タキさんの押しつけ映画評「崖っぷちの男」
いやはや、こんな残念な映画も珍しい。
俳優さんはベリグッド!サスペンスの道具建ても揃っている。……なのに、この不満感はナンダンネン?
本作はアメリカでも大ズッコケ、2週間、1600万ドル少々でボックスオフィス・ベスト10から消えている。
ヤンキーの好き嫌いが、その作品の良し悪しを反映しないのは、散々書いてきたのでもう言いませんが、本作の不入りは自業自得! あるいは「ユージュアル・サスペクツ」 「フォーン・ブース」 「インサイド・マン」 なんてな作品と肩を並べていてもおかしくないだけの内容は有る。なのに、何でやねん!
これはひとえに、「編集の大失敗」 これに尽きます。作戦として想定されたものと、突発かつ偶然のアクシデントのメリハリがついていないので、見ていて「???」 なシーンが多すぎる。何故、この人物が此処までの能力を持っているのか…といった、基本的に観客を納得させる設定が不足している。あんまり説明されても白けるものですが、これでは説得力に欠ける。ストーリーの進行上、ある仕掛けに拠って知り得た情報が有るのですが、相手の行動を引き出すための引っ掛けは解るが、その結果をいかにして知り得たのかが解らない。……等々、ストーリーテリングが雑過ぎる。
一切、説明抜きで、「ユージュアル・サスペクツ」のように最後の1シーンで全てを氷解させる……「フォーン・ブース」 のように観客に疑問を差し挟む暇が無い位たたみかける、等々すれば、作品の中に面白くなる要素は揃っている。
要するに、各シーンがバラバラで、有機的に繋がっていないのが最大ネック。 これはあまりにも惜しい、こっちが泣きたい位。 俳優の演技は良いのに、設定アイデアも面白く出来ているのに、こんな不満タラタラな結果に成るのは……編集の失敗以外に無いのですが、これは編集者の腕が半分あるのと、もう一つはプロデューサーが配給会社との交渉をマズっているからです。
本作は102分の作品ですが、せめて後15分あれば補強出来たはず。私が感じた不満に応えるシーンが撮影されていたのは間違いない。映画の尺を短くした為に入りきらなくなっている。リーマンショック直後、資金ショートの為、中途半端に成ってしまった作品が大量に出回った。「天使と悪魔」「ワルキューレ」 等々。本作の設定のキーポイントの一つがリーマンショックだというのが、とんでもない皮肉に感じられた。演技のクオリティは決して低くないので、全否定はしたくない。
「兎に角 見に行って!」と言えないのが寂しいでござる。 久し振りにエド・ハリスを見ましたが、えらく痩せていました。減量したというより、大病の後、という感じで…何も無きゃいいんですが、大好きな俳優さんなので心配です。
いやはや、こんな残念な映画も珍しい。
俳優さんはベリグッド!サスペンスの道具建ても揃っている。……なのに、この不満感はナンダンネン?
本作はアメリカでも大ズッコケ、2週間、1600万ドル少々でボックスオフィス・ベスト10から消えている。
ヤンキーの好き嫌いが、その作品の良し悪しを反映しないのは、散々書いてきたのでもう言いませんが、本作の不入りは自業自得! あるいは「ユージュアル・サスペクツ」 「フォーン・ブース」 「インサイド・マン」 なんてな作品と肩を並べていてもおかしくないだけの内容は有る。なのに、何でやねん!
これはひとえに、「編集の大失敗」 これに尽きます。作戦として想定されたものと、突発かつ偶然のアクシデントのメリハリがついていないので、見ていて「???」 なシーンが多すぎる。何故、この人物が此処までの能力を持っているのか…といった、基本的に観客を納得させる設定が不足している。あんまり説明されても白けるものですが、これでは説得力に欠ける。ストーリーの進行上、ある仕掛けに拠って知り得た情報が有るのですが、相手の行動を引き出すための引っ掛けは解るが、その結果をいかにして知り得たのかが解らない。……等々、ストーリーテリングが雑過ぎる。
一切、説明抜きで、「ユージュアル・サスペクツ」のように最後の1シーンで全てを氷解させる……「フォーン・ブース」 のように観客に疑問を差し挟む暇が無い位たたみかける、等々すれば、作品の中に面白くなる要素は揃っている。
要するに、各シーンがバラバラで、有機的に繋がっていないのが最大ネック。 これはあまりにも惜しい、こっちが泣きたい位。 俳優の演技は良いのに、設定アイデアも面白く出来ているのに、こんな不満タラタラな結果に成るのは……編集の失敗以外に無いのですが、これは編集者の腕が半分あるのと、もう一つはプロデューサーが配給会社との交渉をマズっているからです。
本作は102分の作品ですが、せめて後15分あれば補強出来たはず。私が感じた不満に応えるシーンが撮影されていたのは間違いない。映画の尺を短くした為に入りきらなくなっている。リーマンショック直後、資金ショートの為、中途半端に成ってしまった作品が大量に出回った。「天使と悪魔」「ワルキューレ」 等々。本作の設定のキーポイントの一つがリーマンショックだというのが、とんでもない皮肉に感じられた。演技のクオリティは決して低くないので、全否定はしたくない。
「兎に角 見に行って!」と言えないのが寂しいでござる。 久し振りにエド・ハリスを見ましたが、えらく痩せていました。減量したというより、大病の後、という感じで…何も無きゃいいんですが、大好きな俳優さんなので心配です。