飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

褒め方レパートリー

2023年04月21日 09時45分43秒 | 学級経営
年度始めに一番初めに大切なことは何か。
それは子どもたちの信頼関係を築くことだ。
人間は何を言われたかよりも、誰に言われたかのほうが重要になる。
この人に言われると素直に聞くが、この人の言うことは全く聞かない。
こんなことは学級の中ではよくある。
本当はいけないのだが。
それは二人の間に人間関係がきちんとできているかどうかが問題になる。

学級の中には、反抗的態度をとったり、素直に注意や指示を守らないことがいる。
黄金の3日間で、アドバルーンを潰したり、厳しく指導したりはするが、反発されることもある。
子どもたちは、担任の人となりをみている。
この先生は言っていることが一貫しているか。
差別や贔屓をしていないか。
誰にでも平等か。
そんなところを厳しく見て、特に言うことを聞かない子はとくに、担任への信頼度を判断する。
これを考えないと頭ごなしにルールばかりを押し付けると、反発される。
子供におもねることはしないが、迎合もしない。
しかし、一人ひとりを理解して、信頼をすることは大事だ。
私は、子供のことを信用はしていないが、信頼はしている。
このあたりも、担任にとっては大事なことだ。

信頼関係を構築し、人間関係を良好にするにはほめることが有効だ。
しかも、褒めるパターンも複数あったほうがよい。
そしてTPOによって使い分ける。

1 あなたのおかげで○○さんが〜
その子の言動が他の子に良い影響を与えた瞬間を逃さずキャッチして褒める。
その子が意識している、してないに関わらず。

2 呼び出し褒め
他の子にわかるようにやるかは状況による。
先生からの呼び出しが必ずしも悪いことではないという意識付けにもなる。

3 意識した?
その子と何らかの課題や目標を共有していて、それらをクリアできていた時につかう褒め方。
意識していると答えたら「よく、意識したね」意識していないと答えたら「意識しなくてもできるところまできたんだね」

4 褒め去り
まだ信頼関係が万全じゃない時や思春期系子供によく使う褒め方。
すれちがいざまに「良い発表だったよ」みたいな褒め言葉をかけて、相手の反応を見ずに去る。
子供は反応しなくてもいいし、逆に、「そんなことないし。」みたいな天の邪鬼ワードを発して照れ隠しすることもできない。

5 黒板に書いておく
その日にあった良いことを放課後に黒板に書いておいて、次の日の朝の会でそれを読む。
全員がじっくり読んで聴ける。
クラス全体に価値を広げたいときに有効。

6黙ってグータッチ・サムズアップ
互いに良かったことの価値を共有できている場合に使う褒め方。
あえて言葉を発しないことで、以心伝心感をより強く感じられる。

7 複数人褒め
複数人でよい言動があった場合、あえて一まとまりで呼んで褒めることで、チームとしての絆みないなものが生まれる。
その後、互いに声をかけあったりして言動が強化されることがある。

8 保護者に電話
保護者に電話をするときには、多くは問題行動があったとき。
この電話は保護者も子供もうれしいけど、先生と親はつながっていると潜在的意識を子供に密かに与えることもある。

9 その子にとっての当たり前を褒める
その子が当たり前にやっている価値ある行動をみんなの前で褒める。
ただし、高学年の女子の場合は注意が必要。
本人が嫌がる場合もあるし、他の女子からひいきと捉えられる可能性がある。
周りの子には、聞く価値のあることだが、当たり前が故にそんな価値に気づいていないその子に価値をメタ認知させることが主目的。

10 その子の伸びを褒める
他の子にとっては当たり前でも、その子にとっては価値ある言動をみんなの前でほめる。
その子も嬉しいけど、そういう子もいるんだ、その子なりに頑張っているんだということを他の子に気づかせることが主目的。

11 あなたにとっての普通は当たり前じゃない
その子の能力をその子自身に気づかせる褒め方

12 僕は嬉しい
これは信頼関係ができていればいるほど効果的。

saitani

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