五月からの公演『ザ・パワー・オブ・イエス』は、現在もロンドン・ナショナルシアターで上演されているデイヴィッド・ヘアーの最新作。イギリスの国鉄民営化と鉄道事故の繰り返される構造を抉った『パーマネント・ウェイ』、イラク戦争時の政治家たちによるパワー・ゲームを描いた『スタッフ・ハプンズ』に続く、同氏のドキュメンタリー・ドラマ最新作。日本版を三たび燐光群が上演。今度は「世界経済危機」の深層に迫るものだ。題名の「イエス」はキリストのことではなくて、肯定してしまう、させてしまう、ある種の強制力のことを示している。チラシ・ポスターのイラストは沢野ひとし画伯。(http://www.alles.or.jp/~rinkogun/Next.html)
グルノーブルでの上演を見てきたフランス語訳者のコリーヌ・アトランさんから報告。公演は好評で連日満席。観客の反応もすごく良かったという。社会現象としての「引きこもり」をテーマにした講演会も開催されたという。高校生など若い層にも受けが良く、それはフランスでも年々「コンピュータお宅」の若者が増えており、彼らにとっては「引きこもり」はコンセプトとしてではなく、ダイレクトに彼らの日常生活に結びついた、彼らをとりまく環境の一部として存在しているからだろうという。今日からパリ・ロンポアン劇場での上演が始まる。