(2009年8月20日千代田TMCにおけるスピーチ:プロジェクト9「パワフルな説得」)
エコハウスを考える
最近、地球温暖化問題が様々なメディアで頻繁に取り上げられるようになりました。そして、二酸化炭素などの温暖化ガスを減らすための取組が盛り上がりを見せています。
そのような取組は、環境破壊や公害問題を解決する学問であるエコロジーをもじって「エコ○○」と呼ばれ、国民から注目されています。例えば、エコカー、エコグッズ、エコポイント、エコハウスなどです。
そこで、私は今、築15年になる我が家をエコハウスにできないものかどうか検討しているところです。
当面考えられる方法は3つあります。
ひとつ、冷暖房機器をより熱効率のよいものに変える。社団法人日本冷凍空調工業会の調査によりますと(資料1)、エアコンは13年前のものに比べて40%も熱効率がよくなっているそうです。ガス器具も同じように性能が向上しています。よって、これらの機器を新しいものと交換するだけで相当程度の電気やガスの節約になります。
ふたつ、窓や壁の断熱性能を高める。一般的に、窓から漏れる熱が家全体の半分を占めると言われていますから、壁よりも窓の断熱に力を入れた方が効果的です。例えば、7年前に自宅をエコハウスに建て替えられた前の東大総長である小宮山さんによれば(資料2)、すべての窓を二重ガラスにしたことで冷暖房の効率が上がり、エアコンの買い換え効果などと相まって電力消費が半分に減ったそうです。
みっつ、自然の恵みである太陽光や太陽熱を利用する。例えば(資料3:計算式)、我が家に3.5kwhの太陽光発電装置を設置しますと、年間で平均3,680KWhの電力を発電することができ、電力会社から買う電気が84%も削減されます。
では、これでほんとうのエコハウスになるのでしょうか? 2つの問題点があります。
ひとつ、地球全体からの視点が欠けている。日本の住宅は平均して30年で建て替えられていますが、その木材が育つのに50年かかります。つまり、50年以上かけて育った木を30年で使い捨てているのです。特に、ベニヤ板には、東南アジアの熱帯林やシベリアの森林の木材が使われています。どちらも数百年単位の時間をかけて育った木材です。これを30年で壊してしまって、果たして環境に優しい住宅と言えるのでしょうか。
ふたつ、個人がたやすく実現できるものではない。新しい電化製品への買い換え、高断熱化、さらに太陽光発電装置の導入には、総額300万円を越える多額の費用がかかります。エネルギーの節約によって多少得になる面もありますが、それでも個人にとっては大きな経済的負担になることはまちがいありません。これが、エコハウスに対する政府補助金の一覧表ですが(資料4)、まだ十分ではありません。エコハウスの更なる普及のためには、行政側の一層の支援が必要ではないかと思います。
以上、我が家のエコハウス化の話が、皆さんが地球環境問題を考えるにあたって参考になれば幸いです。
(文字数:1207)
エコハウスを考える
最近、地球温暖化問題が様々なメディアで頻繁に取り上げられるようになりました。そして、二酸化炭素などの温暖化ガスを減らすための取組が盛り上がりを見せています。
そのような取組は、環境破壊や公害問題を解決する学問であるエコロジーをもじって「エコ○○」と呼ばれ、国民から注目されています。例えば、エコカー、エコグッズ、エコポイント、エコハウスなどです。
そこで、私は今、築15年になる我が家をエコハウスにできないものかどうか検討しているところです。
当面考えられる方法は3つあります。
ひとつ、冷暖房機器をより熱効率のよいものに変える。社団法人日本冷凍空調工業会の調査によりますと(資料1)、エアコンは13年前のものに比べて40%も熱効率がよくなっているそうです。ガス器具も同じように性能が向上しています。よって、これらの機器を新しいものと交換するだけで相当程度の電気やガスの節約になります。
ふたつ、窓や壁の断熱性能を高める。一般的に、窓から漏れる熱が家全体の半分を占めると言われていますから、壁よりも窓の断熱に力を入れた方が効果的です。例えば、7年前に自宅をエコハウスに建て替えられた前の東大総長である小宮山さんによれば(資料2)、すべての窓を二重ガラスにしたことで冷暖房の効率が上がり、エアコンの買い換え効果などと相まって電力消費が半分に減ったそうです。
みっつ、自然の恵みである太陽光や太陽熱を利用する。例えば(資料3:計算式)、我が家に3.5kwhの太陽光発電装置を設置しますと、年間で平均3,680KWhの電力を発電することができ、電力会社から買う電気が84%も削減されます。
では、これでほんとうのエコハウスになるのでしょうか? 2つの問題点があります。
ひとつ、地球全体からの視点が欠けている。日本の住宅は平均して30年で建て替えられていますが、その木材が育つのに50年かかります。つまり、50年以上かけて育った木を30年で使い捨てているのです。特に、ベニヤ板には、東南アジアの熱帯林やシベリアの森林の木材が使われています。どちらも数百年単位の時間をかけて育った木材です。これを30年で壊してしまって、果たして環境に優しい住宅と言えるのでしょうか。
ふたつ、個人がたやすく実現できるものではない。新しい電化製品への買い換え、高断熱化、さらに太陽光発電装置の導入には、総額300万円を越える多額の費用がかかります。エネルギーの節約によって多少得になる面もありますが、それでも個人にとっては大きな経済的負担になることはまちがいありません。これが、エコハウスに対する政府補助金の一覧表ですが(資料4)、まだ十分ではありません。エコハウスの更なる普及のためには、行政側の一層の支援が必要ではないかと思います。
以上、我が家のエコハウス化の話が、皆さんが地球環境問題を考えるにあたって参考になれば幸いです。
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