飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

3年生社会科の学習技能

2023年04月20日 10時16分39秒 | 社会科
3年生の社会科では次のような学習を行う。

1わたしたちの大好きなまち
身近な地域や市の地形・土地利用・公共施設・交通の様子など
2 働くひととわたしたちのくらし
地域の生産や販売の仕事
3 変わるわたしたちのくらし
地域に残る昔の道具、生活の変化、文化財や年中行事

1と2が4年生では「わたしたちの賢のまちづくり」(47都道府県の名称と位置、都道府県の地形、主要産業、交通網、他の地域との関わり)につながり、3は「昔から今へと続くまちづくり」(地域の発展に尽くした先人のはたらき)へとつながっていく。

生活科と社会科とは目標が異なる。
まず、3年生の社会科を進めていくときに必要となる学習技能を鍛えて置く必要がある。

1 体験的に調べる技能を伸ばす
3年生になると子どもたちの行動範囲も広がり、活発に動くようになる。
この気持を大切にして、体で調べる技能を伸ばしていく。
勉強と考えると意欲も落ちるかもしれないが、この頃の子供は遊びと学習の境があいまいだ。
だから遊びながら調べる意識でいい。
2年生の生活科で培ってきた能力をいかすことを考える。
これまでの体験学習を学習技能に高める意識で指導する。

特に3年生の社会科の単元は、外を歩き回るようになっている。
教室の中だけでは学習できないようになっていると言ってもいい。
この体験学習の中で、体で調べる技能・比較統合する技能・分析する技能を身に着けさせるのである。

2 「たずねる」技能を鍛える
内容の指導の前にすることがある。
それは、調べ方やインタビューの仕方の技能である。
体験的に学ぶときに、インタビューをする技術は必要不可欠である。
しかも、一方的に教え込むのではなく、ごっこ遊びの中で教える。

(1)インタビューの技能
インタビューの技能は話して聞かせるだけでは身につかない。
ごっこ遊びをしながら楽しく教える。
その時に最低限指導するポイントは次のようなこと。

①きちんと挨拶する。
②何を聞きに来たのか、聞きたいことをはっきり言う。
③質問をする。聞いたことの要点を必ずメモする。
④内容がわからない時、「〜ということですか。」「今のところをもう一度教えてください」などと、はっきり言う。
⑤きちんとお礼を言う。自分が思うような情報が入手できないと、お礼も挨拶もしないで帰ることが多いので、きちんとする。

子供が取材できない大半の責任は教師にある。
その原因は明白である。
指導をしていないからである。

(2)メモをとる技能
子供はインタビューした内容をすべて記録しようとする。
これでは当然だが、効率が悪い。
忙しい中協力をしていただいている人に、「もう一度お願いします」なんてことになる。
となると、普段からメモをする習慣や能力を鍛えておく必要がある。
そのいい機会が、国語におけるキーワード探しである。
例えば、ある説明文の形式段落一つを取り上げる。
この時に、キーワードがわかりやすい段落がよい。

文を読ませたあとに、「この中に、いくつかの文があるか、番号をつけなさい」と指示する。
複数のセンテンスがあることを確認する。
それぞれのキーワードを見つけさせる。
センテンスの中で一番大切な言葉。
その言葉がないとその文の言いたいことが言えないような言葉を探させる。
このキーワードがメモの中心となる。

この時に、一緒にラベリングとナンバリングという言葉も教えておく。
箇条書きについても教える。
あと、他の教科もそうだが、子どもたちはノートの端に何でも書こうとする。
ノートはゆったり、余裕をもって遣うことを基本とする。
勉強のできる子は間違いなく、ノートをゆったり使っている。
ノートの見開き左側にメモをして、右側はあけておくくらいでいい。
その右側には、調べたことを付け加えたり、感想を書いたり、スケッチをかいたりするからである。
分からないことがでてきたら「?」をかいておく。
そのときにも余白があれば、そこに答えをかくことができる。
質問もできる。

saitani



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