Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

杉山英之との共演は続きます。 『拝啓天皇陛下様 前略総理大臣殿』

2020-11-21 | Weblog
燐光群は『拝啓天皇陛下様 前略総理大臣殿』を座・高円寺で上演中ですが、一昨日11月19日(木)、出演中の俳優・杉山英之が、心室頻拍との診断によりドクターストップを受け、緊急入院することになりました。病気そのものは、とにかく、経過を見つつ、治療してゆきます。

その日の公演は、杉山の役を私が台本を持ち、リーディングする形で出演しました。
さらに、座・高円寺でのあす22日(日)までの東京公演、ならびに、11月24日・25日の名古屋公演、27日~29日の伊丹公演、12月1日の岡山公演についても、同様に私が代役を務めることになりました。
このような変更となりまして、申し訳ありません。

この劇で杉山の演じた「ムネさん」という役が、小説『拝啓天皇陛下様』の作者棟田博の分身で一人称の語り手でもある「ムネさん」こと棟本博、そして、現代の財務省の役人・ワカギムネオ、「ムネさん」と呼ばれるその二人を演じるものであり、一種のメタシアター的な構造を持っていることで、このような緊急の「代役」で行うとき、リーディング形式で継続することが適している、と、わかりました。
ワカギムネオが愛読書『拝啓天皇陛下様』の地の文を読み上げているようなときは、彼は一人称の棟本博であり、ナレーター的な物語の語り部ワカギムネオでもあるのです。それはある意味で、小説『拝啓天皇陛下様』の世界を、報告劇「バーベイタム・シアター」の形式で展開していることにも、なります。

私たちの劇団はこれまで、イギリスの劇作家デビッド・ヘアーの「バーベイタム・シアター」三部作の翻訳上演、加藤直樹の著書『九月、東京の路上で』の舞台化等々で、そうした「報告劇」のスタイルには、馴染んでいます。
そうしたことから、杉山の役だけリーディング形式に置き換えることは、構造的に可能であると考えました。

じつは一昨日の朝、即入院となる決定について医師の説明を聞いた後、病室に移る前、杉山のほうから、「もし代役をたてて頂けるならリーディングだとしても、坂手さんにお願いしたい」という希望を伝えられました。
既にその役だけ、杉山以外の人がリーディング形式でやることの検討はしてはいました。ただ、代役を探すにしても、かなりの稽古をしなければ、杉山のやっているのと同じことはできないのは、明らかでした。
上演を続行するなら、選択肢は他にありません。
そんなわけで私が引き継ぐことになりました。

私は舞台を観ながらリーディングをし、舞台上では、俳優たちは、杉山=「ムネさん」との共演を続けます。全ての俳優たちが見ている、聞いている先には杉山=「ムネさん」がいて、そのやりとりは継続しています。杉山英之との「共演」は、続いているのです。

そして私は、語り部として、杉山のいたポジションを担います。舞台上の俳優たちが杉山=「ムネさん」との共演を続ける限り、私もまた、その存在を内在化させているのです。一種の憑依であり、存在を重ね合わせています。まるで「複式夢幻能」の現在形のようです。

そもそもこの劇自身が、「ムネさん」という「不在の人」を、思う劇です。じっさいに、その役を演じる俳優がそこに存在しないことによって、そのテーマじたいは逆に、深く、浮きあがって見えてくるような気も、します。

