ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

ドボルザークの新世界

2006年11月05日 | レコードのお話
その背筋の通った紳士は、「ケルテス・ウイーンフィルの『新世界』を聴きたいものです。高校生の頃から、オーディオ装置の改良のたびに確かめた盤でありまして...」と申されて、中腰に身を乗り出しロイヤルの中央で待ちかまえている。
ウイーンフィルのティンパニーは、ダッダダダーンとおなかの皮にプルプルと感じる音波を繰り出して、スピーカーの右から左にドボルザークの情念をいささか過剰なまでに演出すると、高城重窮氏がうれしそうに吶々と「優秀録音盤です」と紹介した、あのFM東海実験放送の番組は、日曜ともなれば、菅野沖彦氏や高和元彦氏などお歴々が優秀録音盤を引っ提げて熱弁を振るい、耳が放せなかったので、デートの時間との調整に皆の衆は苦労した。遠い昔日の記憶が蘇る。
「うーむ、いままで気の付かなかった音が聴こえましたね」とややあきれたように845アンプを眺めると、この球の音は初めて聴きました、と笑っておられる。
なんでも、充電池をいくつも繋いでアンプを駆動している知人からROYCEのことを耳にして登場されたそうであるが、座右の音楽の九割がたクラシックであるそうで、タンノイもこのような人に傅けば、海を渡って来たかいがあるのか。

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