飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

社会科おける経験と記号資料

2024年06月27日 09時05分18秒 | 社会科
ある言葉が理解できるためには、それに先立つ体験(意味内容)が理解されていることが必要となる。
そして、体験をもとに間接体験(映像等)が理解され、それらをもとに記号を理解していく。
経験と記号を次のように定義づける。

経験…個人的に蓄積された情報のうち(内部情報)、直接見聞きした情報を経験とよぶ
記号(記号資料)…外部情報のうち、文字、表、数字などの抽象化された情報を記号資料とよぶ

例えば、工業地帯という言葉がある。
厳密に言うと工業地帯という抽象的な内容は存在しない。
「川が汚れている」「工場がたくさんある」「車が多い」「星が見えみえにくい」「緑が少ない」「騒音がある」「人間が多い」等の個別の現象が存在するだけである。
子供が工業地帯という言葉を理解するためには、そうした個別の体験(直接的な体験及びイメージ)が不可欠となる。
グラフや表といったものをもとに理解するのではなく、個々の体験をもとに理解する。

要するに、何かを理解するときには、記号資料を与える前に、子供の頭の中は次のようでなければならない。
①対象となる事柄について具体的事実を豊富に知っている。
②個別的な事実を系列化し、その中の意見と矛盾を検証する方向を考えられる。
③検証した内容をある方向から分析整理してとらえなおすことができる。

さらに整理する。

①社会科の授業を支える資料は、A体験資料B記号資料の二種である。
②BはAをもとにしてのみ理解しうる。
③授業の中では、ア体験層を拡大する イ体験の層を系列化し意見矛盾を明確にする
 ウ分析整理して抽象的理解の層を広げる。
 体験は直接経験したことだけを意味しない。

まとめ

①「記号資料」は「体験資料」に基づいて理解される。
②「体験」資料の層を拡大することを重視する必要がある。
③「記号資料」だけを中心にした授業は、初めからある種の「狭さ」を含んでいる。

saitani

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