杉山からは、「降板してしまった今になって、改めてこの芝居が一人でも多くの人に届いて欲しいと思っております」という言葉が届いています。

私たちは、もともと想定していた形と変わっても、この劇を、今のこの世界に届けたい、その強い思いを持っております。


最後まで、しっかりと勤めたいと思います。


左より、杉山英之、円城寺あや、大西孝洋。

⋯⋯⋯⋯⋯⋯

岡山出身の作家・棟田博の代表作『拝啓天皇陛下様』。
かつて渥美清主演・野村芳太郎監督で映画化され、「国民的喜劇」として成功を収めた。
棟田博氏が遠い姻戚であることは知っていた。
曾祖父の弟にあたる人が養子に行った先が、棟田家である。
じつは棟田博氏も、同じ棟田家に養子で入っていたのである。
『拝啓天皇陛下様』を劇化することが、私の永年の夢であった。
『拝啓天皇陛下様』の愛読者である、現代を生きる官僚が、「玲和」を迎える世の「生きにくさ」「宮仕えの辛さ」を、かつての時代に思いを馳せながら耐えていく。
倉本聰さんが棟田博作『サイパンから来た列車』をもとに『歸國』を書いたように、先達の刻みつけた忘れがたき人々の世界が、私自身の現在と交錯する。


燐光群『拝啓天皇陛下様 前略総理大臣殿』

作・演出◯坂手洋二

この作品は、棟田博氏の『拝啓天皇陛下様』等の著書から着想を得て、部分的に引用させていただいています。



東京公演◯座・高円寺1

11月13 日(金)〜22日(日)
受付開始○開演の40分前 開場○開演の30分前
11/13(金) はプレビュー。◎は託児サービスあり(要予約)。
坂手洋二とゲストによるアフタートークを予定しています。
日程・詳細は追ってお知らせします。


一般 4,200円 
プレビュー3,000円(自由席・人数限定)
発売開始○10月25日(日)
燐光群、座・高円寺チケットボックスで販売。
———————————————————————————
ペア 7,600円(公演前日までのご予約・ご購入のみ)
U-25(25歳以下)/大学生以下 2,000円
高校生以下 1,000円 ※U-25以下は受付で要証明書提示
以上は、10月18日(日)より、燐光群でのみ販売。
———————————————————————————
【前売扱所】
◆燐光群オンラインチケット  http://rinkogun.com/Ticket.html 
■ご観劇の前々日までにWEB上でご予約頂き、セブンイレブンでチケットをお受け取り頂けます。
■事前精算(手数料はお客様負担)。要会員登録(無料)。※早割期間中はお客様自身でお席をお選び頂くことはできません。


◆ご予約・お問合せ■燐光群/(有)グッドフェローズ
■03-3426-6294
■当日精算Web予約フォーム https://www.quartet-online.net/ticket/hkzr


◆座・高円寺チケットボックス(月曜定休) 
■03-3223-7300(10:00〜18:00)  窓口(10:00〜19:00)
■オンラインチケット https://za-koenji.jp
■※座・高円寺の劇場回数券「なみちけ」もご利用いただけます(4枚つづり 一般用12,000円/学生及びシルバー用10,000円)。


開演後はお入り頂きやすい席へのご案内となります。お早めのご来場をお勧めします。
未就学児のご入場はご遠慮下さい。 




【CAST】
猪熊恒和 大西孝洋 鴨川てんし 川中健次郎
円城寺あや 中山マリ 宮島 健 樋尾麻衣子
杉山英之 荻野貴継 武山尚史 山村秀勝
町田敬介 西村順子 Tanikawa Shogo


【STAFF】
照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○森下紀彦
美術○加藤ちか+じょん万次郎
衣裳○小林巨和
擬闘○山村秀勝
演出助手○村野玲子 中山美里
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ
宣伝意匠○高崎勝也
撮影○姫田蘭 
協力○浅井企画 オフィスコットーネ
制作○古元道広 近藤順子
制作インターン○加藤七穂
Company Staff○桐畑理佳 田中結佳 宗像祥子 鈴木陽介 
宮島千栄 内海常葉 秋葉ヨリエ
主催○有限会社グッドフェローズ
提携○NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺
助成○文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術創造活動活性化事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会




