Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

鴨川てんし 一人芝居 『生きのこった森の石松』稽古佳境

2019-03-07 | Weblog

鴨川てんし 一人芝居 『生きのこった森の石松』。稽古佳境である。

この劇は、もう十年も前から鴨川さんと相談してきた。

題名だけとっくに決まっていた。同じ劇団メンバーと育んできた、念願の構想である。

台本は、私としては生まれて初めて、ほぼ口立ての作り方である。

鴨川さんが古今東西の「石松もの」から引っ張ってきた、もともと自分がやりたいというもの、こちらもアイデアだけ出して、自分流にやってみて、というところもベースにしているので、戯作者的にそれをまとめた、という感じの部分も多々ある。演出助手の村野玲子が感心するくらい、鴨川さん自身もアイデアを出す段階から、独自の構成力がある。

ただ、劇作家としては、構成台本であっても、きちんと戯曲作家の仕事をしなくちゃと思っていて、ここ数日は、じつは以前から暖めていたが、ついに稽古場で進行しているものに加えた、という部分もある。それらは物量としては多くはないが、他の細かい調整もあって、結果として、セリフ自体は、全体的にビシッと密になった。と、思う。

口立ての作り方は、じつは「近代劇以前」の作り方である。それは江戸時代の主人公を中心に置いた、この劇の内容にマッチしている。

『九月、東京の路上で』と並行上演なので、鴨川てんし自身も、かつてない労力と集中力を要求されている。基本的には「自由にやっていただく」という、実は一番シビアな取り組みになっている。

七十代にしての、新作一人芝居。鴨川てんしの果敢な挑戦を見よ、である。

撮影・古元道広。 

 

3月19日(火)・20日(水) 23日(土)・26日(火) 下北沢ザ・スズナリ

 

そして、これは口立てどころではない、中山マリやりたい放題というか、何しろ本人が本人とその母親を演じるので、全てご本人次第の『あい子の東京日記』と、アブナイ二本立て上演なのである。

http://rinkogun.com/ReMemory_1.html

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