Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

ドラマ版 『新聞記者』

2022-01-19 | Weblog

ネットフリックスのドラマ版 『新聞記者』が話題である。

某「新聞記者」さんから、「ネトフリの新聞記者、かなり良かったです!」と連絡が来て、「ネットフリックス入ってないんです。残念。」と返すと、「一ヶ月だけでも〜」と来た。ということになれば、別な理由で観る必要もあるとは思っていたので、とにかくドラマ版 『新聞記者』をイッキ観する。

熱演する俳優たち。吉岡、トモロヲの苦悩が、辛い。 改ざんはほんとうに酷い話で、それが「日本人的な自己同一性の強制力」によるものだということが、胸に迫ってきた。

一昨年『拝啓天皇陛下様 前略総理大臣殿』をやったため、「財務局」のことは、自分でもかなり調べたので、このドラマのディティールへの凝り方に感心するところも多々であった。安倍元首相が逮捕されていないことはやはり理不尽だし、赤木さん一人に押しつけるのではなく、関わった官僚たちは、改ざんで立件されるべきだったと思う。

ただ、ドラマとしては人間関係の「偶然」を作りすぎ。主人公の積極性の動機が植物人間状態の兄の物語にあるというのは、不要である。せっかく無関係な新聞配達の若者の描写があって良かったと思っていたら、実は××の甥だった、と。こういう因果話は不要である。××だった綾野剛が、××に配属されるとか、主人公の兄と親しかった過去があるとか。物語の展開に都合が良いと判断したらしく、近いところで皆が繋がるという設定で、国家スケールの内容のはずが、学園ドラマみたいに見えてくる。これが日本のドラマの限界である、ということになってしまうのか。

映画版同様に、描かれる家族があまりに女性蔑視、古い家父長制的なものであるのも、どうかと思う。あのシチュエーションで「お弁当屋でもやろうか」じゃないだろう。

某「新聞記者」さんが言うように、佐川元理財局長が、自分をモデルにした人物のこのドラマでの姿を見て、続いている民事訴訟の場で、真実を正直に告発することを願わずにはいられない。もちろん彼一人だけでやったことであるはずはない。認諾じゃねえぞ、これで終わらせないぞ、という気持ちになる。

とにかくこのドラマは巷で盛り上がっているみたいで、それがきっかけや後押しとなって、現実世界も動かせたら、と思うのだが。

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