東京以外の公演もあります。

[名古屋]11月24日(火)・25日(水)愛知県芸術劇場
[伊丹]11月27日(金)〜29日(日)AI・HALL 
[岡山]12月1日(火)市民文化ホール


ネットで見たい方は詳細はこちらへどうぞ。

http://rinkogun.com/Haikei.html

http://rinkogun.com





燐光群『拝啓天皇陛下様 前略総理大臣殿』
代役上演についてのお知らせ


燐光群では現在、『拝啓天皇陛下様 前略総理大臣殿』を座・高円寺で上演していますが、そのキャストである杉山英之が11月19日(木)、心室頻拍との診断によりドクターストップを受け、緊急入院いたしました。そのため、この日の公演は、杉山英之の役を坂手洋二が台本を持ちリーディングで出演しています。さらに、座・高円寺での22日(日)までの東京公演、ならびに、11月24日・25日の名古屋公演、27日~29日の伊丹公演、12月1日の岡山公演についても、同様に坂手が代役を務めることになりました。このような変更となりまして、申し訳ありません。
チケットを購入されている方で、払い戻しをご希望の場合には、改めてそのお手続きについてお知らせいたします。
当日精算のご予約をされている方で、ご予約のお取り消しをご希望の場合には、rinkogun@alles.or.jp にその旨をご返信ください。
どうぞよろしくお願い申し上げます。


燐光群/(有)グッドフェローズ
2020年11月21日

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森達也監督とのトーク きょう11月21日(土)19時の部の終演後 『拝啓天皇陛下様 前略総理大臣殿』

2020-11-21 | Weblog
きょう11月21日(土)19時の部の終演後、
森達也さん(映画監督・作家・明治大学特任教授)が、
『拝啓天皇陛下様 前略総理大臣殿』
アフタートークに出演されます!

当日券あります。

東京公演はいよいよあす11月22日(日)まで。

写真は、昨年、ネット番組でご一緒したとき。
左より、寺脇研さん、私、森達也監督。


⋯⋯⋯⋯⋯⋯

以下、再掲。


森達也監督は、やはり、今の日本で他に類を見ない独創的な着眼点の方である。

そして、ユーモアというか、ヒューマニティがある。

お話しさせていただけるのは、嬉しい。



いままでも、

最初で最後の「オウム事件真相究明の会」集会

https://blog.goo.ne.jp/sakate2008/e/a9dd4fb5493f5dadde347d0e799c4d17

一緒にネット番組に出たり

https://blog.goo.ne.jp/sakate2008/e/0de90f3a8ba7ed65a29d31f2c74e005a

『FAKE』に感嘆したり

https://blog.goo.ne.jp/sakate2008/e/16c1bcc8d6f8a8a79d638a5595191ce0

いろいろとご一緒させていただきました。

ありがたいことです。


⋯⋯⋯⋯⋯⋯

岡山出身の作家・棟田博の代表作『拝啓天皇陛下様』。
かつて渥美清主演・野村芳太郎監督で映画化され、「国民的喜劇」として成功を収めた。
棟田博氏が遠い姻戚であることは知っていた。
曾祖父の弟にあたる人が養子に行った先が、棟田家である。
じつは棟田博氏も、同じ棟田家に養子で入っていたのである。
『拝啓天皇陛下様』を劇化することが、私の永年の夢であった。
『拝啓天皇陛下様』の愛読者である、現代を生きる官僚が、「玲和」を迎える世の「生きにくさ」「宮仕えの辛さ」を、かつての時代に思いを馳せながら耐えていく。
倉本聰さんが棟田博作『サイパンから来た列車』をもとに『歸國』を書いたように、先達の刻みつけた忘れがたき人々の世界が、私自身の現在と交錯する。


燐光群『拝啓天皇陛下様 前略総理大臣殿』

作・演出◯坂手洋二

この作品は、棟田博氏の『拝啓天皇陛下様』等の著書から着想を得て、部分的に引用させていただいています。



東京公演◯座・高円寺1

11月13 日(金)〜22日(日)
受付開始○開演の40分前 開場○開演の30分前
11/13(金) はプレビュー。◎は託児サービスあり(要予約)。
坂手洋二とゲストによるアフタートークを予定しています。
日程・詳細は追ってお知らせします。


