大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

せやさかい・292『大仙公園 I(アイ) のミステリー・1』

2022-04-04 12:05:14 | ノベル

・292

『大仙公園 I(アイ) のミステリー・1』さくら   

 

 

 ちょっと、なに、これ!?

 

 思わず、叫んでしもた。

 顔洗って、リビングに行くとお祖父ちゃんが写真を見てる。その写真にビックリした!

「さくら、まず挨拶でしょ。お早うございます」

 留美ちゃんに怒られる。

「あ、おはよう、二人とも」

「おはよう、お祖父ちゃん。で、なに、この写真!?」

「ああ、久しぶりに大仙公園行って来てなあ、ほんなら、高校じぶんの友だちに逢うてなあ」

 言われて、初めてお祖父ちゃんの横に知らんジイサンが居てるのに気いつく。

 うちが、びっくりしたんは、ジイサンのツーショットとちがう。

 二人の背景になってる『DAISEN』というモニュメント。

「ああ、これは、ライオンズクラブが堺市に寄付したもんでなあ、うん、一月やったかなあ。ちょっとした撮影スポットになってるんや」

「なるへそ……」

 文字通りのアルファベット。人の背丈ほどで D A I S E N と並んでる。

 小高い芝生公園の真ん中へんで、木々の向こうにごりょうさんが見えて、元々がイケてるロケーション、そこにモニュメントができたもんで、メッチャかっこええ。

「知らなかったねえ」

 うちの十倍くらい情報に強い留美ちゃんやけど、さすがに知らんかったみたい。

「コロナの真っ最中やし、除幕式も関係者だけやったみたいでなあ、まあ、わしみたいなもんが、パチパチ写真撮ってるうちに、だんだん知られて観光スポットになるんとちゃうか」

「ですよね、ハリウッドの文字看板なんて、世界的に有名ですよねえ」

「せやなあ、ハリウッド言うたら、あの山のてっぺんに並んだHOLLYWOODの看板文字思い浮かべるもんねえ」

「あ、でも……」

「「なんや?」」

 お祖父ちゃんと声が揃う。

「DAISENI……Iが余計に付いてるよ」

「「ええ?」」

 ほんまや。

「いやあ、気ぃつかへんかったなあ」

「 I……アイ……愛! 愛の堺市!」

 アハハハ

 笑われてしもた(^_^;)

「でも、I が一文字あるから、Sが真ん中にくるんだよね……」

「スーパー堺! スペシャル堺! とか?」

 スーパーマンのコスの胸には大きなSのエンブレム。なんか、カッコええ!

「スーパー堺て、そんな名前のスーパーマーケットあったような気ぃするで」

「提供は『スーパー堺』でした、とか?」

 アハハハ

 アホ言うてるうちに、閃いた!

「なあ、これをネタに『 I のミステリー!』のタイトルでメールせえへん!?」

「え、なに?」「なんや、それ?」

「明日の昼に、このモニュメントの前に集合かけんねん。『 I のミステリー!』の謎を解く!」

「アハハ、要は、いちびってみんなで遊ぼうってことね」

「うん、そうとも言う」

「イチビリ根性は、高校になっても変わらんなあ」

「なんやてぇ!?」

 振り返ると――オレも入れてくれ――いう顔してテイ兄ちゃんが立っておりました。

 

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« やくもあやかし物語・132... | トップ | 乙女先生とゆかいな人たち女... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ノベル」カテゴリの最新記事