ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

DUG WATKINS

2006年11月01日 | レコードのお話
「コンニチハ、コレハ厚木ニユキマスカ?」と声をかけてくる人を、みればコートに軍帽で正装した米軍将校ではないか、なんてこった。
都心から帰宅する勤め帰りの男女が、一日の疲労で黙然としていた電車内に、サッと緊張が走るのを、ありありと感じた当方は、勃発したライブに準備がともなわない。
対話の相手は目前のアメリカ人でありながら、心はかたずをのんでかたまってしまっている周囲の日本人に向いている。英語に堪能な人も多かろう。
「プリーズ、スローリィ*?#×...おれは、英語..話サナーイ」
将校は、これは申し訳ないとやさしい顔になって、いま沖縄から着いて、新任地に向かっていると言う。彼はここまで、日本人だらけの群衆のなかを一人で行軍して、誰かと話したかったのであろう。大和駅に着いたとき「ここだ」と合図すると、うなずいて下りていった。
ジャズメンでいうと『DOUG WATKINS』によく似ていたが、ジャズ談義はちょっと無理。ワトキンスのベースは、Saxophone Colossusでもブンブンと太くて一本調子が、宵越しのゼニを持たない江戸っ子の気っ風。
相模鉄道線はそのころ新興住宅地の開発でにわかに乗客が増え、みな転入してきた新人である。あるとき、帰宅の電車で居眠りしたら、その大和でドヤドヤと降りる群れの誰かが、ポンと革靴を蹴って、眠りをさましてくれたっけ。

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