タイトル:ナショナル・ストーリー・プロジェクト
原題:I THOUGHT MY FATHER WAS GOD AND OTHER TRUE TALES FROM NPR'S NATIONAL STORY PROJECT
著者:ポール・オースター編
柴田元幸、岸本佐知子、畔柳和代、前山佳朱彦、山崎暁子訳
装幀:新潮社装幀室
発行:新潮社
発行日:2005年6月30日
内容:
誰かがこの本を最初から最後まで読んで、一度も涙を流さず一度も声を上げて笑わないという事態は私には想像しがたい。 ポール・オースター
爆笑もののヘマ、胸を締めつけられるような偶然、死とのニアミス、奇跡のような遭遇、およそありえない皮肉、もろもろの予兆、悲しみ、痛み、夢。投稿者たちが取り上げたのはそういったテーマだった。世界について知れば知るほど、世界はますます捉えがたい、ますます混乱させられる場になっていくと信じているのは自分一人ではないことを私は知った。
オースターが全米から募り、選んで、編集し、「アメリカが物語るのが聞こえる」と感動した、180の実話。
購入日:2007年8月13日
購入店:e-books
購入理由:
ポール・オースターといえば私も『ムーン・パレス』や映画化された『スモーク』など好きな作品の多い作家だ。その彼がこのような無名の市井の人々の物語を集めた本を出していたとは。
この本の存在を知ったのは、昨年のことだ。
クリスマス・イヴの夜にJ-WAVEというラジオ局で作家の沢木耕太郎がナビゲーションをつとめる番組が放送されていた。この番組は毎年クリスマス・イブの夜に放送を行い、もう何年か10年ぐらいはたっているようだ。わたしも何回か聞き続けていた記憶がある。その番組の中で、沢木氏が紹介していたのが本書だった。番組によれば、この『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』もラジオ番組から生まれたということから、昨年の番組内に沢木氏はこの番組でもリスナーからそれぞれの「物語」を募集し、1年後に発表したい、という趣旨から紹介された本だった。
無名の人々の「物語」を集めること。
たいへん興味深いアイデアであり、「普通」を嫌い「個性」ばかり求めたがる今の風潮をいぶかしく思うところもあり、また、戦前のドイツの写真家アウグスト・ザンダーのさまざまな職業に従事する人々を撮影した写真集を思い出したりもし、ぜひ読みたいと思っていたが値段がそこそこするのであきらめていた。だが、地元の古本屋で偶然見つけ購入。
たかが1冊の本を店頭で見つけ買うだけの話なのに、いろいろな記憶と結びついているものである。
原題:I THOUGHT MY FATHER WAS GOD AND OTHER TRUE TALES FROM NPR'S NATIONAL STORY PROJECT
著者:ポール・オースター編
柴田元幸、岸本佐知子、畔柳和代、前山佳朱彦、山崎暁子訳
装幀:新潮社装幀室
発行:新潮社
発行日:2005年6月30日
内容:
誰かがこの本を最初から最後まで読んで、一度も涙を流さず一度も声を上げて笑わないという事態は私には想像しがたい。 ポール・オースター
爆笑もののヘマ、胸を締めつけられるような偶然、死とのニアミス、奇跡のような遭遇、およそありえない皮肉、もろもろの予兆、悲しみ、痛み、夢。投稿者たちが取り上げたのはそういったテーマだった。世界について知れば知るほど、世界はますます捉えがたい、ますます混乱させられる場になっていくと信じているのは自分一人ではないことを私は知った。
オースターが全米から募り、選んで、編集し、「アメリカが物語るのが聞こえる」と感動した、180の実話。
購入日:2007年8月13日
購入店:e-books
購入理由:
ポール・オースターといえば私も『ムーン・パレス』や映画化された『スモーク』など好きな作品の多い作家だ。その彼がこのような無名の市井の人々の物語を集めた本を出していたとは。
この本の存在を知ったのは、昨年のことだ。
クリスマス・イヴの夜にJ-WAVEというラジオ局で作家の沢木耕太郎がナビゲーションをつとめる番組が放送されていた。この番組は毎年クリスマス・イブの夜に放送を行い、もう何年か10年ぐらいはたっているようだ。わたしも何回か聞き続けていた記憶がある。その番組の中で、沢木氏が紹介していたのが本書だった。番組によれば、この『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』もラジオ番組から生まれたということから、昨年の番組内に沢木氏はこの番組でもリスナーからそれぞれの「物語」を募集し、1年後に発表したい、という趣旨から紹介された本だった。
無名の人々の「物語」を集めること。
たいへん興味深いアイデアであり、「普通」を嫌い「個性」ばかり求めたがる今の風潮をいぶかしく思うところもあり、また、戦前のドイツの写真家アウグスト・ザンダーのさまざまな職業に従事する人々を撮影した写真集を思い出したりもし、ぜひ読みたいと思っていたが値段がそこそこするのであきらめていた。だが、地元の古本屋で偶然見つけ購入。
たかが1冊の本を店頭で見つけ買うだけの話なのに、いろいろな記憶と結びついているものである。