」であることを選びたいスコットランド等はEU残留に向かうだろうと思ったが、まあ、やはりそれに近い結果のようだ。
結局、残留派の女性下院議員ジョー・コックス氏が殺害された事件が残留支持を後押しすることはなかった。
EU加盟国が離脱を決めたのは初めて。キャメロン首相は辞めるだろうが、これだけの接戦だと、些細なことでも今後の国内トラブルが多いはずだ。
1000近い在英の日系会社はどうしていくのだろう。特にEU圏に入れると1割以上の関税を取られるはずの自動車業界は。
株価も大きく下げた。円相場もあおりを食い、2年7カ月ぶりに1ドル=100円を切る、高値。イギリスはヨーロッパの金融界で中心的な立場を担えなくなるのか。
EU加盟国は難民受け入れを拒否できない。離脱派は、EU内の自由の原則により流入する「移民」を拒否したい、ということが、やはりメインなのだろうか。自分の暮らしもたいへんなのに移民のために税金を使いたくない、職まで奪われてしまうのは割に合わない、という理屈なのか。長く語られているイギリス独自の国内格差が育んだルサンチマンは、我々が想像するよりも根強いものなのだろう。

日本も同様に、いや、もっと極端な「島国根性」を持っているわけで、ただイギリスとはそうとう様子は違っていて、アメリカべったりで自分自身の判断というものをしないできていることが、多くの誤謬を招いている。
だが、少なくとも、「アメリカに押しつけられた」と決めつけるような根性で憲法を改悪することが「自立」に繋がるというような理屈は、前提が大きく間違っている。
それは、純然たる意味では、少しも「改革」にはならない。悪い時代に戻っていくだけだ。憲法を改悪し「戦争のできる普通の国」を目指すことが「一人前の国家の仲間入り」というとんちんかんな思い込みは、確実に、日本の自主独立を妨げることになる、と言っておこう。

写真は、十日ほど前の、シビウの仕込み。
ルーマニアはイギリス同様に、通貨は独自でなおかつEUに属しているわけだが、多くの他国と地続きなだけに、イギリスと同じ道は辿らないと思う。
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