雨雲のもと、甘い香りを漂わせていたくちなしも、そろそろ終わりのようです。
今頃になるとどうしてもくちなしの花をUPしてしまいます。毎年毎年おんなじなのに…。
「旅情」と言う古い映画を見て、ヒロインが叶わぬ恋に決然と別れを決意する
潔さよさに憧れを抱いたことでした。
この映画の中で恋の始まりと別れのシーンに大事な役目を果たしたくちなしの花、
運河に落としたくちなしの花を拾おうとして手を伸ばしても届かず、運河を流れて
行ってしまったくちなしの花、ラストシーンで、ホームを滑り出したヒロインの
乗った列車を追いかけて、ホームを必死に走って差し出した手に握られていた
くちなしの花、汽車の窓から身を乗り出して受け取ろうとした手に、とうとう
届かなかったくちなしの花。どうしても手にすることができなかったくちなし
の花が暗示的に随所にその香りを残していたのでした。くちなしの花は「旅情」
の恋人たちの心に甘く美しい思い出を残したことでしょう。そして私の心にも
毎年、思い出を蘇らせてくれる季節の道しるべの花なのです。
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