Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

鴨川てんし一人芝居『生きのこった森の石松』〈ひとり語りバージョン〉上演。劇作家大会 2019 上田大会。

2019-08-08 | Weblog

鴨川てんし一人芝居『生きのこった森の石松』〈ひとり語りバージョン〉、上田で上演します。

劇作家大会 2019 上田大会。〈懐かしの旅廻り一人芝居二本立て〉(同時上演 : 鈴木一功『べっかんこ鬼』)。

会場は、百余年の歴史を誇る老舗の映画館「上田映劇」です。懐かしい佇まい、大衆演劇が旅してきた頃の風情が残っています。入口の前に立つと、映画が娯楽文化の王様であり、映画館が街の中心だった時代に、タイムスリップしたような気持ちにさせられます。ロビーに、場内に入ったら、もう至福。百二年前に建てられた当時の佇まいが大切に残され、あるいは再現されており、きっと若い世代の方々でも「懐かしさ」を感じるはず。フィルムコミッションが発達し、多くの名作映画が撮影されてきた上田の、「映画の街」としての歴史、その象徴といえます。

ここでの上演に立ち会えることは、特別な体験になると思います。

 

鴨川てんし『生きのこった森の石松』〈ひとり語りバージョン〉構成・演出=坂手洋二 出演=鴨川てんし

「清水の次郎長」の物語でもっとも愛されるキャラクター「森の石松」が、現代の夜を巡るしがない屋台の主の姿を借り、よみがえる。一途な男の情のもろさ、烈しさに、ついつい本音を漏らしてしまう屋台の客たち。思わぬ形で掘り起こされる、現代の深層とは? 愛すべき侠客の短く壮絶な半生を貫く、鴨川てんしのライフワーク。シンプルな語りを中心とした〈ひとり語りバージョン〉で、お届けします。

 

8月16日(金) 19:00-21:30 『べっかんこ鬼』『生きのこった森の石松』の順で上演     ※16日上演後 鈴木一功と鴨川てんしによるアフタートーク「ひとり語りのつくりかた」 聞き手=坂手洋二      

17日(土) 19:00-21:00 『生きのこった森の石松』『べっかんこ鬼』の順で上演     ※17日 18:00より映劇バックステージツアー開催!  

上田映劇 有料2,000円 定員あり 要予約(別途、大会参加登録費1000円)

 

https://jpac2019-ueda.org

 
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美術評論家連盟の意見表明は、腑に落ちる

2019-08-08 | Weblog

「民主主義とは、個々の市民がそれぞれ自ら判断し意見を表明する能力を持つことを国家および行政が尊重し信頼すること、そしてそれによって市民も国家、行政への信頼を醸成しうるシステムです。行政がこの信頼関係を放棄することは、この国が恐怖に支配され暴力に追随する危険な国だと自ら示したことになります」

「今回のように暴力と恐怖に後押しされた要請を受け入れるとき、行政、また政治の正当性、存在理由はいかに確保されるのでしょうか」

「表現の機会を保障することは、必ずしもその表現の内容を追認することではありません。市民ひとりひとりが自分で見て、感じ、考える機会を保障することです。多様な表現と意見があることを知り、そのやりとりに参加する機会を与えることです」

「この事件はすでに海外でも報道され、日本国内から発信される 豊かな文化活動総体に対する、国際的な信頼を失墜させています」

「美術評論家連盟は、当該国際現代美術展の開始当初のすべての展示が取り戻される社会的状況が整えられることを望みます」

美術評論家連盟の、「あいちトリエンナーレ 2019」における 「表現の不自由展・その後」の中止に対する意見表明は、腑に落ちる。

劇作家協会が6日に出した〈「表現の不自由展・その後」の展示中止についての緊急アピール〉の、多く部分と、ぴったり重なるからである。

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 

 

「あいちトリエンナーレ 2019」における 「表現の不自由展・その後」の中止に対する意見表明

 

2019 8 7 日 美術評論家連盟 会長 南條 史生

美術評論家連盟は、暴力的威嚇や脅迫による混乱を理由として、また、河村たかし名古 屋市長による、それらの威嚇に同調するかのような展示中止要請も受けて、「あいちトリエンナーレ 2019」における国際現代美術展の一部である「表現の不自由展・その後」のセク ションが開始後わずか3日で中止を余儀なくされた異常事態に直面し、それが今後にもたらす影響について深く憂慮します。

