A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記52 「art egg」

2007-07-06 22:51:28 | 書物
タイトル:第1回shiseido art egg展カタログ
ロゴデザイン:丸橋桂
デザイン:求龍堂
発行:資生堂 企業文化部
発行日:2007年5月25日
内容:
第1回shiseido art egg展の展覧会カタログ。shiseido art eggとは、新進アーティストに資生堂ギャラリーの会場を提供する公募展。第1回は平野薫(インスタレーション)、水越香重子(映像)、内海聖史(絵画)の3人。

贈呈日:2007年7月1日
こちらも頂きもの。今月は頂きものが多い。どうもありがとうございます。

今年の1月から3月にかけて開催された「第1回shiseido art egg展」の展覧会カタログ。資生堂ギャラリーの空間を新進アーティストに提供するという公募展イベントは資生堂のメセナとして、ギャラリーとして、それ自体はたいへん評価できる企画である。
しかし、良質の空間をもつ資生堂ギャラリーで行われたこの「shiseido art egg」の全体を振り返ると、首をかしげる点もあり審査員の基準を疑わざるをえない。
それは、「3つの個展のなかで、資生堂ギャラリーの空間に果敢に挑み、新しい価値の創造をもっとも予感させると評価した展覧会」に贈られるshiseido art egg賞が平野薫であったという点に集約される。
例えば、空間と絵画の在り方につねに意識的な制作を行ってきた内海聖史が、良質な展示スペースを得て実現したみずみずしさと広がりをもつ美しい空間を出現させたことを評価されなかったことは残念であった。しかし、3人の中では最も発表歴が充実しているので、おもちゃみたいなタマゴの記念品なんかもらわなくてもよかったのかもしれないとも思う。
映像の水越香重子は、他の作品も見てみたいと思う。彼女のフィクショナルな映像インスタレーションは、物語と映像の関係が問い直されている今の現代美術界にあって気になる作品であった。映像と色彩の肌触りが印象的。

shiseido art egg展出品作家の近況
平野薫展 
2007年7月5日(木)-28日(土)※木、金、土のみオープン
SCAI X SCAI
内海聖史展
2007年7月10日(火)-28日(土)
GALERIE ANDO