A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記76 「松本春崇」

2007-08-21 22:26:17 | 書物
タイトル:松本春崇
発行:なびす画廊
発行日:2000年7月3日
内容:
2000年7月3日-7月15日に東京・なびす画廊にて開催された「松本春崇」展のカタログ。
作品図版6点、作家略歴、テキスト「制作ノートより 四つの部分絵画」「四つの部分主義」松本春崇、「四つ子の痕跡たちを前にして」星埜守之(フランス文学・美術)収録。すべて英訳あり。

寄贈日:2007年8月4日
場所:なびす画廊
連続であり反復であり変容である松本春崇の絵画は、作品を見るわたしたちを視線の誘導へと駆りたてます。松本の絵画は四つの部分が組み合わされた絵画として成り立ちます。もっとも四つの部分とはオタマジャクシであったり、蛙であったり、鼻と舌の間であったりそのかたちはおぼつかない像を結ぶだけです。それらは何か一連の動作のようでもあり、変容でもあります。そう、わたしたちの視線が作り出してしまう不確かな像こそ、松本が制作した「絵画」なのかもしれません。


未読日記75 「黒川弘毅」

2007-08-21 22:05:27 | 書物
タイトル:黒川弘毅
発行:なびす画廊
発行日:1994年
内容:
1994年6月13日-6月25日に東京・なびす画廊において開催された「黒川弘毅」展のカタログ。
作品図版9点、作家コメント・略歴、テキスト「この子を見よ」峯村敏明、収録。

寄贈日:2007年8月4日
場所:なびす画廊
黒川弘毅の作品に接して感じるのはブロンズであることの絶対的な必然性です。とくにこのスパルトイシリーズは、この世に生を受けたことをためらいもなく祝福させてしまうような恐るべき存在として今わたしたちの前にあります/ありました。その存在することの恐ろしさこそ「芸術」と名づけることの可能なひとつの形態なのかもしれません。