もとより表現活動が暴力や脅迫によって抑圧されることはあってはなりません。今回の事態の経緯の問題は、こうした暴力行為から市民の活動を守ることが警察を含めた行政の役割であるにもかかわらず、暴力行為から守るという理由で、その暴力が要求する展示の中止を受け入れざるをえなくなったという点にあります。

民主主義とは、個々の市民がそれぞれ自ら判断し意見を表明する能力を持つことを国家および行政が尊重し信頼すること、そしてそれによって市民も国家、行政への信頼を醸成しうるシステムです。行政がこの信頼関係を放棄することは、この国が恐怖に支配され暴力に追随する危険な国だと自ら示したことになります。

今回の事態は、まさに憲法 21 条に明記された「表現の自由」という民主主義の基本理念が根本から否定されたことを意味しています。今回のように暴力と恐怖に後押しされた要請を受け入れるとき、行政、また政治の正当性、存在理由はいかに確保されるのでしょうか。

そもそも公的組織が芸術・文化事業を「公」的にサポートすることの意味は、民主主義に基づく憲法の精神、つまり表現や意見の多様性を保障することのはずです。自らへの批判をも一意見として尊重し、その検討・議論を深める機会を奪わないこと、これこそが公的な文化支援の原則ではないでしょうか。

行政による作品の撤去や隠蔽は、すなわち、その作品の意味を固定して市民の自主的な 判断能力を信用しないこと、市民自ら判断する権利、鑑賞する権利を奪うことを意味しま す。市民がなにかを知ろうとする健全な好奇心さえ遮断されてしまうということです。このような状況では健全な文化の発展など望めません。

今回の事件に関連して菅義偉官房長官は、国家による補助金交付を精査する、と発言しています。これは公的支援を打ち切る可能性を示唆し、「政府の方針に不都合な意見、表現は援助しない」、つまり排除するという、補助金申請者への婉曲な威嚇となってしまっています。繰り返せば、表現の機会を保障することは、必ずしもその表現の内容を追認することではありません。市民ひとりひとりが自分で見て、感じ、考える機会を保障することです。多様な表現と意見があることを知り、そのやりとりに参加する機会を与えることです。

今回の事件を是認するならば、「あいちトリエンナーレ 2019」に限らず、今後のあらゆる表現活動は委縮せざるを得なくなります。表現の健全な発展は日本国内において期待できなくなり、ひいては、市民の多様な活動を守るという行政機関への信頼そのものを損なわ せることになるでしょう。この事件はすでに海外でも報道され、日本国内から発信される 豊かな文化活動総体に対する、国際的な信頼を失墜させています。

以上が、美術評論家連盟が、「あいちトリエンナーレ 2019」の推移を深い憂慮をもって注視する理由です。美術評論家連盟は、当該国際現代美術展の開始当初のすべての展示が取り戻される社会的状況が整えられることを望みます。 

http://www.aicajapan.com/wp/wp-content/uploads/AICA_Japan_opinion_2019_08.pdf?fbclid=IwAR3DDx5GI1-Z8N7AAr_biW9dAliy72JA76Qq7hRaKc1Z2E3hXyhQch4mzqw

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『熱海殺人事件 vs 売春捜査官』の演出助手・中山美里が、新作を東京初演。

2019-08-08 | Weblog

つかこうへい作『熱海殺人事件 vs 売春捜査官』で燐光群・演出助手デビューした中山美里が、梅ヶ丘BOXで、新作を披露する。

燐光群は、既に清水弥生という強力な作家がいるのだが、そこに、さらに若き新人が登場した次第である。

中山美里が実体験をもとに“労働”や“女”を描く「人魚の肉をこねる」は、パン屋でアルバイトをしていた彼女の実体験をもとにしている。「演劇をやりながらパン屋でアルバイトをしているナカタは、40歳のベテランアルバイター・オオイから理不尽に怒られる。ナカタは腹いせにオオイのことを芝居の台本にするが、その台本を彼女に読まれてしまい⋯⋯」、というストーリー。もとになるプロトタイプを、既に半年前、〈西和賀 銀河ホールの"雪の演劇祭〉で上演している。

美里の、執着心、こだわりには、毅然とした「個性」がある。

御期待ください。

 

もじゃもじゃ「人魚の肉をこねる」

作・演出:中山美里

出演:安藤歩、泉川遥香、中山美里、将伍、新垣亘平

2019年8月29日(木)〜9月1日(日) 

梅ヶ丘BOX

開演 14:00/19:00 (ただし9月1日(日)は14:00のみ)

 

https://natalie.mu/stage/news/341704

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