Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

「アーティスト・レジデンス」のための助成金 締切、迫る

2014-06-09 | Weblog
今週末はいよいよ「アーティスト・レジデンス」をテーマとした、兵庫県豊岡市での〈劇作家大会〉が、開催される。
で、これは紹介しなければと思っていた、世界各地で行われている「アーティスト・レジデンス」に参加可能な助成金について取り上げるのを忘れていたので、慌てて記す。

新進芸術家海外研修制度(短期研修) Program of Overseas Study for Upcoming Artists というものが、募集されている。
「若手芸術家等が海外の芸術団体,劇場等で実践的な研修等に従事する機会を提供することにより,我が国の将来の文化芸術振興を担う人材を育成することを目的とするもの」であり,研修等を行う際の渡航費・滞在費を支援するという。
対象となる研修等の内容は、新進芸術家等が行うスキルアップのための研修のほか,明確なテーマと内容を持った調査研究,招へいを受けて行う国際芸術祭における作品制作,実演,展示を対象とする。
「研修期間が短いため,研修等の内容は,より具体的かつ明確なものである必要がある」とされている。
期間は1か月程度(20日~40日)で、日本を出国する日から,日本に帰国する日まで。文化庁「在外研修」の短期コースよりも更に短い。

これで思い出すのは、二年前、私が講師として呼ばれた、ローマから車で三時間、山奥のラ・ママ・ウンブリラでの夏期講座の中の「演出家のための国際ワークショップ」だ。この夏期講座じたいはニューヨーク、ラ・ママのボスだった故エレン・スチュアートさんの発案で始まったもの。スポレート・フェスティバルとも連動している。
この時の私の講座の受講生は世界じゅうのいろいろな国から来ていたが、決して安いとはいえないその受講料をどうやって調達したかというと、ほとんどが「国からの助成金」なのだった。
で、日本には文化庁の「在外研修」もあるが、それは主に長期が対象で、そういう種類の「単発」ものに向けた助成金があまりない、あるいは、知られていないのかもしれない。この講座は世界中の個性ある講師が集まる。そういう仕組みがあれば、日本のみんなもここに来られるのに、と思ったのである。
今回の新進芸術家海外研修制度(短期研修)は、紛れもなくこのラ・ママ・ウンブリラでの夏期講座などへの参加も該当する。
ぜひぜひ応募して、とにかく海外での講習、「アーティスト・レジデンス」を体験してほしいと思う。

この募集のいいところは、年に何度も短いスパンで募集することだ。
第2回募集については,8月頃、別途行うという。

問合せ先 文化庁文化部芸術文化課支援推進室育成係
提出期間:平成26年6月9日(月)~13日(金)必着
提出書類様式については,文化庁ホームページでダウンロードできます。
http://www.bunka.go.jp/geijutsu_bunka/05kenshu/index.html

ま、その前に、今週末は豊岡で、世界唯一の、通年の「アーティスト・レジデンス」のための施設での、〈劇作家大会〉を体験してほしい。
迷っているあなた、ぜひ。

写真は、豊岡市のバス停。「イナカー」という愛称?がついている。洒落というか、親父ギャグなのか。自分たちの土地を走るバスを「イナカー」というのは自虐ネタなのか。……とにかく、なかなか奥深いユーモアの土地柄である。
コメント
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