Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

南京事件を描いて未公開だった映画『ジョン・ラーベ』、下北沢で上映

2014-09-06 | Weblog
ドイツ・フランス・中国合作映画『ジョン・ラーベ ~南京のシンドラー~』を観た。
ジョン・ラーベは、ドイツのジーメンス社南京支社長・ナチス党員。1937年12月の南京事件当時、非武装中立の「南京安全区国際委員会」委員長として、20万人の中国の民間人を救うため奔走。持病の糖尿病と闘いながら、多くの中国人の命を救った。事件を記録した彼の日記は90年代半ばに見つかり、それが原作となった。2009年のドイツ映画賞で7部門中4部門と最多の賞を受賞したという。
基本的にはドイツ映画だが、国際色豊かだ。アメリカからはあのステーブ・ブシューミが医師の役で出て、珍しく普通の二枚目を演じている。小柄にも見えないのだ。
「南京事件」(南京虐殺)を描いているということで、日本の配給会社はどこもこの映画を買わなかった。若い女がいれば連れ去ろうとし、「百人斬り競争」などの殺人、暴行、破壊を繰り返す日本軍の姿が、繰り返し出てくる。
ラストの字幕で「30万人」という中国政府の公式見解と同じ犠牲者数が示される。配給会社が公開を危ぶんだ一番の理由はそこかもしれない。
ナチス党員であるラーベの複雑な立場、逃げ腰だったのに目の前にある現実を見て自らを犠牲にして抵抗することを選ぶ姿が描かれる。ハーケンクロイツを楯にして中国人を守ろうとする機転は映画の見所だが、それにしても皮肉な話だ。南京事件をヨーロッパ、西洋人の視点で捉えているわけだが、過去を清算しようとする今現在のドイツ人の姿勢がよく伝わってくる。ヨーロッパ的個人主義が美化されすぎていることに、ちょっと鼻白む所もあるのだが、それが過去に向き合う知恵なのだろう。
かつて右翼団体によってスクリーンを切られるなどの上映妨害が起きた『南京1937』(95年)は映画としての出来はいまいちだったが、『ジョン・ラーベ 』は、よくできている。
そして、「南京事件」を世界がどうとらえているかが、よくわかる。その「常識」が示される。けっしてそのことに背を向けてはならない。世界の歴史的な認識を見ようとしない日本がいかに孤立しているかを知るためにも、日本じゅうで観られるべき映画だ。
ゼロ戦の操縦士をヒーローに仕立てた映画が大ヒットすることにケチを付けても仕方がないが、その同じ国でこの作品が映画館で上映できないということじたいが、右傾化の止まらない日本の現実を示しているのだ。

2014年5月、江戸東京博物館ホールで行われた上映が日本初公開。配給会社による劇場公開ではなく、市民が上映権を購入しての自主上映会だった。
その後も文京区のシビックホールなどで上映されたが、なんと下北沢でもスクリーンで観られるという。
情報は以下の通り。

………………

映画「ジョン・ラーベ」12月9日(火)18:30~ 北沢タウンホールでの上映会のチケットを、9月1日(月)10:00~ カンフェティにて発売します。インターネットまたは電話でご予約の上、セブンイレブンで代金引換で発券。
【ネット予約】→ http://www.confetti-web.com/detail2.php?tid=25841
【電話予約・平日10:00~18:00】 → 0120-240-540

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