一般 4,200円 
プレビュー3,000円(自由席・人数限定)
発売開始○10月25日(日)
燐光群、座・高円寺チケットボックスで販売。
———————————————————————————
ペア 7,600円(公演前日までのご予約・ご購入のみ)
U-25(25歳以下)/大学生以下 2,000円
高校生以下 1,000円 ※U-25以下は受付で要証明書提示
以上は、10月18日(日)より、燐光群でのみ販売。
———————————————————————————
【前売扱所】
◆燐光群オンラインチケット  http://rinkogun.com/Ticket.html 
■ご観劇の前々日までにWEB上でご予約頂き、セブンイレブンでチケットをお受け取り頂けます。
■事前精算(手数料はお客様負担)。要会員登録(無料)。※早割期間中はお客様自身でお席をお選び頂くことはできません。


◆ご予約・お問合せ■燐光群/(有)グッドフェローズ
■03-3426-6294
■当日精算Web予約フォーム https://www.quartet-online.net/ticket/hkzr


◆座・高円寺チケットボックス(月曜定休) 
■03-3223-7300(10:00〜18:00)  窓口(10:00〜19:00)
■オンラインチケット https://za-koenji.jp
■※座・高円寺の劇場回数券「なみちけ」もご利用いただけます(4枚つづり 一般用12,000円/学生及びシルバー用10,000円)。


開演後はお入り頂きやすい席へのご案内となります。お早めのご来場をお勧めします。
未就学児のご入場はご遠慮下さい。 




【CAST】
猪熊恒和 大西孝洋 鴨川てんし 川中健次郎
円城寺あや 中山マリ 宮島 健 樋尾麻衣子
杉山英之 荻野貴継 武山尚史 山村秀勝
町田敬介 西村順子 Tanikawa Shogo


【STAFF】
照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○森下紀彦
美術○加藤ちか+じょん万次郎
衣裳○小林巨和
擬闘○山村秀勝
演出助手○村野玲子 中山美里
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ
宣伝意匠○高崎勝也
撮影○姫田蘭 
協力○浅井企画 オフィスコットーネ
制作○古元道広 近藤順子
制作インターン○加藤七穂
Company Staff○桐畑理佳 田中結佳 宗像祥子 鈴木陽介 
宮島千栄 内海常葉 秋葉ヨリエ
主催○有限会社グッドフェローズ
提携○NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺
助成○文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術創造活動活性化事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会




東京以外の公演もあります。

[名古屋]11月24日(火)・25日(水)愛知県芸術劇場
[伊丹]11月27日(金)〜29日(日)AI・HALL 
[岡山]12月1日(火)市民文化ホール


ネットで見たい方は詳細はこちらへどうぞ。

http://rinkogun.com/Haikei.html

http://rinkogun.com




燐光群『拝啓天皇陛下様 前略総理大臣殿』
代役上演についてのお知らせ

燐光群では現在、『拝啓天皇陛下様 前略総理大臣殿』を座・高円寺で上演していますが、そのキャストである杉山英之が11月19日(木)、心室頻拍との診断によりドクターストップを受け、緊急入院いたしました。そのため、この日の公演は、杉山英之の役を坂手洋二が台本を持ちリーディングで出演しています。さらに、座・高円寺での22日(日)までの東京公演、ならびに、11月24日・25日の名古屋公演、27日~29日の伊丹公演、12月1日の岡山公演についても、同様に坂手が代役を務めることになりました。このような変更となりまして、申し訳ありません。
チケットを購入されている方で、払い戻しをご希望の場合には、改めてそのお手続きについてお知らせいたします。
当日精算のご予約をされている方で、ご予約のお取り消しをご希望の場合には、rinkogun@alles.or.jp にその旨をご返信ください。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

燐光群/(有)グッドフェローズ
2020年11月21日
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