A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記54 「前衛調書」

2007-07-10 23:21:40 | 書物
タイトル:前衛調書 勅使河原宏との対話
著者:勅使河原宏、大河内昭爾、四方田犬彦
装幀:早瀬芳文
発行:學藝書林
発行日:1989年8月25日
内容:
17年ぶりに『利休』を完成させ、映画界に復帰した勅使河原宏に大河内昭爾、四方田犬彦の2人の批評家が勅使河原宏にインタビューを行った2編をまとめたもの。

脱領域的シネアストの精神
「砂の女」の監督・勅使河原宏の映画へのひたむきな情熱が、今ここに結実。精鋭批評家二氏が、監督の現像に迫る。

「映画史のなかに、自然主義者の系譜が確実にあるのではないか。小動物と人間とのアナロジイの問題に敏感に反応しつつ宇宙を構築していくシネアストが、国と時代を限らず、必ず出てきます。」
「虚構を支えるエネルギーには凡ではないおおらかさと大きさがある。でき上がった美しさではなく、原初というか、初めに表現してみようとしたところに美の本質があると思うんです。」
(表紙カバー・帯文章より)

購入日:2007年7月3日
購入店:amazon.co.jp
購入理由:
勅使河原宏に関する調査を始めるにあたって、まず手に入れたいと思っていた1冊。大河内昭爾、四方田犬彦の2人の批評家がインタビューをしているが、全編の3分の2が四方田犬彦インタビューによるもの。したがって、話題は映画が中心となる。しかし、映像、映画をめぐる批評において、先鋭な知見をもつ四方田だけに、インタビュアーとしては最適だろう。果たして、どんな言葉を勅使河原宏から引き出しているのか。勅使河原宏の映画をめぐる思考を整理するうえで最適な1冊だと思われる。