私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

タイラバじゃないよ。タイバラだよ。 タイリクバラタナゴ    釣査9種目

2016-11-08 22:12:47 | 純淡水魚
2016年11月8日

 タナゴ類など淡水・汽水の小物たちに遊んでもらって、はや50年。
一度たりとも「ねらってタイリクバラタナゴを釣る」ことはなかったのである。
タモ網でもモンドリ・セルビンでも簡単に採れる。
水中の壁面に姿が見えることもよくある。
水質の悪化にもタナゴ類の中では強いほうだから、
霞ヶ浦など大きな止水域のある関東の人たちにとって
「オカメ(タイリクバラタナゴのこと)釣り」など、お茶の子さいさいだろう。

 ところが、私の暮らす地域ではそうはいかないのだ。
ため池などの止水域は、死んでいるか、ブルーギル・オオクチバスに占拠され滅んでいる。
用水路・小川などの流水域では、ヤリタナゴ・カネヒラ・アブラボテとのエサ取り競争に負けてしまっている。
偶然、数尾釣れる時もあるが、本当に万に一つの偶然に過ぎなかったのである。
エサも、黄身ねり・赤虫・グルテン・サシなどいろいろ試してもダメなのである。

 タイリクバラタナゴだけを釣ろうじゃないか。
とことん小さな仕掛けを前々から時間と工夫を重ねて周到に準備してみた。
極小のウキ・しもりを手作りで、針はとことん研いで小さくした。
エサは極秘だ。竿は90cm。

 早速、いつもヤリタナゴばっか釣れるポンイトに行く。壁面に姿なし。
別のポイントへと移動する。いるいる!

 決戦は今だ!

 あらま、特製エサ忘れたがな。
最近、あれやこれや忘れてしまうことが多いからそう残念でもない。
老いたのだから仕方がない。
おやつ用のパンをちぎって練っちゃえ!
釣れたのである。
ほんの数分で・・・2尾も。
パンでもいいのか! きみたちは!



 通りがかりのおっさんが声をかけてくる。
「コイ釣りょうるんかあ! ここ、でっかいのおるで!」
どうみても90cmの短いか細い竿で釣れるわけはないのだが、
「タイバラ釣ってます。」と言うと
「タイラバでコイが釣れるんか?」・・・・・・・う~ん、ややこしい。
見てもらうほうが早い。


 小雨が降り始めてきた。アタリのとり方も慣れてきた。
タイバラだけを5尾釣ったところで竿じまいしよう。
仕掛けの上の個体がメス。産卵管がほんの少し伸びている。
目的は完璧に達成だ。


 ちなみに、ニッポンバラタナゴは、中国の揚子江流域から食用として移入されたこのタイバラとの競合に負け、
ごく一部の地域にだけ生息している。
見分け方は、腹びれ前部に白い線がないのがニチバラ、あるのがタイバラだと多くの図鑑には書かれている。
実際、中国上海でモンドリで採ったタイバラには白線がしっかりとあった。
 ただ、少し考えてみただけで分かると思うのだが、
中国という広大な国のさまざまな水系で、すべて同じような白線をもつタイバラである訳がない。
実際ニチバラそっくりのタイバラもいたり、ほっそりしたタイバラもいたりするらしいのだ。
つまり、日本のタイリクバラタナゴのほとんどは「ヨウスコウバラタナゴの一部」ということに過ぎないのではないかなあ?

 となるとニチバラと見分けのつかない「中国からのバラタナゴ」が観賞用に輸入された魚たちに混じって入ってきたらどうすればいいのだろう?
確実に遺伝子攪乱の速度が上がってしまう。


 「美しき日本」というお題目を唱えておられるおえらい方々の頭の中に、
日本特有の自然環境・固有生物を残していける真摯な姿勢や取り組みが浮かんでいるだろうか? 
甚だ疑問である。

 ちなみに、私の地域ではすでにもうニチバラはいない。
一時はタイリクバラタナゴがどんどん増えていったけれど、
今ではそのタイバラでさえ明らかに減ってきているんだよなあ。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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タナゴに吊られて (目立て屋)
2016-11-14 18:37:57
釣られて、ではありません。
イヤー 面白い!
文才なのか? 
進行が時々or意図的に脇道に逸れるのが、気休めにもなる1944年生まれには有り難いです。
時折、寄らせて頂きます。
返信する
お褒めいただき感謝! (管理人 定年親父)
2016-11-14 19:15:42
目立て屋 様

有難うございます。
面白いと言われるのは最高の褒め言葉です。
退職前から、ずっと続けてきた水生生物たちのことを
ちょっぴりふざけつつ書いていきます。
どうぞご贔屓に。
返信する

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